生まれ落ちたもの
とある森の小屋の中、更にその地下を降りた先に、7人のフードを深く被った者達が地面に自らの血で召喚の呪印を描いていた。
そのすぐ側には7体の少年少女の骸が転がり、胸が切り開かれ、心の臓が取り出されていた。
一人の老人が不安そうに声を震わせながら口を開く
「此度はどの様な者達が召喚されますかな」
もう一人の人物がそれに返答する
「前回はただの平凡な人間6人と炎が1人でしたが、今回は充分に供物を捧げておるのだ、必ずや救国の英雄達がおいでくださるだろう」
それを聞いた老人は不安を拭えないまま呪印に手をかざす「では始めましょう」
周囲の者達も同じく手をかざし、生命力を呪印に流し込んでいく。
地面に描かれた呪印の紋様が変化していき、中心に1本の亀裂が入りそこからは血が溢れ出始める
暫くして溢れ出た血が塊となり1つの赤子の形に変化する
フードを被ったもの達の1人が怒りを顔に浮かべ怒声をあげる
「くそっ今回も失敗じゃねーか、どうすんだ?お前らを信じて娘を捧げたんだぞ」
他の者達も口を開く
「失敗だ、まさかここまで供物を捧げて一人しか召喚出来ない、しかも赤子とは」
「だがまだ分からぬ、この子はきっと、、、我々で育て上げなくては」
突如外から見張りの1人が血相を変えて降りてきた
「見つかった!赤子を連れて早く逃げろ」
焦りと不安が部屋の空気を重くする
上の方では見張りが突然の闖入者と応戦しており出入り口は1つしかない為、固唾を呑んで勝負の行方を待っていた
すぐに外の喧騒は収まり階段を降りてくる人物は全身返り血で鎧を染め手には刃先に返しの付いた剣を持ち、戦った相手の臓物を引き摺りながら物静かに降りて来る「我が名はウィーゼル、召喚の儀式は法律で禁止された、我が領主の地で犯した禁忌、大罪はブラント伯の命により即刻断罪する」
ウィーゼルと名乗る男は全員で襲っても勝ち目がない程強いのはすぐに分かったが捕まる訳にはいかなかった、捕まってしまえば拷問され、家族までもが断罪されるからだ
覚悟を決め儀式用のナイフを持ち一斉に襲ったが一瞬で喉笛を切り裂かれる、一人だけ奇跡的に躱し助かったが直ぐ次の瞬間には腹を突き刺され、引き抜かれた際に刃先の返しで腸が引きずり出され苦悶の表情を浮かべながら息を引き取っていった
男は疲れた様子で目を瞑る、後ろから部下たちが降りてきて惨状を目の当たりにする
「さ、流石ですウィーゼル様、ところでその赤子はどうされるので?」
「持ち帰れとの命令だ」




