前へ目次 次へ 17/21 ローズヒップ:立ちのぼり消えていく想い出 窓から射し込む冬の透明な陽射し 私は敢えてゆったりと 立ち上がってお湯を沸かして あなたを想う 秋に摘んで種取りをして乾かした ローズヒップの香りに包まれて 今頃あなたは何をしているだろう 冬へと差し掛かるこの寒い時期を きっとあの女(ひと)の傍(かたわら)で 穏やかな時を過ごしているだろう ローズヒップはあなたとの想い出 あなたの隣にいたのは私だった…… 初夏に花開いたふたりの恋 乾かして瓶詰にして宝物にしても 立ちのぼるのはあなたの香りではなく 淡く酸っぱいローズヒップティ あなたの優しい姿も あなただけの香りも いつか時と共に薄らぎ消えてゆく このローズヒップティの 香りのように……