9月第1週 重大ニューストップ5【PFAS 実質賃金 安全保障 内部留保 カジノ】
『 』の中が引用、⇒ 以降に僕の意見が書いてありますのでどうぞご覧ください。
第5位 『7月の実質賃金2か月連続プラス 現金給与総額31か月連続プラス』
NHK9月5日の記事より
『物価が高止まりする中、賃金の上昇も続いていることから、物価の変動分を反映した実質賃金は、前の年の同じ月に比べて0.4%増加しました。実質賃金は前の年の同じ月で比べると、ことし6月に27か月ぶりに増加に転じていて、これで2か月連続のプラスです。
厚生労働省は「ことしの春闘の結果、所定内給与の引き上げや、ボーナスを初めて支払う事業所も出てきて、実質賃金のプラスが続いているとみられる。ボーナスは7月までに支払われるところが多いため、実質賃金のプラスが今後も維持できるのか注視したい」としています。』
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以前、「100%7月の実質賃金はマイナスになる」とまで申し上げておきながらプラスだったのでここでお詫びをしたいです。申し訳ありませんでした。
僕自身の予測の外れを擁護するつもりはありませんが、エコノミストの実質賃金予想平均もマイナスでした。
また、特別給与を含めるとプラスではあるものの、給与のみであれば実質賃金は28カ月連続マイナスとなっています。(6月は-1.2%、7月は-0.8%)
これはボーナス支給1回あたり150万円以上であれば保険料はカンストして上がらなくなるという事が要素の一つとしてあると思います。
ボーナスの金額平均である50万台に届かない方と言うのは本当に気の毒なことだと思います。
第4位 『大企業の労働分配率、昨年度は過去最低 内部留保は過去最高』
朝日新聞9月6日の記事より
『企業がもうけの中から人件費にどのぐらい使ったかを示す「労働分配率」が、昨年度は大企業で過去最低の水準に落ちこんでいたことがわかった。企業内に蓄積された利益を示す内部留保は過去最高額になっており、働き手への「還元」を求める動きが強まる可能性がある。
国内企業の通期決算を集計した財務省の法人企業統計調査(2023年度)をもとに、記者が独自に分析した。企業が生み出した付加価値(役員と従業員の人件費、経常利益、賃借料、一部の税金や利払い費、減価償却費の合計)のうち人件費が占める割合を、労働分配率として算出した。
金融・保険業をのぞく全産業では、前年度より約1ポイント下がって52.5%となった。これは1973年度の52.0%以来の低さだ。
さらに企業の規模別に算出すると、資本金10億円以上の大企業の落ちこみが際立った。前年度より約2ポイント下がって34.7%となり、統計のある1960年度以降で最も低かった。資本金1億円未満の中小企業は、前年度とほぼ同じ66.2%だった。大企業に比べると高水準で、下がり方もゆるやかだ。』
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僕は内部留保が600兆円あること事態にはそんなに問題だとは思いません。
お金を一定額プールしなければ企業経営は危うくなりますし、設備投資の金額は全額すぐに経費になるわけではないからです。
ただ、GDPで見た場合の設備投資の額は、コロナ前にようやく戻った程度の数字で「過去最高収益の内部留保は海外の投資に使われている」と言う現実があることです。
日本で上げた利益を国内投資に使わないのであれば給料を上げるか法人税として納めるのが筋と言うものです。
それで「法人税を下げつつ、消費税を上げて全世帯で負担を!」とか経団連が主張しているのですから本当にふざけていると言えます。
また、過去最低の労働分配率の低さを見ると「賃上げの旗振り」で国民生活はよくならないことも示しています。
この労働分配率の低さでは値上げ分を補うことはできないからです。
社会保障負担軽減策を取らなければ国民は働き疲れて死に絶えます。
第3位 『日豪「共同の抑止力」構築 司令部に要員相互派遣 2プラス2』
時事通信社9月5日より
『日豪両政府は5日、オーストラリア南東部メルボルン近郊で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を行った。
中国の軍事活動活発化を受け、「共同の抑止力構築」を表明。自衛隊と豪軍の運用面の連携強化に向け、互いの司令部への連絡官派遣を明記した共同声明を公表した。
日本は豪州を「準同盟国」と位置付け、安全保障協力を深化させてきた。今回の2プラス2はその流れを一段と強める内容で、共同声明に「国家安保政策をかつてなく緊密に連携させていく」と記した。有事対応に関する政策・行動面の擦り合わせも盛り込んだ。
連絡官派遣は、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」の来春創設を踏まえた措置。豪側は「統合作戦本部」がカウンターパートとなる。日本側は11月に統合幕僚監部から送る。
両国部隊の相互訪問手続きを簡素化する「円滑化協定(RAA)」を活用した共同訓練を拡充する方針を明記。日豪がそれぞれ進める長射程ミサイル配備による打撃力の強化を巡り、協力することを打ち出した。
米国を交えた3カ国連携を推進すると強調。具体的な取り組みとして、情報収集・警戒監視・偵察(ISR)協力に関して米軍横田基地(東京都)に置かれた日米共同情報分析組織(BIAC)に豪州が要員を参加させることを盛り込んだ。
中国による東・南シナ海での一方的な現状変更の試みに「強い反対」を表明。「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認した。同志国連携では、太平洋島しょ国の通信インフラ支援やサイバー能力向上のため「日豪太平洋デジタル開発イニシアチブ」の創設を発表した。』
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第3位は長い引用になりましたが、オーストラリアとの安全保障強化についてです。
特に南シナ海に対する問題に対する対応としてオーストラリアと連携することには意義があります。
「世界の警察」の役割を放棄しつつあるアメリカのみとの安全保障、軍事協力と言うのはリスクでしかありません。
最近のニュースではアメリカ以外の国との安全保障や軍用機の生産が行われている傾向があるのはとてもいいことだと思っています。
第2位 『東広島「PFAS」問題 米軍“有害物質含む消火剤を過去に使用“』
NHK9月6日より
『広島県東広島市の河川などから有機フッ素化合物「PFAS」のうち有害性が指摘される物質が国の暫定目標値を超え相次いで検出された問題で、アメリカ軍は、過去にこの物質を含む旧式の消火剤を使用した点検や訓練を行っていたことを防衛省を通じて明らかにしました。
中略
アメリカ軍が確認を進めた結果、市内の川上弾薬庫で、1991年から2009年の間、有害性が指摘される物質を含む消火剤を使用して消防車の点検や訓練を行っていたことが明らかになり、これまでの「使用したことがない」という説明を変更しています。
一方、消火活動では使用しておらず、弾薬庫内にあった消火剤の原液や物質を含む水については2020年に適切に処分し、現在は物質を含む消火剤は保有していないと説明しているということです。
アメリカ軍の説明を受け、広島県の湯崎知事は「弾薬庫の敷地内における環境調査の必要性がさらに高まったものと考えている。住民の不安や懸念が払拭されるよう、引き続き東広島市と連携し、国に対して必要な対応の実施や公表をアメリカ軍へ働きかけるよう求めていく」とコメントしています。』
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このニュースは全然注目されていませんが、密かに衝撃的な案件だと思います。
米軍の訓練によって土壌汚染が行われていたことを示すのですから……。
また、アメリカ軍の不祥事とも言える内容でありながら大きく報道されていないのはやはり日米の力の差があるという事でしょう。
PFAS(有機フッ素化合物)の健康問題については後日単独で特集を行いますが、簡単に説明しておきます。
この物質は衣類、調理器具、食品包装、インク、化粧品などの産業利用に適している反面、一部の種類で自然界に放出されるとほとんど分解されないまま残り、生物に取り込まれると体内に蓄積しやすいというデメリットがあります。
このことから、世界的にPFASの含まれる物質の生産が無くなっていっています。
アメリカではPFASの最低基準の引き下げを行い、
日本でも各地で住民が問題提起を行い、水質調査などが行われ、更なる対応を行う事が検討されています。(現在は生産されていなくても長期的な蓄積が生物や人体に影響を与える恐れがあるため)
これらを考慮すると基地や軍事施設の周辺、下流地域はハザードマップに書いていない“リスク地域”だと言えると思います。
第1位 『大阪IR、事業撤退の権利を放棄へ 令和12年秋にも開業、ほぼ確実に』
産経新聞9月7日より
『大阪府市が大阪湾の人工島・夢洲(同市此花区)に誘致を進める、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の建設を巡り、運営事業者の「大阪IR株式会社」が、事業から違約金なしで撤退できる権利を放棄する方針を固めたことが7日、分かった。府市と大阪IRが10日にも発表する。 9月末にも準備工事に着手する方針で、令和12年秋に計画されているIR開業が、ほぼ確実となった。
中略
大阪IRはオリックスと米MGMリゾーツ・インターナショナルがそれぞれ出資額の4割を担い、ほかに関西を中心とした主要企業22社が少数株主として参画している。初期投資額は約1兆2700億円と見積もられている。』
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今週のニュースは地味過ぎてランキングと言うコンテンツ自体を見送ろうと思いました。
しかし、土曜にこの「違約金無しで撤退の権利を放棄」のニュースを見た瞬間に「やっぱり書こう」と決意致しました。
皆さんがどう思われるか分かりませんが、少なくとも僕の中では今週の断トツの1位でした。
日本ではギャンブル依存症の疑いのある状態になった経験者は3.6%(約320万人)と他の先進国の1%を遥かに上回ると推定されている(自分ものその一人と言ってよかった)こと。
埋め立てに対して半永久的にお金を投入し続けなければならないこと。
世界のIRではその周辺の治安が悪化しているということ。
など様々な懸念に対しては上辺だけの答弁のみで終始し、
払拭する具体的な努力をすることはありませんでした。
更に地元大阪からの公的な署名が集まった住民投票をすることすらも拒否し、強硬に開催することが事実上決まってしまいました。
他のIRを誘致しようとしている地域では、推進している政治家を絶対に当選させてはいけません。彼らは「経済」を名目にただの利権のおこぼれを受け取ろうとしているだけの人たちです。
政府や誘致をしている地域へ、
このような害悪しかないような産業・事業に対して国民の懸念を無視してまで資金と労力を注ぎこむのは本当にやめていただきたいです。
農業や介護などの人手が必要な地域に力を注いで下さい。
今週は少し長めの引用になってしまい恐縮ですが、いかがでしたでしょうか?
皆さんの注目ニュース、今週のトップニュースを教えていただけたら幸いです。
今週のニュースは自民党総裁選と民主党代表選に“ジャックされた状態”だったのでちょっと全体的にマニアックになってしまいました。
この2つの政治組織のトップを決めることついては個別の候補者がどうこうと言う問題より、「誰に決まったか」で内容が変わる案件だと思います。
そのためにそれぞれ決まってから特集を出そうと思います。