表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/45

60.エルフの里(7)


「里長、もしよかったら外に出る方たちの護衛を、俺たちにさせてもらえませんか?」

ロランが言う。


「!!!

 なんと・・・・・

 そなたらが・・・・?」


「里長、こう見えても俺たち冒険者なんだ。

 きっと力になれると思う。

 いや、是非そうさせてくれ」

俺も言う。


「私たち、昨日からお世話になりっぱなしですし。

 今日だって、本当に楽しかったんです。

 ミルハちゃんやご両親だけじゃなく、エルフの里の方々はとても良くして下さいました。

 今度は私たちがお礼をする番です」

アリスが続く。


「どうでしょうか?

 俺たちに、任せていただけないでしょうか?」


3人でじっと里長の顔を見る。


「お客人にそんなことをさせるわけにはいかないと思ったが・・・・

 そう言ったところで、君らはきっと行ってくれるのだろうな」


「それでは・・・・・

 宜しく頼む」


里長は深々と頭を下げた。


「ありがとうございます!

 全力で護衛をさせていただきます」


よっし!

人間の信頼回復のためにも、頑張るぞ!




案内されて、今日外へ出るエルフ達の所へ行った。

話はついていたようで、皆やや不安げな面持ちながら、俺たちを受け入れてくれた。

護衛をする予定だった武装したエルフたちもいたが、戦闘に向かないエルフたちをみすみす危険にさらす必要はない。

俺たちだけで大丈夫だから、と言ったが、入り口の外まではついていくと言うのでそれは承諾した。


外に出る時間は午前0時、月が高く上った頃の1時間程だという。

何事もなければそれでいいし、エルフの人たちの信用を少しでも回復できれば、それでいい。




里の出口を目指して歩く。

微妙な空気が流れていたが、一人のエルフが

「この度は我々のために、ありがとうございます」

と言った。


「いえいえ、とんでもない。

 こちらこそ、護衛を承諾してくれて、ありがとうございます」


「里の皆さんには、良くして頂きました。

 それに私たち冒険者なので、エルフの方たちに会えて本当に嬉しいです」


「アスタノースでの旅の目的だったもんな、エルフに会う、っていうのが」


「そうなんだよね、だから皆さんに会って、素敵な場所まで見られて・・・・

 こんな風に、少しだけど力になることが出来て・・・・

 冒険者になってホントによかったなって、思うよね!」


「おう!」

「ああ!」


明るい口調の俺たちの話を、護衛を含めた7人ほどのエルフは興味深そうに聞いていた。




出口に着いた。

護衛の3人はここで待っているとのことだ。

万が一何かあったら、すぐに入り口を開けてもらうように頼んだ。


出口から5分ほど歩いたところに、小さな泉があった。

ここに満月を映し込んで、その水でオーブを清め、その後に月の光の加護をつける。

これを何回か繰り返して完成させるのだそうだ。

大変なもんだな。

エルフの宝と言われるのも納得だ。


4人のエルフが、持ってきていたオーブを次々に泉へ入れる。

色とりどりのオーブは、一旦沈むがすぐに浮かんできて、月の光をキラキラと反射して輝く。


「なんて綺麗・・・・こんなの見たことないわ」

アリスが見惚れて言う。


「ああ、ホントだな」


静寂に包まれた山の中で、オーブが水の中でかすかにぶつかる音だけが聞こえる。

小さな鈴のような、鐘のような、これも聞いたことのない音だ。

エルフたちは泉を囲んで、それを祈るようにして見ている。


20分ほど経ったろうか。

エルフが泉からオーブを引き上げる。

手伝おうとしたが、断られた。

未完成のオーブは、エルフ以外が手を触れてはいけないらしい。


泉の横には台座のようなものがあって、エルフたちはそれに次々とオーブを並べていった。

20個ほどはあるだろうか。


すると、月の光がサーッとオーブを目指したように集まってきた。

オーブからキラキラと光が舞い上がる。


「わぁ・・・・・」


なんとも神秘的な光景だ。

エルフの宝を作る光景が見られるなんてな。

3人でしばらく見惚れていると・・・・


「!」

アリスがザッと後ろを振り返る。


「どうした?」


「誰か・・・・・向かって来てる。

 足音がする!」


『!!!』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ