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ナスタチウム:君とならこの恋情に溺れても
明るい日陰が好きな君
自分の世界を創る君
でも閉じ籠らないでどんどん進んで行く
優しいのに隣を巻き込んでいく
そんな魅力に溢れた君
ちょっと食べてしまおうか
どんな味がするかな
悪い男を避けるため
ピリッと辛い味がするかな
食べれば食べるほど
僕の身体は君の匂いを放ち
君はいや増しに伸び続ける
君の蔓に絡まれ僕は
丸い葉っぱに埋もれていく
君という細くしなやかな蔓に絡まれた僕は
心地よい深い深い眠りに落ちていく
微睡みの中で君は
僕にその優しいまなざしで微笑みかける
このまま意識を手放してもいいかい?
身動きとれぬほど繋がり合って
ひとつになって朽ちていこうよ
足絡ませて唇合わせ
このひと筋の恋情に溺れて
どこまでも どこまでも……