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25話 日常、少しの変化

昨日は投稿できず、すみません。

 俺は今、玄関の前で固まっていた。

 

 俺はいつもの様に学校に行こうと玄関を出たら、目の前にはたくさんの大人の人達がカメラやマイクを構えて待っていた。

 

 俺は突然のことに頭がついていかず、慌てて玄関に戻って一旦落ち着くことにした。

 

 なぜ、俺の家の前にあんなに(マスコミ)がいるのか。

 俺は考えて、一つのことに思い至った。

 

 それは先週行われた、全日本学生音楽コンクールの全国大会のピアノ部門で俺が一位入賞したことだ。

 

 これは凄く嬉しかった。

 

 このコンクールは主催が毎日新聞社なので、一位入賞者などは名前と学校名と学年が新聞の記事に掲載されるのだ。

 

 通常は新聞の記事に掲載されると言っても、小さい枠で、ピアノの小学生の部なんて本当に注意して見ていないと見逃してしまう程だ。

 

 しかし、今回は俺の写真が大きく新聞の一面を飾った。

 多分、小学一年にして一位入賞したことが影響しているのだろう。

 

 これらの所為で俺の家の前には沢山のマスコミがいるのだろう。

 

 こんな記事になりそうな事(既に記事になっているが)マスコミが見逃すはずもなかった。


 俺はどうしたものかと考え、このままだと学校に行けないので面倒臭いが取材を受けることにした。

 

 そんな時、後ろから母さんがやって来た。

 

 「どうしたの蒼、なんだか外が騒がしいけど......」

 

 「なんか、記者の人達が沢山いて、取材しようとしてるんだよ。」

 

 俺がそう言うと母さんは嬉しそうに言った。

 

 「じゃあ、私が蒼の凄いところを余すことなく伝えなくっちゃ!」

 

 母さんは急いでメイクをして、玄関を飛び出して行った。

 

 俺は止めようと思ったが、母さんはやる気満々だったので、そのまま母さんに面倒臭い記者達の相手を任せて、俺は学校に行くことにした。

 

 母さんがどんなことを言うのか心配だったが、一応常識はあるだろうと無理矢理思い込み、それ以上は考えないことにした。

 

 学校に着くと、クラスでも新聞の記事のことが話題になっていた。


 多分、親から聞いたのだろう。

 俺のことを凄いと褒めてくれる子たちも何人かいた。


 しかし、小学一年生にとって、コンクールや全国大会といったことはあまりピンと来ないものらしく、すぐに話題は昨日のテレビの面白かったことなどの話に移っていった。

 

 それに伴い俺の周りからも人が居なくなった。

 

 これを機に少しでも友達が増えたらいいなと思っていた俺の願いはあっけなく終わった。

 

 まあ、友達が増えても、あまり会話についていけないので良かったかもしれない。

 

 これが中身が30歳の辛さだと思いながら、暗い気分のまま席に着いた。

 

 すると、横からやや興奮気味の声で話かけられた。

 

 「ねえねえ、蒼くん!ピアノのコンクールで一位になったんだってね!凄いね!」  


 その声の主は佐々木さんだった。

 俺は嬉しさのあまり舞い上がりそうだったが、何とか堪えた。

 

 「うん、佐々木さんのアドバイスのおかげだよ。ありがとう。」

 

 そう言うと佐々木さんははにかんだ様な笑顔をした。

 

 「そんなことないよ、私、蒼くんがすっごく練習してたの知ってるもん。それに蒼くんのピアノは聞いてて楽しい気分になれる魔法のピアノなんだよ。」

 

 俺は佐々木さんが俺のピアノについてそんなふうに思ってくれていることを知れて嬉しかった。


 「ありがとう。そう言ってもらえて嬉しい。」

 

 そこから、佐々木さんとはたわいもない話をした。

 

 佐々木さんと俺との距離感はだいぶ近づいて来た気がする。

 

 今日のように普通に話をすることも最近多くなって来た。

 

 俺には数少ない友達のうちの一人で好きな人だ。

 これからも、段々と仲良くなっていきたい。

 

 しかし、佐々木さんの万能っぷりはすさまじい。

 頭が良いのは最早当然で、最近はピアノまで出来るようになってきた。

 

 というのも、俺のピアノを聴いているうちに佐々木さんも一緒に弾きたくなってきたらしく、休み時間に俺と一緒に練習する様になった。

 

 音楽室には2台ピアノがあったのでピアノに困ることはなかった。

 しかし、俺はコンクールもあったため、佐々木さんにピアノを教えている暇がなかった。

 

 佐々木さんもそれを知っていて、コンクールが終わるまで俺に教えてと言ってくることはなかった。

 

 しかし、佐々木さんは独学である程度弾けるようになってしまった。

 

 俺がコンクールを終えて、佐々木さんのピアノを弾いているところを見た時には楽譜を見れば簡単な曲ならば弾けるようになっていた。

 

 それをたった一ヵ月で誰にも教わらずにやってのけるあたり、本当に天才だと思った。

 

 俺的にはもうちょっと手取り足取り教えたかったが......


 まあ、最近の夢は佐々木さんと連弾することだ。

 そのため、最近はミッション○ ○ポッシブルのテーマ曲を練習中だ。

 

 そんなことをやりながら、今日も普段通りの1日が始まって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

沢山の感想ありがとうございます。

作品については賛否両論ありますが、どちらも大切な意見なのでとても嬉しいです。

皆さんとても丁寧に感想を書いてくださりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 逆行転生ものは面白いものが多いですけどこれもすごい面白かったです。毎日投稿じゃなくても大丈夫なのでこれからも更新をお願いします。 [一言] 週何回投稿するとか書いてもらえると嬉しいです。
[一言] 読み切っちゃったよぉ〜! まじで面白い代わりに1話が短すぎるぜ 先が気になる〜!
[良い点] 面白くて一気見しました!
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