ガキの恋心
一個人の感情論です。
自分は、幸せとか苦しみとか喜びとか悲しみとかの一般的な感情の殆どがさっぱり分からないけど、ただこれだけは知ってる。
誰かに恋するって気持ちを。
どうしてか、って言うと好きな人が居るんだ。
まあ、好きな人のどこが好きと言われたら言葉に詰まるのだけれど。
ま、どこと言われても、強いて言うならという条件が付き、それも存在そのものと纏っている雰囲気、あと思考回路の展開方法が好きだとしか答えられない。これを他者に言ったら、大概そうだよね! などの強い共感は得られない。返ってくるのは『うん、そういう人も居るよね』という私は理解出来ないけど、世の中沢山の考え方があるからまあそんな考えの人も居ておかしくないよね。と若干引きながらも理解せず受け入れる人か、『理解出来ない。どうかしてるよ』とさっぱり言ってくれる、私とは違う人種と境界線を作る人。そして『好きな人の全部が好き』と、今恋してるオーラが出てる、言葉が同じでも平行線的に意味合いが違う、見てる世界の違う人が居て、最後に『ああ、なんか分かる』と似た様な感情を持った人の微妙なニュアンスが被った瞬間くらいだろうか。
とはいえ、これは自分が合って話した事のある人間の反応であり、狭い世界での反応なので、探せばきっと同じ様な感情を持った同族が見つかるのかもしれない。まあ、探すのは藁束の中から一本の針を摘み上げるのと等しく、なかなか見つからないのだろう。
その辺の理解者は欲しいとは思うけれど、あんまり必要とはしない。
ただ、好きな人の側でその人の笑顔が見れて、その人の側にいる事を受け入れて貰えれば他には何も要らないから。
でも、その人の迷惑とお荷物にはなりたくない。束縛もしたくないし、他の人と寝るくらいなら平気。最後に自分のところに戻ってきてくれるのなら。
離れたらまあ自分の負け。
離れない様にする努力と、他の奴に入り込ませる隙を作った自分のミスだもん。
どのみち燃え上がれば燃え上がるだけ報われないのが恋愛でしょ? それでも衝動の赴くままに燃えなきゃってられないっていう哀れ極まりないのが人の性ってもんだろ。
結局は自分の恋してるって気持ちに溺れてる自分が好きなのかもしれないけど、そんなのは俺の知ったこちゃない。
今どんなに熱かろうとそれは外側が燃えてるに過ぎなくて、内側は熱を持っちゃいない。きっと次第に冷めていくんだろう。
いつかは全てが情熱的に燃え上がる恋をして、誰かを本気で愛してみたい。