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アルストロメリア:僕の魅力を知るのは君だけ
アンデスの山の風を浴びて育った君は
僕らとよく似た黒髪なのに
セピアの瞳がぱっちりとして
夏色のドレスがよく似合う
その黄色い夏色のドレスの裾翻し
駆けて行く君は美しく
健康的な魅力に溢れている
君の瞳に映る僕は
たくさんいる日本の男の一人に過ぎず
きっと認識されてない
ワンオブゼムのモブなのだろう
だけど、心優しい君は
そんな僕に向かって微笑んでくれた
"そのままのあなたが素敵"と
嗚呼、教えてくれ
僕のどこが素敵?
どこが他の男と違う?
何が君の瞳を留まらせた?
君が答えを口にしてくれたら
僕は頭を上げ真っ直ぐ前を向いて
男として立つことができる
臆病なこの僕が君を愛する
そんな自信を与えて欲しい
君に選ばれた男として……