11/18
ヒペリカム:宝石には相応しい宝石を
花束の中の添え物として
主役の引き立て役として
佇む君は寡黙
ダイヤモンドの指輪型の飴のように
僕が舐めたがっているとも知らないで
ほら、やっぱり君は知らない
そのか細い身体が無意識に
男の視線を誘っていることを
君は完膚なきまでに美しいということを
君は誰よりも優しくて
他の誰よりも目映くて
君は僕の心の癒やし
君がそこにいるだけで
僕は明日も元気になれる
君の黒曜石の瞳に僕が映る限り
君の紅い珠が僕を感じてくれる限り
非の打ち所の無い立ち姿の内側に
限りない煌めきを僕に用意してくれている君
君とならどんな困難も
どんな幸福も享受できるだろう
だから受け取ってくれるかい?
君の為に用意したこのダイヤモンド
輝かしいエンゲージリングを……




