表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?【コミカライズ】  作者: 三沢ケイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/82

◆ 第一章 この度、お飾りの妃に任命されました(13)

「なんだ、お前──」


 突然の乱入者にブルーノが剣呑な眼差しを向ける。しかし、その男を見た瞬間に表情を強ばらせた。どうやら、知っている顔のようだ。


(だから、誰?)


 ベアトリスは身を捩って、自分を抱き寄せている男を見上げる。

 そこにいたのは、一目で高位貴族とわかるような凜としたオーラを放った美しい青年だった。


(……本当に誰なの⁉)


 はっきり言おう。ベアトリスは知らない人だった。


 金糸のような艶やかな金髪を靡かせたその姿は、王宮内に飾られた神々の肖像を思わせるほどに整っている。猛禽類を思わせるような鋭い目元と高い鼻梁、顎のラインは男性的な凜々しさを感じさせた。袖や襟に金糸で刺繍が施された上質なフロックコートを着ていて、まっすぐブルーノ達を見据える瞳は紫色だ。


「あなた、誰!?」


 ベアトリスは思わず声を上げる。すると、男は視線をこちらに向け、一転して蕩けるような甘い笑みを浮かべる。


「酷いな。俺はお前に会いたくて、ここまで来たのに」

「わたくしに会いたくて?」


 ベアトリスはこれまで会った貴族の顔を高速で思い浮かべる。

 こんなに奇麗な人、一度会ったら絶対に忘れないはずだ。けれど、全く思い出せない。


 だが、ここにいるベアトリス以外の人はこの人が誰なのか知っているようだった。


「どうしてあなた様が……」


 ブルーノが震える声でつぶやくのが聞こえた。


「俺がいては何か問題が?」

「いえ、そんなことは」


 ブルーノは真っ青な顔で首を左右に振る。


「先日の王宮舞踏会で可愛い子ネコを見つけたのだが、その子ネコはどうやら捨てられたらしいと噂に聞いてな。だから今日は、その子ネコを拾いに来た」

「子ネコ!?」


 この話の流れでは、子ネコとはベアトリスのことだろうか? なんて失礼な人なのだろうとベアトリスは呆気にとられた。


「しかし、ベアティはこれまでローラに数々の悪事を──」

「お前はコールマン侯爵家の嫡男だったな?」

「はい」

「ベアトリスは俺が拾った。つまり、俺のものだ。以後、俺のものに対して馴れ馴れしく愛称を呼ぶな」


 落ち着いた、けれど威厳のある話し方は歯向かうことを許さない迫力があった。


「……っ!」


 ブルーノはさっと顔を青くする。


「さあ。目的は達したし、我々は行こうか」


 男はベアトリスを見つめ、微笑む。そして、腰を抱いたまま会場の外に出ようと促した。


 ベアトリスは混乱した。


「え、え? 行こうってどこに?」


 そもそも、この男が誰なのかがわからないので状況がさっぱり理解できない。なんのドッキリだろうか。シナリオを一度も見せられたことがないのに舞台の本番に突然押し出された気分だ。


「無理です。わたくし、ここに婚活しに来たので」

「婚活? それならもう、必要ない」


 男はきっぱりと言い切る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新投稿作品
10年振りに会った婚約者の様子がおかしいです!
「竜騎士様の最愛花嫁」


新刊発売情報
「偽りの錬金術妃は後宮の闇を解く」
2023年7月5日 一二三文庫様より発売です!

i750897
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ