表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?【コミカライズ】  作者: 三沢ケイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/82

◆ 第二章 お飾りの妃は補佐官として奮闘する(4)

「なるほど」


 ベアトリスは頷く。確かにヒフェルの古代文字は南方の島国でかつて使われていた文字であり、今はもう使われていない。ベアトリスが翻訳業という特殊な仕事をしていなかったら見たことすらなかっただろう。


「でも、魔力があってかつ色んな国の言語を操れる人がこれを盗んだら、簡単に読めちゃうわよね?」

「そうだね。でも、特別な訓練をうけていないのにそんなことができる人間なんているわけがないってことになっていたんだ。魔力持ち自体が国で数えるほどしかいないし」

「いるわけがない……」

「そっ。俺達も世界各国の言語を全て覚えることはできないから、それぞれ言語を決めてマスターする。大体五カ国語かな。手紙をやり取りするときは、相手と共通して覚えている言語を使用する。ちなみに、俺はヒフェルの古代文字は読めない」


 ベアトリスは自分がここに連れてこられた理由を察した。


 貴重な魔力持ちを探し出し、国からの特別な訓練を受けさせてようやく読むことができるはずの手紙を、ベアトリスはなんの特別な訓練なしで読んでしまったのだ。しかも、ベアトリスはヒフェルの古代文字以外も世界各国の言葉を大体理解できる。


「ベアトリスみたいな有能な人が来てくれて本当に助かるよ。きみが来る前は、この書類を作る事務作業も僕らでやらないといけなかったからさ」

「そうですか」


 ベアトリスは一言だけ、返事する。


(煽てられたって絆されないんだから!)


 そうは思うものの、褒められると悪い気はしない。

 むしろ、自分の特技で人の役に立てているのが嬉しかった。



 ◇ ◇ ◇



 ベアトリスは錦鷹団の団員だが、表向きは〝王太子アルフレッドが一目ぼれした令嬢〟ということになっている。もっと正確に言うと、アルフレッドがゴリ押しして急遽迎え入れた側妃だ。


 そのため、どうしてもやらねばらならないことがあった。


「ご機嫌よう、ルーモア先生」

「ご機嫌よう、ベアトリス様」


 ベアトリスが優雅に頭を下げると、相手の女性──王太子の妃教育の指南役であるルーモア先生も優雅にお辞儀する。

 そう。どうしてもやらねばならないこと。それは妃教育だ。


 ベアトリスは実のところお飾りの側妃なのでこの授業を受ける必要などない。しかし、表向きは寵妃であり、正妃として迎え入れる時間すら惜しいとアルフレッドが側妃として迎え入れたことになっている。

 周囲に真実を悟られないようにしているので妃教育を受けていないと不審に思われるとジャンに説得(命令ともいう)され、しぶしぶ受けることになった。


(でも、結果として受けてみてよかったわ)


 元々本が大好きで世界中の言葉を覚えてしまうベアトリスは勉強が嫌いではない。

 一般に出回っている書籍にはなかなか載っていないことまで教えてもらえる妃教育は、むしろ興味深くて面白いのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新投稿作品
10年振りに会った婚約者の様子がおかしいです!
「竜騎士様の最愛花嫁」


新刊発売情報
「偽りの錬金術妃は後宮の闇を解く」
2023年7月5日 一二三文庫様より発売です!

i750897
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ