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あるのは鍾愛のみ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

今も昔も三緒様のイメージはあまり変わりません。

大変失礼ながら、病んでないヤンデレ。

絶世の美人が、私を膝の上に乗せて、胴体に片腕を回し、逃げられない様にしてから、体中をまさぐる。自由にさせてる手は、蛇の如く体の表面を滑り、肌の感触を確かめているようだった。

その間、御前の視線は私を捉えて離さない。逸らそうとすると白魚の腕が這い上がり、頬を、顎を固定される。『逸らすのは許さないよ』とでも仰る様に。

「あの……」

塵になりそうなので、灰になりそうなので、芥になりそうなので、あまりその顏を私に近付けないで戴きたいのですが。貴方の水光の顏で、私の存在自体が消えてしまいそうなのですが。なんならもう、その腕を離して、私を解放して戴きたいのですが。

その焦りを知ってか知らずか、手首が後頭部に回る。しっかりと押さえ付けたまま、憂いの目を浮かべる。

「他の神々には自分から抱き着く癖に、何故私だと嫌がってしまうのか。贈った言葉が気に入らなかった? 見せた景色が気に入らなかった? 他の神々以上に私は君に寵愛を注いでいるはずなのに、どうして嫌がってしまうのか。」

嫌ではないのですよ。ただ私が献上したものと、貴方様が下賜なされるものの釣り合いがまったく取れていないのですよ。貴方様にそこまでされる存在ではないのですよ。

このご時世、均等の取れたギブアンドテイク。天秤が何方かに傾くのは健全じゃない。もし傾いたら、与えた方も、与えられた方も、双方に負荷がかかる。

其れをきっと、この方はご存知でない。人の道理とは異なる世界で生きる方だから。

「じゃあ、その分君から貰えば良いんだね。今のように」


「助けて下さい……」

「……う〜ん……。其れはちょっと聞けないお願いかなぁ……。いやはや、困ったねぇ」

前にお座りになる梅香の君は、苦笑いのままに小首を傾げた。なお、本当にお困りでは無い。ちょっと面白がっているというか、揶揄っているというか、とにかく今のこの状況を楽しんでおられる。

今の状況。逃げられない様に三緒様の腕が首周りに巻き付いて、その上にほっそりとした顎がちょこんと乗っている。首を縮こめると、腹回りの布を握り締めて、脱走を拒む。

「塵、灰、芥になりそうなので……」

「なってないよ。今だって私に抱き締められて原型留めているもの。ほら、顔を見せて?」

顎を上向きにさせられると、水光の顏が目に入る。浅葱の双眸がただただ嬉しげに私を捉えている。自分の中で何かが壊れる音がした。何か大切なものが音を立てた途切れる音がした。

「ふふふ。可愛い」

嫉妬も劣情もない。ただあるのは鍾愛のみ。だからこそ、絶対に分かりえない。


タイトルは

『寵愛』の強化版である『鍾愛』から。


三緒様のイメージって再三申し上げてますが、病んでないヤンデレなんですよ。

別に病んではない。決して病んでは無い。

嫉妬とかしない。目の前で他の誰かと話してても、にっこにこ。構わないよ〜。

見てくれるだけで良い。それだけで嬉しい。

ただ献上したもの以上の愛で返すのでヤンデレ。


ヤンデレって、好意を持った相手に何でもするじゃないですか。

お菓子贈っただけなのに、同棲して、毎食手作りするくらいするじゃないですか。

なんなら『はい、あーん』までするじゃないですか。

あのレベルの事を、素知らぬ顔でなさる。

だから病んでないヤンデレ。

愛は重い……。あれ、重いですよね?


今回も物語はそんな感じの話。

ただ此方を見て欲しいから、抱き締めてるだけ。

逃げられたら傷付くから、閉じ込めてるだけ。

そこに嫉妬とかない。全然ない。


神様故に心の形が全然違う。そんな話です。

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