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毒祭り その2

 部屋にあるディスプレーには、夜になってさらに羽目を外した騒ぎになってきた大通りの様子が生中継されていた。他の祭りの時と違って、光の精霊たちによる照明や、風の精霊たちによる案内情報の掲示、飲食店の塔別メニュー案内、パレードなどはない。酔っ払ったエルフの群れが右往左往しているだけの、単調な映像が続いている。

 都の岸辺から足を滑らせて内海へ落下するエルフも多く、その都度、水上警察がやってきて救い上げていた。


 その様子を眺めていたセリアがジト目のままで、ディスプレーに向かって文句を言いだした。

「ち。お前らなあ。内海に転げ落ちるとは何事か。エルフの誇りはどうしたあ。背筋を伸ばせ背筋をお」

 こいつも明らかに酔っ払っているようである。杖を取り出して、ディスプレーに向かって何か精霊魔法をかけはじめたので、ラウトが慌てて杖を取り上げた。

「セリアさん! いきなり攻撃しないでくださいよおっ」

「だーいじょうおぶ、大丈夫。ちょおっと邪魔者を排除するだけだからあ、だーいじょうぶダヨー」


 ヘラヘラ笑い始めたセリアを風の精霊を使って拘束したラウトが、そのまま部屋から廊下へ追い出した。結構雑に床へ転がしておく。

「それ、人じゃなくて物ですからね。ただのディスプレーですからね。酔いがさめるまで廊下で寝ていて下さい」


 コラールもふらふらとした足取りで廊下に出てきて、風の精霊に包まれて床に転がってケラケラ笑っているセリアのそばにちょこんと座り込んだ。どうやら本格的に酔いが回ってきているようである。

「くっくっくー、セリア殿。騒がしいぞよ。罰としてえ、こうしてやるう~」

 目がキランと輝いたコラールがセリアをくすぐり始めた。

「うきゃきゃきゃ、きゃあああ」

 どこかの猿のような声を上げてセリアが笑い転げる。


 その有様をラウトと一緒に見下ろしていたミンヤックが、何か納得したような顔をした。

「……なるほど。だから汚れても構わない服装だったわけだな。これなら泥だらけ埃まみれになろうと問題ないだろう。エルフの世界は奥深いなあ、ん? ラウトよ」

「先生。無理やりエルフっぽい皮肉を使うのは疲れませんか?」



 そのうち、セリアの動きが鈍くなってきて……ピクリとも動かなくなった。

 とりあえず、ため息をつきながらもミンヤックが腕を取って触診する。

「力尽きて寝たな。このまま放置してもいいが、やはり向かいの病院へ運ぶかね? ラウトよ」


 ラウトもため息をもらしながら同意した。コラールはまだセリアをくすぐっている。

「そうですね。その方がせいせいして良いでしょうね。では、輸送します」

 ラウトが腕を振ると、すぐに大量の風の精霊が発生していく。それらがセリアを包み込んで空中へ浮かばせた。

 そして、そのまま流れるように手馴れた動きで、向かいの病院へ運んでいく。


 コラールが「バイバーイ」と、無邪気に手を振ってセリアの搬送を見送った。が、それもすぐに飽きてしまったようだ。ジト目のままで、何か面白いことはないかと周辺をキョロキョロ見回している。明らかに不審者の動きである。

 花壇や雑木の中に入り込んでは、眠っていた巨大ムカデやアリにクモたちを叩き起こして追い散らして悦に入っている。「うふふ」と微笑みながら、中庭の虫たちをいじめているコラール。


「まるで、コソ泥のような不審者ぶりだな、ラウトよ」

「酔っ払いですからね。不審な動きをするのは自然ですよ」

 ミンヤックとラウトが廊下の窓から見ながら、しみじみと語り合った。


 ラウトが大通りの方角を指差してミンヤックに告げた。

「先生。ほら、夜空を暴走族が飛行していますよ」

 ミンヤックが夜空を見上げると、確かに10ほどのキラキラ光る流星のようなものが空中戦を繰り広げていた。

 よく見ると、エルフの若者が自身を風の精霊で包んで、浮遊魔法などを使って飛んでいるのだと分かる。キラキラ光っているのは、光魔法の攻撃のようだ。「フン」と鼻を鳴らす。

「こりゃあ、ケガ人も出そうだな。打ち身と捻挫用の薬も準備しておくか」


 ラウトもジト目のままで同意する。

「そうですね。あー……王宮の屋根にぶつかった。でも平気みたいですよ」

 ミンヤックもジト目になって、その華麗な激突を見届けた。

「……なあ。この都の建物が雨風で浸食されて磨り減っているって話はよく知っているんだけどな。オレはこいつらの激突も原因の1つじゃないかと考えているんだぜ」


「あー、ずるい。私も参加するうー」

 コラールも気がついたようで、夜空で繰り広げられている華麗な空中戦を指差して叫んだ。

 ミンヤックがラウトの脇腹を小突く。

「おい。オマエの彼女だろ。都をこれ以上磨り減らすなと言ってやれ」

「スピード狂ですから、ああなったら、もう手遅れですよ。私にできることは、風の精霊を追加してケガをしないように支援する事ぐらいです」


「とう!」と叫んで、コラールが空中へ飛び上がった。浮遊したままで風の精霊を大量に身にまとわせていくと、次第にちょっとした旋風のような状態になっていく。稲光も走り始めた。


 ミンヤックがサジを投げたような顔になった。

「はは。確かに、こりゃあ手遅れだな」

 コラールが酔っ払ったままの目でラウトに出撃のサインを送る。

「では、コラール出撃しまっす。あいつら全員叩き落してくるからねっ」

 ラウトも苦笑しながら、出撃承認のサインを送る。

「テイクオフを許可する。グッドラック」


「きゃはははは」と笑い声を立てながら、コラールがスクランブル発進して夜空に飛び出していった。

 その勇姿を見送ったラウトとミンヤックだが……背後の薬師部屋からイビキが聞こえてきたので、再びラウトがミンヤックに小突かれた。

 部屋の床にラウトの姉が大の字になって転がっていて、盛大にイビキをかいて寝ている。

 当然、通行の邪魔になっているのだが、作業ゴーレムたちが丁寧に避けて歩いてくれているのが、かえって哀愁を誘う。とりあえず、姉を部屋の隅に運んでそのまま寝かしておく事になった。


「はあ……」とミンヤックがため息をついて、ラウトに文句を言った。

「なあ。ドワーフ世界や魔法使いどもの世界でもな、エルフって神秘的な存在だと思われているんだよ。いや、確かに神秘的ではあるけどな、方向性を時々間違っていないかと強く思うぞ」

 ラウトがやや照れてくしゃくしゃの金髪をかきながらも反論した。

「すいません。確かに、現実のエルフ社会を体験するとショックを受ける異世界の方々が多いことは承知しています。しかし、これがありのままなんですよ。決して高潔一辺倒の石頭で何を考えているのか分からない森の人なんかじゃないんですよ」

 ミンヤックが白い歯を見せて笑いかけた。

「まあ……鎖国していて正解だというのには、完全に同意するよ。さて、打ち身と捻挫用の薬でも準備しようかね、ラウトよ」



 明け方になり、警察が動き出した。行商人たちが都から続々と退去していくにつれて、騒ぎが沈静化していく。

 ラウトとミンヤックは寝不足解消のために光と精神の精霊魔法を使って、いわゆる圧縮睡眠を30分間ほどとって、そのまま日常業務についた。


 結局、消費された薬の量は例年と同じだったようだ。ラウトが不要になった薬の材料を倉庫に戻し、いつもの接着剤や精力剤、虫除けなどの材料を取り出して薬師部屋へ運び入れた。

 ゴーレムに通常業務のプログラムを書いた紙を食べさせて読み込ませ、鍋や電子レンジなどの機器の設定を普段の状態に戻す。換気用の風の精霊も呼び出して、ミンヤックの方に振り向いた。

「先生。準備完了です」


 ミンヤックが鷹揚にうなずいた。ラウトの姉が差し入れた酒の最後の1本を遠慮のかけらもなく開けて、ラッパ飲みしている。ツマミの魚の干物は既に食べつくしてしまったようだ。

「うむ。では、いつもの作業を始めるか。ラウトの姉は先ほど起きて、もう帰宅したぞ。それで、ことづけを1つ頼まれてな、ラウト君。『おのれ腐れハゲ、後で覚えておれ』だ。確かに伝えたぞ」

 ラウトがジト目になって、虫除けの材料を調製し始めた。

「ことづけありがとうございます、先生。くそ、中庭に放り出しておけばよかった」



 昼食時間になりラウトが町へ出ると、そこにはいつも通りの役人たちや出稼ぎたちがレストランやカフェ、大衆食堂で昼食をとっている姿があった。

(さすがに、もう道端に転がっている人はもういないかあ。病院も、もう通常営業だとバラン先生が言ってたし。薬師部もいつも通りの仕事ができそうだな)


 いつもの喫茶店へラウトが申し合わせていくと、コラールとセリアが赤い顔をしてラウトに駆け寄ってきた。

「ラ、ラウトさんっ、昨日はごめんなさい。記憶が半分以上飛んでて、起きたら王宮の屋根の上だったの」

 と、コラールの弁。

「起きたら病院のロビーだったわ。ラウト君、あなたが送ってくれたのね。ご迷惑をおかけしました」

 これはセリアの弁。


 ラウトも恐縮してしまい、おろおろしている。

「多分、バカ姉のせいですよ。きっと、強力な毒のあるモノをわざわざ選んで、お二人に渡したに違いありませんから。僕の方は、昨晩の薬の調製業務には何も影響しませんでしたから、何も気にすることはありませんよ。姉が全て悪いんです、姉が」


 そうして、マスターにジュースと普通の芋虫のスープを3人分注文した。

 マスターは何もなかったかのように澄ました顔をして注文を受けていたが、顔に1つ大きなアザができていた。そのことには触れず、ラウトが落ち込んでいる図書館司書2人に微笑む。

「姉の不手際は弟の僕が償いますよ。今日は僕のオゴリで勘弁して下さい」


 ラウトのオゴリと聞いて、すぐにニコニコ顔に戻ったセリアである。

 コラールのジト目視線にも全く動じずに、追加の皿をマスターに注文する。コラールはまだ気にしている様子だったが……果物ジュースとスープをそれぞれ一口飲むと、すっかり元気になってマスターにグッジョブのサインを送った。

「マスター。やっと輸入虫を使わなくなったのね。偉い偉い。やっぱり、この時期は落葉樹の根元で丸々と育った、このコガネ虫の幼虫よねっ」


 ラウトが2人の反応を見て、ほっとした顔になった。

「二日酔いはしなくて済んだんですね。よかったです」

 コラールとセリアがジュースをストローで飲みながら、目を交わしてクスクス笑い始めた。

「私たちの上司は残念ながら二日酔いで今日はお休みなのよ」

 ラウトが驚く。

「え? あの司書長さまがですか? 厳格そうな方だったから意外だな」


 セリアがスープを一口飲んでニヤリとした。

「大食い大会に出たそうなのよ。毒芋虫じゃなくて、毒草ジュースの一気飲みの方ね」

 コラールもジュースを一口飲んで澄ました顔に戻る。

「残念ながら、9位で終わったんだけどね。参加賞だけもらったみたいよ」



 薬師部屋へ戻ると、ミンヤックがラウトを手招きしていた。彼の隣には空中ディスプレーがあり、バランの姿が映し出されている。

「おお。帰ってきたか、ラウトよ。さっきバランから連絡が入ってな、毒蛇の大群が西の海岸に上陸しそうなんだと。すまんが、ちょちょっと行って毒を採集してきてくれ」

 バランが補足する。

「うん。衛星網に反応があってね。船は手配したから、急で済まないけれど出かけてもらえないかな。この蛇毒は良質な麻酔薬の原料なんだよ」


 通常業務にならなくて少し落胆したラウトだったが、快く引き受けた。

「分かりました。では、空港へ向かいますね」

 ミンヤックが済まなそうな顔をした。

「悪いな。ドワーフのオレが行っても、その毒でやられてしまうだけなんでな。無理しない程度で採集してきてくれ」


 近場なので高速艇のような上等な船は手配されず、いつものボロ船だった。それに守護樹と共に乗って、パイロットゴーレムの自動操縦で飛んでいく。

 穏やかなシュナ内海を南西に横切って、海峡を渡り、そのまま世界最大の淡水湖であるジャムナ内海を西へ飛行していく。ジャムナ内海はさすがに巨大な面積を誇っているので、海のような波が立っており、高度を少し上げての飛行になる。



 それでも夕暮れ近い時刻には、その最西部へ到着することができた。

 最西部は陸峡になっていて、数キロ西には広大な大西洋が広がっている。陸峡もエルフの世界なので例外にもれず、樹高15メートルほどの大森林に覆われている。

 だが、ラウトがいる場所だけは固い岩盤がむき出しになっていた。まるで道路のような感じでジャムナ内海の岸辺と大西洋の岸辺をつないでいる。幅が1キロほどある、海と内海をつなぐ岩盤でできた連絡道路のように見える。


 実際、この不自然な岩盤は正しく人工建造物だったりする。

 ジャムナ内海の塩類を大西洋に排出させるために設けられた魔法施設だ。このポンプによってジャムナ内海や連結しているシュナ内海、メグナ内海の塩類が排出されて淡水湖として存在できている。

 非常に重要な施設であるので、この一帯は立ち入り禁止区域に指定されており、従って誰もいない。警備用のゴーレムだけが数十体ほどウロウロしているだけである。


 ラウトはその岩盤の上をボロ船で飛んで、大西洋の沿岸に到着した。守護樹が塩気を含んだ海風に当たらないように防御障壁を展開する。ラウトも潮風に当たってベトベトになるのが嫌なので、砂浜には降りずにボロ船の中に留まっている。

「砂粒が細かいな。のんびり過ごす海水浴とかなら、良い場所だよね。立ち入り禁止区域なのが残念」


 はるか向こうにあるジャムナ内海と大西洋とを結ぶ水路を、1隻の貨物船が通行していくのが見える。ジャムナ内海の水面の方が大西洋の満潮時よりも常時高い位置にあるので、操舵が大変そうだ。

 この水路は本来、サケの仲間などのような魚が海から川へ遡上するために設けられたものだ。船の航行用に設計されていないので、かなりの激流となっている。


 もちろん、貨物船用の空間転移ゲートもある。しかし電力の消費量が大きいので使用料が高く、コスト削減を考える民間の貨物船会社は普通このゲートを使わない。

 ちなみに湖の水のほとんどは、この水路ではなくて地下にある転移ゲートを通って、塩分と共に大西洋に排出されている。そのため、この砂浜周辺の海水は塩分濃度が低い。



 ラウトが潮騒に耳を傾けていると、日が暮れて夜になった。

 蛇の世界では、どれだけ強力な毒を有している種族であるかで身分が決まっている。彼らの認識では、進化した高位の蛇であるほど強力な毒を有するものらしい。

 夏の終わりになり、産卵子育てをする季節になると、種族ごとに場所争いが勃発する。その戦いで優劣を決めるのはやはり毒である。より強い毒を有した種族がより快適な場所で産卵子育てができる、という伝統だ。


 そのため、ラウトが待ちうけているこの種族の蛇のように、毒性を強化するためにわざわざ海へ出向いて、そこで有毒生物を手当たり次第に食べるものもいる。

 特に、この辺りはエルフの立ち入り禁止区域であるので、蛇の世界ではリゾート地のような人気の場所のようである。確かに、毒に耐性のあるエルフが周辺をウロウロしていると、気が散って産卵子育てすることは難しいかもしれない。


「あ。きたきた」

 ラウトが夜の暗がりの中で、波打ち際から上陸してくる巨大な蛇の大群を目ざとく確認した。

 深い青色のウロコを星明りにきらめかせて、鎌首を持ち上げて周囲を警戒しながら上陸してくる。目が赤く輝くその巨体は全長20メートルほどはあるだろうか。

 それが数千匹もの大群となって静かに音を立てずにこちらへ向かってくる。ラウトが乗っているボロ船を見つけたが、特に関心を示す様子はないようだ。


 ラウトが懐からゴーレム人形を3つ取り出して、砂浜に投げ落とした。たちまち砂を取り込んで、砂まみれのゴーレムが3体立ち上がる。身長は20メートルほどに達するだろうか。

 上陸した蛇の大群がやっと驚いたような反応を示して、迎撃体勢にはいった。


 そのままボロ船を高度30メートルほどまで上昇させ、ラウトが杖を振ってプログラムを起動させる。

 巨大なゴーレムが3体、重低音の足音を砂浜に響かせながら、ゆっくりと蛇の大群の方へ歩き始めた。取り込んだ海砂の水気を抜いている最中なので、ゴーレムが大量の汗をかいているようにも見え、足元はちょっとした滝のようになっている。

「お急ぎのところ恐縮ですが。毒を分けてもらいますよ、蛇さん」


 ゴーレム部隊が、迎撃に出てきた巨大な蛇20匹に囲まれていく。その距離が10メートルほどに縮まったその瞬間、20匹の蛇が一斉に口から毒液を吐き出してきた。

 勢いが凄くてまるで消防車の放水のようである。毒液のしぶきが巻き上がり、霧状になって砂浜一帯を覆っていく。ゴーレム部隊はなす術もなく毒液の放水を浴び続けている。


 それを上空から見下ろしたラウトが感心した。

「すごい量だな。霧が立ち込めたようで視界が利かないや」

 ボロ船にも毒液放水がされているが、展開している防御障壁のおかげで全て弾き返しているようだ。



 1時間ほどが経過した。星明りの中、ようやく毒霧が薄くなって晴れてきた。

 既に巨大蛇の大群は森の中へ去っており、砂浜には蛇が這った跡である蛇紋が描かれている。


 ゴーレム3体は限界まで毒液を吸い込んだようだ。海風に当たってフヨフヨと、その砂の体を波打たせている。

 砂浜に自生していた草は、ラウトが防御障壁を付与していたため無事だった。今は防御障壁が解除されたので、浜風に葉を揺らしている。

 ヘビ毒が海水で希釈されていくにつれて、海に魚が戻ってきた。砂浜にもカニ、貝にヤドカリが風や水の精霊に運ばれて戻ってきている。避難していたようだ。

 ヘビ毒の被害を被ったのは蚊やハエばかり。おかげで虫除けの精霊魔法を使わずに済んでいる。


 杖をゴーレムにかざして、採集ビンの中へ入れる魔法を手間取りながらも発動させた。小さなディスプレーで計算した値が、くだけたひらがなのような数字で表示されている。

「そういえば、この蛇毒も季節限定と言えるかな。まあ、さすがにこの毒を飲んで平気なエルフはいないだろうけど」

 夜空を見上げたラウトが伸びをした。秋の星座も見られる季節になってきていた。

「さて……今晩は、ここで星を眺めながら休むとしましょうかね」


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