星占いと星座
ちょっと、知識の羅列みたいになってしまった。
松田聖子とかの世代ですが、山口百恵も知らなくはありません。足が速いアイドル、という変なイメージをもってますけど。
星座が名前に付いている楽曲、というものを見ていた。古い人間なので、『さそり座の女』とか、『乙女座 宮』などが、私が知っている曲だった。
『乙女座 宮』は、昭和のアイドル、山口百恵の1978年の曲だが、ちょっと、この名前は、表現が重複しているんじゃないか、と、昔から気になっていた。
おとめ座は、星座のおとめ座のことで、後ろについている、宮、は、黄道十二宮という、星占いで使うもので、サイン(sign)とも呼ばれる。おとめ座に相当するのは、処女宮と呼ばれている。
これだと、歌舞伎座を、歌舞伎座館とかそんな呼び方をしているように思えてしまう。そういう突っ込みが昔もあったかどうだか記憶に無いが、よくよくこのタイトルを見ると、座と宮の間にスペースがある。乙女座または宮、的な表現なのか? それでも不自然だが。
もう五十年近く前のアイドルの曲に今更こんなことを言うのも野暮な話だけど。この曲自体は、山口百恵の曲としては、二番目に好きな曲だ(一番好きなのは、『夢先案内人』)。
そんなことを考えていたら、よくプラネタリウムなどで星座の話がでてくることを思い出した。誕生日の星座が~とか説明されるが、実際の空の星座と、星占いで扱う星座はちょっと意味合いが違う。
星占いは、太陽の見かけの通り道である、黄道を12等分して、それぞれの領域に、星座が割当たっている。これは、サイン(sign)と呼ばれていて、日本だと、宮、とも言い、12当分された宮をまとめて黄道十二宮、と呼ぶ。
地球は、独楽のように、首振り運動をしている。このため地球の傾きが少しずつ変わっていく。これは歳差運動と呼ばれていてる。この歳差運動のため、春分点は西へ移動する。移動速度は約2150年で角度30度。
黄道十二宮は、円で表された黄道を十二等分しているので、一つが角度30度分の広がりをもっている。黄道十二宮が用いられるようになったのは、古代バビロニアの頃だと言われていて、今から約4000年ほど前のことになる。歳差運動のため、当時と現在では、六十度近く春分点にはずれが生じていることになる。
冬至の時、太陽が真上に来る地球上の位置を、南回帰線というが、英語だと、それを Tropic of Capricorn、やぎ座(磨羯宮)の回帰線、と呼んでいる。春分点同様、冬至点も六十度近くずれているので、実際はみずがめ座に冬至点は移動している。
夏至の時太陽が真上に来る位置は、北回帰線(Tropic of Cancer かに座(巨蟹宮)の回帰線)と呼ばれている。
回帰線自体の意味は、太陽がこれ以上北や南に行かずに、そこから回帰することからこう呼ばれる。
占星術のサインを、上述の通りに、春分点に対し固定して、実際の空の星座とはずれている方式をトロピカル方式、星座に対し固定しているのは、サイデリアル方式と呼ぶそうだ。
日本で一般に言われる星占いは、トロピカル方式で、実際に生まれた日に太陽が位置していた星座と、黄道十二宮はずれている。
クリスマスに生まれた人は、トロピカル方式では山羊座だが、サイデリアル方式だと射手座になる。
ちなみに、トロピカルは熱帯の意味で使われるが、赤道を真ん中に、北回帰線と、南回帰線の間の土地、という意味で使われるようになったかららしい。
実際の空の星座は、大きさがまちまちなので、綺麗に十二等分されているわけでは無い。また、この星座の区分を決めたのは、国際天文学連合なので、星占いの区分とは意味合いがちがう。
それを同一視して、黄道の一部に、へびつかい座がある、ということから13星座占いなどと言うものが提唱されて、日本では一時期ブームにもなった。新聞などに載っていたこともある。だいぶ廃れた、というか、そういうものがあったことを知らない人も多そうだが、まだ使っている人はいるだろうか。
星占いとか、テレビ等で今日の運勢、なんてやっている単純なもの、というイメージだが、本格的な占星術は、太陽の位置だとか、他の惑星の位置だとか、それらを厳密に計算して行なったりするので、結構数学の知識や能力も必要らしい。天文学の元になったのが、占星術と言われる所以だ。
そうした特殊な能力、というイメージが今でも強いのか、欧米では、占星術師が未だに重宝されているという。
昔、レーガンというアメリカの大統領がいたが、その夫人が占星術に熱心で、夫に占星術で得た結果を伝えたりしていたという。アメリカのメディアでは、アメリカという国を動かしているのは、占星術師だ、と皮肉った報道をしていたそうだ。
今でも時折、そういう話は聞くことがある。現在、世の中で起きている出来事が、占星術の結果で決められたものだったりすることがあるのかもしれない。
言葉だけで説明してもよくわからないですね。気になった人は、図で説明してある本やネット上の解説なども見ていただければいいかと思います。