66.再び
目的は決まったが、目的地は決まっていない。
山の中にいても仕方がないので、とりあえず山を越えることにした。
険しい道は避けて、安全なルートを選んで歩く。
それでも3日ほどはかかった。
さすがに疲れた。
山を越えたその先に、大きな城壁に囲まれた街があった。
聞けばここが、アスタノースの王都なのだという。
街に入るにも、厳重な警備が敷かれている。
冒険者の姿をした俺たちにも厳しい質問が飛んだが、ロランとアリスをお坊ちゃまとお嬢様に仕立てて、俺は2人の冒険者ごっこの付き人だと伝えると、変な顔をされたが通してもらえた。
「あの警備の人、私たちをめちゃくちゃ疑ってたよね。
リュカ、一体どうやって納得させたの?」
「いやぁ、それは内緒」
「何だよ、気になるなぁ」
「まぁいいじゃねーか、こうして王都に入れたんだし」
「そうだな、さ、宿を探そうか。
山の中で野営しかしてないから、さすがに疲れたよ」
あまり高くない宿を見つけて、そこに泊まることにした。
何にせよ、拠点は必要だ。
翌朝になり、王都のギルドに行ってみることにした。
山の中でモンスターとほぼ出会わずに来たので、あまりギルを稼げていない。
エルフの里に泊まらせてもらった間は良かったけど、この先の旅の資金も必要だ。
「お、ここかな?」
さすが王都のギルドだ、レンガ造りの2階建てだ。
中に入ると、なかなかにぎわっている。
こういう場所にいるだけでも、有益な情報が入ってきたりするんだよな。
ガイドのいる場所を探していると・・・・・
見覚えのある顔があった。
スタンリー爺さんの店で、客なのに俺たちと手合わせをした・・・・・
ビルとチェスター、それに赤髪のリーダーだ。
あちらも俺たちに気が付いたようだ。
「やあ、君たちか。
奇遇だな、こんなところで会うなんて」
赤髪のリーダーが言う。
「ええ、本当に。
あの時はありがとうございました」
「いや、こちらこそ。
あの後は、ダンジョンに行ってみたかい?」
「あ~・・・・それが実はまだでして」
「そうなのか?
もったいない。
せっかく手合わせをしたのに。
ここへは、そのダンジョンを探しに?」
と聞かれたので、そうだ、と返事をする。
リーダーは
「ふむ・・・・・」
と言って考え込んでいる。
「あの・・・・?」
とロランが声をかけると、
「どうだろう君たち、我々と一緒に来ないか?」
『え?』
「いやなに、実はちょうど仲間を探していたんだ。
我々はこれから、この先にあるダンジョンの調査を依頼されていてね。
君たちも一緒に来ないか?」
おお、これは渡りに船ってやつか?
しかし人助けの旅をするって、決めたばかりだからなぁ・・・・
3人で顔を見合わせて考えていると
「我々を助けると思って。
どうだろうか?」
む、そういうことなら。
「はい、是非よろしくお願いします」




