77.祭りの夜(5)
アリスが俺の部屋のバスルームに入っていった。
ドッドッドッドッ
さっきから心臓の音がうるさい。
こっ、このドア一枚隔てた空間で、アリスが裸になっている!!!!
シャーッと水音が聞こえてきた。
俺は想像しただけで・・・・・
だっ、ダメだダメだこんなの!!!
うぅーーー・・・・
童○の俺には、ちょっと刺激の強すぎる出来事だ。
しかも相手はアリスだ・・・・
あーっ!!もうっ!!!
などと1人で悶えていると・・・・・
アリスがバスルームから出てきた。
白いネグリジェのような寝間着を着ている。
おろした髪の毛は、濡れていつも以上に艶っぽい。
それに上気したピンク色の頬。
いつもと全く印象が違って、ますますドキドキしてしまう。
「ありがとう、リュカ」
「お、おう」
ふぅっ、とため息をつくアリス。
そのため息に・・・・・俺はクラクラしてしまう。
「隣に座ってもいい?」
広くない部屋には、椅子が一脚あるだけ。
俺はベッドの上に座っている。
「えっ・・・あぁ・・・うん・・・・・」
えーっ!?
その姿で隣に!?
ギシッとベッドのきしむ音。
ゴクリと唾を飲む。
俺は緊張しすぎて、何も言えない。
「今日ね・・・・・
イリーナに会って思ったの」
アリスが話し始める。
「好きな人と結婚するって、当たり前のことじゃないんだなぁ、って」
俺は黙って話を聞く。
「イリーナ、ちゃんと王様に気持ちを伝えられたかな・・・・・」
「イ、イリーナだったらきっと大丈夫だろ。
王様とも仲が良さそうだったし」
「うん・・・・・そうだよね。
私、イリーナには幸せになってもらいたいから・・・・・」
「お、おう、そだな」
また沈黙。
き、気まずい!
何か喋らなければ!
えーと、えーと・・・・・
「ねぇ、リュカは・・・・・さ。
好きな人、とか・・・・・いる?」
!!!???
ええっ・・・・・
とっ、隣にいるんですけどーーーー!?
どういう意味だ!?
俺、何て答えるべきなの!?
頭がグルグルする。
でもいきなりアリスが好きなんて言ったら、きっとドン引きされてしまう。
俺は・・・・・勇気ある敗北者を経験しているからな。
この世界に来てまで、あんな思いはしたくない。
そうだ、ここは・・・・・
「そっ、そういうアリスはどうなんだよ!?」
質問に、質問返し。
「へっ!?
わ、私!?」
驚いたような声。
そして沈黙。
ロランだ、ってハッキリ言われたらどうしようか。
わかってはいるつもりだが・・・・・
直接聞いたらショックで立ち直れないかもしれない。
「い・・・・・いるよ」
だよな。
知ってる。
「そ、そっか」
また沈黙。
何だろ・・・・・
何かさっきからアリスの様子、おかしくないか??
「やだぁ、何でそんなに黙ってるの?
リュカらしくもない・・・・・
疲れちゃった?
それともどこか痛む?」
心配そうにのぞき込まれる。
やめてくれっ、その姿で近づかれたら・・・・・
「だっ、だ、だ、大丈夫!!
大丈夫だからっ!!
あ、あんまり近づかないでくれっ!」
「え・・・・・」
ショックを受けたような顔。
しまった・・・・・・。




