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59.エルフの里(6)


「ミルハちゃん?」

ハッとしたアリスの声で我に返る。


湖畔があまりにも穏やかすぎて・・・・・

時間が経つのを忘れていた。


ミルハが地面に倒れている。

「どうしたんだ!?」

俺が叫ぶと

「しっ!静かに!

眠っちゃったみたい」

とアリスが言った。


眠ったミルハを俺がおんぶして帰る。

と・・・・・

町中に差し掛かったところで、若いエルフの女の子たちが数人で何かを話している。

うわ~、やっぱエルフの子って可愛いわ。

と思いながら見ていると・・・・・


「あ、あのっ」

とそのうちの1人が声をかけてきた。


俺たちが立ち止まると、おもむろにロランの前に立って

「お、お名前を教えていただけませんかっ!?」

と真っ赤な顔をして言った。


えー・・・・・これは・・・・・


「お、俺?

 俺は、ロラン。

 ロラン・フォン・ベルセルクだけど・・・・」


「あっ、握手をしていただいてもいいですかっ」


「へ?ああ、いいですけど・・・・」

と手を差し出す。


握手をすると

「あっ、ありがとうございましたぁあああ」

と言って去っていった。


女の子たちはキャーキャー言って盛り上がっている。

はぁ・・・・・

こいつはエルフから見ても、イケメンだということだ。

つーか、もしかして、さっき町中で感じたヒソヒソはもしやロランに対しての・・・・・?


これはアリスが面白くないぞ~と思って、ちらっとアリスの表情をうかがうと・・・・・

あれれ??そうでもない??


「ん?どうしたのリュカ?

 あー!ロランがモテるからって僻んでるんでしょー?」


「うっ・・・・うるさいなー、違うよ」


「ふーん?そぉ?」


何かいつもと違うな。

まぁいっか。


何がなんだかわからない顔をしているロランを尻目に、俺たちは里長の家に向かって歩いた。




里長の家にはミルハの両親が迎えにきていた。

俺におんぶされているのを見て

「すみません。

 かえってご迷惑をかけてしまったようで」

と言った。


「いえいえ、とっても楽しかったですよ。

 こちらこそ、連れまわしてしまって。

良い子ですね、ミルハちゃん。

 歳のわりにちょっと侮れないところもあるみたいだけど」

と俺が言うと


「周りに大人が多いので、自然にそうなったのかもしれません。

 森に出たのも、私がオーブを奪われてふさぎ込んでいるので、それを心配してのことでしたので・・・・・」

と母親が言った。


「今日はゆっくり休ませてあげて下さい。

 おかげで俺たちも、とても良い経験が出来ました」


「本当です、ミルハちゃんにお礼を言わなくっちゃ」


口々に言う俺たちに恐縮するように、両親はミルハを連れて帰っていった。


すると入れ違うようにして、別のエルフが入ってきた。

手には槍のような武器を持って、小手や胸あてをしている。

これは・・・・・戦うための武装だろうか。


俺たちの姿を見て、ちょっと気にした様子をしながら里長に何かを耳打ちしている。

里長も神妙な顔をしてうなずいている。


「守りの数をもっと増やした方がいいだろうが・・・・

 犠牲が出るのだけは避けねばならん。

 何があるかわからん、慎重にな」


あまり穏やかな話ではないようだ。

武装したエルフはまた俺たちをちらっと見て、里長の家を出ていった。


「あの・・・・・すみません。

 聞くつもりはなかったのですが、聞こえてしまって。

 何か穏やかではないお話のようでしたが・・・・・」

ロランが遠慮がちに里長に尋ねる。


「ああ、すまんの、お客人たちに心配をかけてしまったか。

 いや何、今日は満月だからの。

 オーブを作りに外に出る者たちがおるんじゃ。

 それについてちょっと・・・・・のう」


あの事件があってから、慎重になっているのだ。

いつまた同じようなことがあるかわからない。


俺たち3人は顔を見合わせる。

多分、考えていることは同じだ。



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