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48.武器と修行(3)


しばしの沈黙。

爺さんが口を開く。


「いいじゃろ。

 だが条件がある」


俺たちを指さして

「こいつらとお前たち3人で手合わせしろ」


『!?』


「修理にも磨きにも時間がかかる。

 今日中には出来るが、その間この3人の訓練に付き合ってもらおう」


「はぁ~?何だよそりゃ」

「俺たちだって暇じゃないんだ」

部下たちが口々に言う。


「こいつらはワシの弟子たちじゃ。

 今は修行しておっての。

 ちょうど相手が欲しかったところなんじゃ。

 ほれ、どうする?」

と爺さんがリーダーと呼ばれた男に促す。


うぅーんと唸ったあと

「仕方ない、いいでしょう。

こちらも急ぎますし。

 君たちは冒険者なのかい?


「はい、そうですが・・・・・。

 スタンリーさん、いいんですか?」


「交換条件なんじゃ、あっちも良いといっておる、いいじゃろ。

 裏庭を貸すでの。

 存分にやってくれ。

 さ、剣を預かろう」

と、さっさと話を進めてしまった。




俺たちと赤髪の男たちは裏庭に出た。


それぞれに自分たちの武器を手に持つ。


「ふむふむ、剣士とアーチャーとマジシャンだね。

 私は剣士で、あっちの2人はマジシャンなんだ。

 それなりに戦闘経験があるから、君たちの修行のお役に立てるだろう」


「さて、ではどうしようか?

 1対1でやってみるかい?

 君たちの実力もみたい」


「わかった、俺がいく」

俺は一歩前に出る。


「ふむ、では・・・・・

 チェスター」


部下の1人が呼ばれた。


「彼はマジシャンだ。

 アーチャーとはあまり相性がよくないと思うが、まずはやってみてくれ」


「はい」


ちなみにこの世界では、魔法は人間や自然には効果がない。

ダンジョンや生息域の中で、モンスターのみに効力を発揮する。

だが、魔法同士は影響し合うし、武器や防具にも影響し合う。


「では・・・・はじめ!」


赤髪のリーダーの合図で手合わせを始める。

俺は弓を引く。

相手がウインディを唱える。

ブワッと風が巻き起こって、俺の弓は弾き飛ばされた。


さて、あの風をどう攻略するか・・・・


続けて矢を射る。

が、また弾かれる。

強さを変えるか・・・・

角度を変えるか・・・・

何度か繰り返し試してみる。


が、それらも弾かれた。


「はっはっは、防戦一方だな」

チェスターと呼ばれた男は余裕そうに笑う。


魔法を見て気付いた。

ウインディの風は、マジシャンの手元から渦を巻くようにして外側に広がっている。

だとすると・・・・・


俺は続けて矢を射った。

わざと男から少し離れた場所に。

またウインディで防ごうとする。

あった!

渦の中心に男の手が見える。

そこを狙う!

ヒュッ!!

男の手を目掛けて、矢が飛ぶ。


「うおっ!」

矢に気付いた男がとっさによけた。


「やるじゃないか、先の矢はブラフか。

 あの風の中、良く狙いが定まったものだ」

赤髪の男が後ろで言う。


「ああ、当たりっこないって油断してたしな」


「ふん、じゃあ次はこれだ」

とチェスターがファイアーを出して見せた。


む・・・・並みのスピードでは、矢は燃え尽きてしまうだろう。

それなら・・・・・!!

走る!!!


『!?』


ファイアーの炎の届かないギリギリの範囲まで行き、矢を放った。

勢いよく飛んだ矢は、ぎりぎり燃え尽きずにチェスターの顔をかすめた。


「あっぶねーな!

 なんだお前その特攻は!」


「あっはっはっは!」

赤髪の男が大声で笑った。


「いやぁ、参った。

 こんな向こう見ずなアーチャーがいたとはね、驚いたよ。

 それになかなかの俊足だ」


お、おお?褒められてる?


「よし、君はここまでだ」



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