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69.ダンジョンで(3)


先程の轟音で、ボスはどのくらい感づいただろうか。

これでループ魔法が破られていれば、すでに警戒はされているだろう。

一体どんなモンスターなのか・・・・・


奥に進むにつれて、ヒョウやクマのようなモンスターが現れ始めた。

こちらに敵意をむき出しにしてかかってくる。


オーウェンとロランが斬りかかり、俺は動きを止めるために援護射撃をする。

マジシャン部隊はモンスターの体力を削る。

ビルはヒール魔法も使えるから、もっぱら回復役に回ってもらった。


「モンスターのレベルが上がってきているな。

 ボスが近いかもしれない」

オーウェンが言う。


「こっちに階段がある」

ロランが言った。


全員で警戒しながら階段を下る。

妙に長いな・・・・・と思っていると

ガラガラガラッ

『!?』

急に足元が崩れ始めた!!


「そんなっ、魔法の気配は感じなかったぞ!?」


「きゃあぁあ」


「うわぁああ」


成すすべなく、俺たちは全員奈落の底に落ちていった。





「いっててて・・・・・・」


強かに腰を打った。

が、大丈夫そうだ。

それより皆は!?


「皆、無事か?」

オーウェンの声。


辺りを見回すと、全員無事のようだ。

ほっとしたのも束の間・・・・・

俺たちの背後から、1頭の巨大な狼が姿を現した。


「フェンリル・・・・・!」

オーウェンが言った。


フェンリル!?

狂暴な狼のモンスターだ。

魔法への耐性もあった気がする。

まさかこのダンジョンのボスだったなんて・・・・。


「グルルルルルル・・・・・」


俺たちを威嚇する、低い唸り声。

ものすごい威圧感だ。

背中がビリビリして、鳥肌が立った。


「ど、どうしよう・・・・・」

アリスが真っ青な顔で震えている。


わかる。

今の俺たちじゃ、到底かなう相手じゃない。


「に、逃げねぇと!

 エスケープは効かないのか!?」


ビルが頭を横に振る。

なんだって・・・・・

それじゃ俺たちここで全滅するしかないのか・・・・!?


全員みじろぎもせずその空間にいて、フェンリルの鋭い視線を受けとめるしかなかった。


「お前たち、何をしに来た?」


一頭のフェンリルが・・・・・

喋った!?

というよりは・・・・・

頭の中に声がした。


俺たちが驚いて口もきけないでいると、オーウェンが


「すまない、貴殿たちの暮らしを脅かすつもりはなかった。

 謝罪する」

と言って頭を下げた。


「ふん、わっぱが!

 貴様らなど、我々の相手ではない。

 何をしに来たかと聞いている!」


フェンリルの声が頭に響くたびに、空気が振動する。

体が緊張して、嫌な汗が流れる。


「我々は、アスタノース国王陛下の依頼により、このダンジョンの調査に来た。

 3年ほど前から、何人もの人間が、このダンジョンから戻って来られず消えている」


「人間?ああ、あのならず者共か。

 私の魔法によってこのダンジョンから出られなくなったのだろう。

 愚かなものだ」


「なぜダンジョンにこのような魔法を?」


「ふん・・・・・

 我々の姿を見られるところまで来たのは、貴様らが初めてだ。

 冥土の土産に教えてやろう。

 まもなく我々の子が産まれるのだ」


「フェンリルの子どもが?」


「そうだ。

 我々は子の誕生まで、この場所を守り抜く必要がある。

 下等な人間どもに、この場を汚させるわけにはいかない!!」


そう言って、一頭のフェンリルがオーウェンに牙をむき出しにしてかかってきた!!


「危ない!!」


ロランがすかさず助けに入る。


ガキンッ!!!


オーウェンとロランの剣がそれぞれ牙を受けとめる。


「こしゃくな!!!」


今度は巨大な前足が襲い掛かる。

鋭い爪。

多分引っかかれたらひとたまりもない。


ビルとチェスターが、魔法で援護しようとするが

「ガアッ!!!」

と威嚇され、魔法が掻き消えてしまった。


多勢に無勢だが、どうも分が悪すぎるようだ。

俺たちに活路はあるのか・・・・・



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