二の手の語り部
俺は「クズ」だ。
十中八九俺に関わる多くの人があなたはクズだと思っているに違いない。
何よりも俺はあいつから色濃く血を受け継いでいるのだし、直接言われはしないが自分でもクソみたいな事をしているのだと自覚している。
若気の至りとかではなく、そういう風にできているのだと知った時から開き直っているからだ。
伊達に数十年は生きていない。
酸いも甘いも噛み分けたつもりではいるんだ。
たった一度の命だし、どうせ生きるなら自分が楽しく生きて何が悪いのか?
それを咎める事ができる者はいないだろう。何よりも俺と関わること自体がそいつにとっての不幸になり得る。
別に意図的に行動している訳ではないが、結果的になってしまうのだから仕様がないだろう。
それに俺は開き直っているんだ。どうせ人は死ぬために生きるのだ。だから俺は今死んでも後悔がないようにそれこそ辞世の句である、自分勝手が丁度いい。ってのを体現している訳だ。
将来は確定していない。なればこそ、今を楽しく過ごす事に躊躇はない。後悔は先には立たないのだから、起こってから反省してそれを活かせば問題ないのだ。
たとえそれが、後ろから指をさされる行為であっても、俺の尺度で楽しめるのならばそれだけでいいのだから・・・