41.修行?
翌朝はよく晴れた。
なんとスタンリー爺さんがあの後、レイドジェリーをジャムにしてくれた。
それをパンに塗って朝食をとる。
「お前たち、今日の昼には武器の手入れは終わる。
午後からは修行に入るぞ」
スタンリー爺さんが言う。
「はい、わかりました。
宜しくお願いします!」
ロランが返事をする。
「お前・・・・名前はなんだ?」
俺の方を見て言う。
「リュカ、だけど」
「リュカ、お前さんはどうするんじゃ?」
「え・・・・お、俺も修行するよ」
2人が修行するのを黙ってみているわけにはいかない。
俺だって、強くならなければ。
「では3人とも、昼を食べたら裏庭に来い」
いくつかは分からないが、相当な歳に見える。
一体俺たちに何を教えてくれるのか・・・・・
昼を過ぎて裏庭へ集まる。
片隅に小さな畑らしきものと、鶏が数羽いたが、あとはだだっ広いスペースが広がっていた。
奥の方は森なのか、木々が生い茂っている。
「ほっ、揃っておるの」
爺さんが愉快そうに言う。
「さて・・・・まずは剣士、名は」
「ロランです」
「うむ、ロラン。
お前は今日も薪割りだ」
「え・・・・・」
「これ、この丸太を全部の」
太くて長い丸太が30本ほど積み重なっている。
「全部を薪にしてくれ」
「はい、わかりました・・・・」
え、大丈夫なのか・・・・?
相当な数があるぞ。
それに薪割りって・・・・
これじゃただの小間使いだ。
「魔法使いの娘は」
「アリスと言います」
「アリス、お前はここで座禅をしろ」
「えっ?」
「いいから!早く!」
布切れみたいなものを草むらに置くと、そこにアリスを座らせた。
「目をつぶって、全部の音と様子を聞き取れ」
「は、はぁ・・・・・」
訝しげにアリスは座る。
「リュカ!
お前は弓使いだったな」
「おう」
「こっちに来い」
スタンリー爺さんは森の方へ歩いていく。
ん?爺さんのくせに足が速い!
俺は小走りについて行った。
100mほど森の中を歩いただろうか。
開けた場所に・・・・・
細い丸太が積んであった。
「ほれ、お前はこれをロランの所へ運べ」
「はぁあ!?
俺1人でか!?」
「そうじゃ。
若いんだしいけるじゃろ」
「これが何の役に立つんだよ!?」
「言ったじゃろ、お前次第じゃと」
「はぁ~~!?」
「つべこべ言わんと、やるんじゃ。
それとも出来ないと泣いて帰るか?」
くっそー、何だよ!
やっぱり小間使いじゃねーか!
「誰が泣くかよ!」