第六話
オレは神術を使い、餓鬼を浄化させた。
この餓鬼は、元々育児放棄されて死んでいった子供がなりやすいと聞くだけに、他人事じゃないなと思ってしまう。
「お疲れさま」
能明が声をかけてくれる。
オレは、ソロで魑魅魍魎退治を受けるようになっていた。
時には、こうして能明が立ち会いとして来てくれることもあるけど、基本は同行者はいない。
でもその分、こうして来てくれると嬉しくは思う。
能明は直接戦いに参加しないから、全部一人で護らないといけないけど、
こうして終わってからねぎらってくれたり、抱きしめてもらえるとそれだけで嬉しくなる。
オレは、能明の婚約者候補ということに対外的には発表されている。
小学生で婚約と言うのは早すぎるだろうと言うのもあるし、一族内の合意形成を優先しているとのことだ。
オレを襲ってきた神戸家は当主が交代し、前当主は蟄居隠居処分になっている。
殺そうとしてそれは甘すぎると思わなくもないけど、魑魅魍魎退治自体が公にできることでもないし、
分家とはいえ、芦屋家に連なる名門が不審死するとなると、いらぬ騒動につながるからということだから、諦めている。
警察も上層部は知っているとのことだけど、現場レベルやマスコミに説明するわけにはいかないしね。
他の分家にも同調者がいたようだけど、直接的証拠がないため手を出せていないが、一族の中では大分立場を悪くさせたようだ。
オレは、一族の会合に積極的に参加するように言われていることもあり、転移の魔方陣で飛びまわることも増えた。
能明が一緒に参加してくれる時もあるし、オレ一人で対処することもある。
ただ、こういう駆け引きはオレ経験ほとんどないし、能明がすごく頼もしく思えるよ。
オレもしっかりしないといけないんだけどさ。
木南のお嬢様は、本当に邪魔ね。
何とか追い落とそうとしたけど、皇族に連なるということでどうしても及び腰になる先生達のせいで決定打が打てない。
本当、嫌になっちゃうわ。
誰か強力な駒が欲しいけど、扇谷家の方で用意してくれないかしら。
ああ、苛立つ。
この子に妹でもいれば良かったのに、そういう話は聞いたことないし。
今度聞いてみるしかないわね。
一族に連なるだけでも、完全に私の言うことを聞く存在がいるなら便利なのだけど。




