はじめての【死に返り】
「いや、痛いとか聞いてないんですけどー!」
叫ぶ。
「ていうか、リスポーン地点固定とか聞いてないんですけどー!」
もっとも、この砂漠だから、初期地点か死亡地点かわからない。
せめて記憶を消してほしい……。いや、それも嫌だ。
ええっと、俺、これどうしたらいいかな?
どうしろって言うのか。
「そもそも時間はたってる?」
時間がたっているかどうかは……。
「星空を見たらわかる!」
わかるかぁ! と一人で突っ込む。へたりこんで尻から魔物にくわれた。
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ハイ、三周目。じゃないな、二回死亡。
足から食われるのも、尻から食われるのもどちらも痛かった。
それで、やっぱり、砂漠で。
「君たちに名前を付けてあげよう。砂漠に星と書いて、デザートスター。はい、ダサい」
というか、本気でこれくらいしかすることがない。
星空を見上げて、動かない星を探そうとしてあきらめた。見つけ方知らないで見つけれるもんじゃないよなー動かない星。
頭いい人は見つけられるのかなー、と思い思い、それより砂漠星にくわれたくない。そちらに頭を使おう。
砂漠との接地面を減らそう。
片足つま先立ちー!
時々足を入れ替えることにして、今後を考える。とりあえず死んでも大丈夫らしいから、命の心配はいい。
なにをしたらいいんだ。
というか、なにがしたいかな、俺は。
「最低限度の文化的生活……?」
無理ゲー?
あくまで目標だから。うん。
で、それで、次。
達成目標が最低限度の文化的生活で、このファンタジー世界でなにができるんだ。
「ていうか、普通に元の世界でも砂漠に放り出されたら死亡フラグ成立じゃん……?」
「いや、とりあえず、この世界がどういう世界か確認しよう」
ファンタジー世界。満点の星空付き。
一応、転生したんだから、
「ステータス画面……」
左足から右足に変えて、腕をクロスさせて叫ぶ。
「いでよ! ステータス画面!」
砂漠星が一匹、砂地から飛びあがった。
目が合う。
右足から食われた。
うーん、声も拾うんだな。
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それから十回くらい優秀な砂漠星のやつらに食われました。
寒さには慣れた。というか麻痺った。
「むしろ俺はもうやつらの栄養源?」
当面の目的は脱、砂漠星の食物にすり替わっている。
うーん、末路ってこういうことかな? でもまぁ、死なないんだから余裕があるよな。
痛さでいろいろ麻痺ってきている疑惑が濃厚だけど。
でも、星空は綺麗だなー。
あれから、念じても空中に絵を描いても英語で言っても、ステータス画面は出現しないことは分かった。
ただ、目をじっと凝らしてると、中央に数字が浮かび上がってくる。
最初から、二桁を越えていたから、死亡回数ではない。
その数字は、ころころ変わる。
変わるけど、連続した動きで、急に百から一万に跳ね上がるとか、その逆とかはない。
一つずつ上がって、もしくは一つずつ下がる。
それから、最初は二桁だったのが、死亡するにつれて上がっている。今は三桁に入ったところ。
死亡回数と比例はしているけど、だからって、直接的な関係があるとは思えない。
「なんなんだろう、この数字」
このファンタジー世界とは関係ないと思うんだよな。
じゃぁ、他に何があるんだ。
砂を刺激しないように、そっと座りなおす。加圧とか考えたら、寝そべっているのが一番いいと思えてきた。
よし、ちょっと寝るか……。
うとうとしはじめた矢先に、一匹の砂漠星が俺の背中へ頭突きをくらわしてきて、群がってきたやつらに四肢を同時に食われた。
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はいはい乙。
「わぁぁあぁぁぁあぁぁぁああぁあぁぁ」
走り回って砂漠星を捕獲しようとして手の先から食われた。
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「このままでは夜が更けてしまう……いや、このファンタジー世界ずっと夜とかないよな?」
夜の王が支配している系。
誰かが夜の王を討伐するまで俺はここで待つのか……。
「いやいやいや、もし夜が明けても俺は砂漠星の餌のままだろ、コレ」
脱餌にはどうすればいいか。わりと装甲があるというか、固いから叩いてもこっちが内出血するだけだろう。
死んだ後になにも残っていないのは、骨までこいつらが食べているからだと思う。
「マジどうしろと……」
ええっと、この世界と数字についての考えに戻ろう。
この数字がファンタジー世界と関係がないのなら、あの天の声が言っていた、他のことと関係があるんだろう。
ギフト?
「……服くれないですかねー」
天から服が落ちてきた。
え?
いや。
え? でもこれ浴衣だ。
一枚でもマシだけどなんで浴衣?
とりあえず慌てて着る。
着れた。上を見上げる。綺麗な星空の他にないもない。
四次元の穴みたいなのが開いて落ちてきた?
「あ、わりと温かい……?」
え、これ死んだら無くなるのかな。つら……。
これも、ギフト? ギフトってことは贈り物ということで。
「誰から?」
いや、その前に。
ギフトということは誰かから、贈り物をもらったということで。
「ありがとうございまーす!」
叫んで食われた。
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学習能力ないな俺。
骨まで食う悪食のやつらは、繊維も食い荒らして、いや、ひとかけらも残らず食いつくしてしまったみたいだ。
さて。
ギフトをくれているのは誰だろう。
ほかに天の声は何を言っていたっけ?
巨大ルーレットと、その針にされたショックで記憶がとんでる。
確か、超けなされて、その前に、たしか、
「ごっどちゅーぶ、とかなんとか」
多分、god tubeであってるだろう。神の、管。
神の……。
「tube?」
「godtube? 神の、動画サイトってこと?」
それで、確か、俺のことをgodtuberと呼んでいて。
俺が配信者ってことは、いや、配信元ってことは、神々がこれを眺めている?
数字は、視聴数?
ええっと、神様、悪趣味すぎませんかね?




