2018.02.16(Fri) 平和な日々
【最終章 01 平和な日々】
[2018年2月16(金)]
この頃、辰真さんはよく笑う。
伯母さんの事件以降、まさしく言葉の通り"憑き物が取れた"ように明るくなった印象はあったものの、本当によく笑ってくれるようになったなって思う。
初めて出会った時の印象が嘘みたいで、あの頃の俺に今の辰真さんの写真や動画を見せたらきっと信じないだろう。
俺はそれが嬉しくて、いつもいつも笑っていてほしくて、あの手この手で辰真さんが喜びそうな事を考えてる。
なんでかそんな事を考えてるだけで俺も嬉しくて、好きな人のために何かしたいと思えるだけで、こんなに幸せなんだなぁとか、JPOPの歌詞みたいな事をまた考えてた。
以前だったら行きたがらなかったような場所へも平気で行けるようになってきたし、寝ている時に魘されている姿を見る事も無くなった。
このまま、怖いものの事なんかすっかり忘れて欲しい。
怖くなくなったとか、俺といたら平気とかじゃなくて、初めからそんなモノなんて無かったんだってくらい、当たり前に怖くない世界を生きてほしい。
その為に俺ができる事はなんでもしようって思う。
本気で。なんだってやる。
いつのまにこんなに辰真さんが好きで、大事でたまらなくなったんだろう。キッカケなんて分からない。
初めから強い興味の対象ではあったけど、まさかこんな風に思うようになるとは思ってなかったはずだ。
ーー人生何が起こるかわかんないな。
それに、そんな気持ちに辰真さんが応えてくれて、そばにいさせてくれて、頼ってくれる。
それってほんとに奇跡だ。
泣きたいくらい幸せで、辰真さんも一緒だったらいいなって思う。
金曜は特に疲れて帰ってくる辰真さんを週末に目一杯癒してあげたくて、俺は何を作ってあげようかなと幸せに包まれた気持ちで買い出しに出た。
【平和な日々 完】




