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57.エルフの里(4)


里長の家を出て、町?の中を歩く。

昨日のような不躾な視線やヒソヒソ声はないものの・・・・・

里の全員が、完全に俺たちを信用してくれているわけではなさそうだ。


と、先を歩くミルハが止まった。


「ここがお菓子屋さんだよ!」

ミルハは言って

「こんにちわー!」

と大きな声をかけて入っていった。


「あらっ、まぁ、ミルハちゃん!!!

 もう大丈夫なの??

 皆で心配してたのよぉ!!

 良かったわぁ」


と店主らしきふくよかなエルフが言った。

・・・・・エルフにもふくよかな人がいるんだな。


そして後ろから入っていった俺たちを見て、ぎょっとする。


「あら・・・・もしかしてあんた達が例の・・・・・」


「はい、昨日は里長さとおさ様の家に泊まらせていただきました。

 今日はミルハちゃんにこの里を案内してもらってるんです。

 ね、ミルハちゃん!」


「うん!そうなの!

 お姉ちゃんたちに、ミルハを助けてくれたお礼をしてるの!

 ここがミルハのいっちばん好きな場所、って!」


「あっはっは!そうかい!

いっちばん好きな場所かい!

 嬉しいねぇ」


と店主は豪快に笑って、俺たちを見ると


「あんたがた・・・・・

 この子を助けてくれたんだってね。

 私からも礼を言うよ」

と頭を下げた。


「いえ、そんな。

 お礼には及びません」

ロランが言うと


「あらぁ・・・・・

 お兄さん、なかなか良い男だねぇ」

としげしげとロランを見た。


するとミルハが

「あ!」

と大きな声を出す。


「どうした、ミルハ?」


「お父さんとお母さんから、お小遣いをもらってくるの忘れちゃった・・・・・」

と悲しい顔をする。


「ぷっ、あっはっは!

 いいよ、今日は特別だ!

 好きなお菓子を一つあげるよ!」


「ホント!?

 いいの!?」


「ああ、いいとも。

 無事に帰ってきてくれたんだ、これはおばさんからのお祝いだ。

 あんた達にも一つずつあげるよ。

 エルフの菓子が口にあうかはわからないけど」


「わぁ、ホントですか!?

 エルフのお菓子なんて、食べたことないから嬉しい!」


狭い店だが、ショーケースには所狭しとお菓子が並んでいた。

ミルハとアリスは2人でキャッキャしながらお菓子を選んでいる。

俺は花形のクッキーのようなものが入った小袋を選んだ。


「ありがとうございました」


「おばちゃん、また来るね!」


「ええ、待ってるよ」


俺たちは菓子屋を後にした。




ミルハを先頭に歩く。

と・・・・またヒソヒソする声が聞こえてきた・・・・・

やっぱり俺たちまだ信用されてないのかなぁ。


「次はここだよ!

 お裁縫屋さん」


「こんにちわー!」

先程のように大きな声をかけてミルハが入っていく。


「あら、ミルハちゃん!

 良かったわぁ、元気そうで」


「うん、このお姉ちゃんたちが助けてくれたの」

と俺たちを指さす。


「まぁ・・・・あなた方が・・・・」

と硬い表情で言う。


「ごめんなさい、私は人間に会うのは初めてで。

ちょっと緊張しているわ」



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