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エルダーベリー:重い女の失恋歌
エルダーの実が重く重くしなる
あのひとに縋りたい私の恋のように
夏に花開いた淡い桃色の出会い
そこに意味を見出したい私の姿
秋にはたわわに実るエルダーの実
でも
私の恋は実らなかった
唯、あのひとの後ろ姿を追うだけ
どうして妖精のように振舞えなかったのか
「会えただけでいい」と微笑んでいられないのか
「こっちを見て」と
「私に振り向いて」と言葉を連ねてしまった
あの人には重かった私の恋心
冬が来ればエルダーの実のように
みな地面に落ちてしまうのだろう
熟れすぎて長雨に朽ちて
地に沁みていく私の想いは
次の夏にまた花開くことができようか
淡く咲いていれば
誰かが求めてくれるだろうか……




