53,エルフの里を目指して(3)
6~7歳の子の体重がどんなもんかはよくわからないけど、ミルハは妙に軽かった。
エルフだからだろうか?
途中でキツくなったら、ロランと交代しようか・・・・
などと考えていたが、大丈夫そうだ。
どのくらい歩いただろうか・・・・・
滝の音が聞こえてきた。
歩みを進めて、開けた場所に出る。と
「お父さん!」
ミルハが言った。
エルフの男性が2人、そこに立っていた。
2人とも長い耳にブロンドで、ピンク色の目をしている。
羽はたたんであるのか、見えない。
槍のような武器を持っているが、俺よりも線の細い男性たちだ。
俺たちを見て一瞬硬い表情をしたが、ミルハが肩車から降りて走っていくと、2人ともほっとした様子を見せた。
「ミルハ!」
お父さんと呼ばれた方がミルハを抱き上げる。
「何で1人で出て行ったんだ!
あんなにダメだと言ったのに・・・・」
「ごめんなさい・・・・・
でも・・・・・お母さまの大切なものを、どうしても探してあげたくて」
と、手に持ったオーブを見せる。
「これは・・・・・」
「あなた方が、これを?」
「はい、ダンジョンで拾ったものです」
俺たちは少し後ろに下がり、アリスが答える。
「確かにこれは我が家のものです。
娘とオーブ、どちらも届けていただいたこと、感謝申し上げます」
エルフの2人は深々と頭を下げる。
「3人いらっしゃるとは想定しておりませんでしたが・・・・・」
「すみません、お母さまにいらぬ心配をかけたくなくて、私が代表でお話をさせて頂きました」
「いえ、ありがとうございます。
そちらのお二方も、我々に警戒させないように、気を使って下さっているのがわかる」
敵意がないのは、伝わったようだ。
良かった。
2人は何やら顔を見合わせてコソコソと話している。
そしてこちらを向いて言った。
「もしよければ、我々の里に来ませんか?」
『えっ?』
「失礼は承知で申し上げますと、里長からあなた方を見定めてくるように言われていたのです。
我々を脅かす存在でないかどうかを」
「ですが、あなた方の振る舞いでハッキリとわかりました。
是非お礼をさせて頂きたい」
思わぬことになったが・・・・・
「ええっ、どうしようか?
私はお邪魔したいなぁって思うけど・・・・」
アリスが俺たちを振り返る。
「俺もそう思う!
せっかく言ってくれてるんだし!
な、ロラン?」
「そうだなぁ・・・・
こんな機会ないだろうから・・・・
お言葉に甘えさせてもらおうか」
「決まったようですね」
ミルハの父が柔らかい表情で言った。




