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俺Yoeeeee!? —―目指せ人気godtuber  作者: りょうし
序章 ようこそ、godtubeへ
5/5

転生女神の日記 一

 こんにちは。

 転生女神です。


 この国は八百万の神の国。

 どうでもいいものまで神格化されてしまいます。特にわたしとか。


 いろいろあって、異世界転生神の眷属ということになって、わりと忙しい彼の家事代行として東京某所に囲われています。……都合のいい女扱いされますが、まぁ、もともと都合のいい女ですし。


 身辺が落ち着いたので、日記を書いてみたいと思います。

 ほかにすることがないのです。


 一応、日本生まれの神ですから、日記を書くという、らしいことをしてみたくなったのです。


 君筒神くんとかがそうですが、明治以降、外来の神が八百万の神に増えました。同じ動画権能でも、笑笑神さんとか、最近、神として権能を認められてきたチクタクくんとかは日本生まれです。海外由来の神は日本に取り込まれて、なんというか日本支部みたいな感覚らしいですが、帰属意識はもちろんありますし、日本の外のことは権限はないものの、直に「感じる」ことはできるそうです。


 わたしは最も最近の神です。だから、よく歴史がわかりません。

 いえ、古くからの神にとっては歴史ではなくて、記憶や体験の一部です。


 明治以降の近代化で神々たちは人間に愛想をつかしたというか、人間がいなくとも自分たちでやっていけるようにしようと思ったようです。


 神々たちは忘れ去られて消え去ることには、ある程度慣れていました。人間の死と同じで、避けられないこととしていました。

 けれど、明治に起こったという廃仏毀釈でガツンとやられたそうです。統廃合されて、いじくりまわされて。それで、自分が分からなくなった神がたくさんいたそうです。

 人間たちの中でやんわり熟成された変化を受け入れてきた神々たちは、それで人間の信仰に頼っている自分たちのあり方が怖くなったのです。


 だから、それ以外の方策をなんとなく考え始めたのだと言います。


 実はgodtubeはそれの一つなんだそうです。


 godtubeは君筒神くんと笑笑神くんが組んで神向けの動画配信サービスとして始めたものですが、最初は天照大御神が太陽の黒点運動の減少について解説してたりとかで、こう……神々の間で、気疲れ的な……ものが起こりまして……。

 役にたつかもしれないですけど、娯楽ではないですよねアレ。


 わたしは本当に最近、顕現して、ほぼほぼ権能もないのでその流れはよく知らないのですが、神向けの娯楽は他にもたくさんできたそうです。

 権能は人間たちにどう使われているかとか、最近増えてる企業由来の神ですと経営方針なんかが正確に反映されてしまいますし、音楽神のメタル君は分化するジャンルに対して「多重人格」って処理してますしね。


 そんななか、笑笑神くんが他にとって代わられることを恐れて始めたのが「生放送」らしいんです。

 それに乗っかっていったのが、わたしのご主人様、異世界転生神です。


 神界を「異世界」という扱いにし、ここに消えていく神々を住まわせ、環境を整えました。

 すると、日本外のほぼ神話ほどにしか残っていない神々から、移住の申し込みが殺到したらしくて。わたしなんかはこれは防護鏡眼系列の君筒神くんらしい策謀だと思うんですけど……。

 神々を世界のプログラムとして取り込んじゃったらしいんです。どうやったかは、わたしなんかはよく分かりませんけど……。


 それで、「異世界」をいろいろ分化させていきました。恋愛神が移住した世界は恋愛ゲーム化するなんていう具合にです。素材にされた神々の意思がどこまで残っているのかわたしにははかり知れませんけど……。


 「転生」する方は、異世界転生神が自然死する人から選んでいます。あのご主人様、多分そうすることで自分の権能を強化しているんだと思います。それが悪いこととは言いませんが……。


 神々はあまりこういう娯楽に抵抗はなかったそうです。出雲の縁結びの延長線上のようにすんなり受け入れたといいます。もちろん、後からいう、仕組みのおかげもありました。


 もちろん、わたしの出番も当初はありました。

 本職です。転生女神として転生案内をさせていただいてました。


 でも、「転生者は偉くもないのに女を侍らすなんて許せない」っていう苦情が来たらしくて……。

 わたしは知りませんよ? ええ、どなたがおっしゃったか知りませんよ? 想像もつきませんよね……。


 ですので、わたしは降板になりました。今は有名テレビ番組系の神が交代でアナウンサーとして登板しています。彼らも入れ替わりが激しくて、そうやって「異世界」側に移住してしまう神が多いのです。


 それからのわたしの処遇は、社畜神が「転生者は社畜が多いので彼女は私の眷属です」とおっしゃいまして、そちらに傾きかけたんですが、疫病神系の過労死神が「それならこちらの眷属では?」とおしゃって、取りあいになりまして、ええ、本当にわたし都合のいい女扱いされてますよね。

 結局、異世界転生神が渋々手を上げて彼に引き取れたんです。


 まだ、「異世界」に移住した神々がどうやって生活しているか説明してませんでしたね。

 娯楽として楽しむ神々は、神力を通貨として、「転生者」にいろいろと介入できます。ギフトとして物や能力を与えたり、時には周辺環境を変えたり、行き先ルーレットを再び回したり、とかそういう仕組みを笑笑神くんが考え出したんですね。

 

 その神力は「異世界」に居る神々に配当されます。

 神力が余っている神々から、なくて困っている神々に渡る仕組みなんですね。


 こういう仕組みは本当に現代の神らしい発想ですよね。

 近年は造語がわりと世の中に定着するのが早くて、たくさん神が生まれているらしいです。チクタクくんとかはもう日本語も片仮名だけのものが定着して久しいから、もうそのままでいいかなという風潮のなかで生まれてきてそのまま名乗っていますし、あとは芸能神は昔から和名にされるのに抵抗したらしいです。

 そうやって、神々の世界も変わっていってるんですね。


 あれ?

 ご主人様が帰ってらっしゃいました。

 もう少し遅いと思っていたのですけど、今日はこれでおしまいにしますね。

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