97.【植物園4】炎の流れ星
(前書き)最近書き方変えました。2年目にして読みやすさがやっと進化した。
星空を遮る枝々からはアメジスト、ゴールド、エメラルドのような果実らがぶら下がっている。
いや、もはやこの森はそんな綺麗なものじゃない。あれはぶら下がっているのではなく、吊られている。そうでもなければ俺はどうして今、首が閉まるような気分になっているんだ。
「おい、歩くのが遅いぞ」
「……はぁ」
「これだからノロマは」
今俺は後ろからクソ喧しいクソ魔術師と共に、道の先で見下ろす巨大樹に向かっている。
あのバビルの塔と言われても信じられるほどの巨大な樹を撃ち落とすことで、この森の外へ出られるという。
「あー、また痒くなってきた。早く焼いてくれよ」
「…………ほれ、これでいいか」
「焼くのに時間かかりすぎだろノロマだな」
ノロノロしてたら植物になってしまう。この森の効果だ。
この残虐な効果だが、身体に生えてくる蔦や枝を燃やすことで抑えられる。それはいい。
ただとても残酷なことに俺は炎を使えず、クソ魔術師が使える。だから俺はコイツに協力しなければ死ぬことになった。
「最悪だ」
「こっちのセリフだ」
イライラの炎ならいくらでもあるのに、これじゃ植物化は抑えられないのはなんでなんだろう。
アイツと握手したこの汚い手を早く洗いたい。
筋肉痛を訴える足に鞭を打ち、いや打たれ、ようやっと巨大樹の枝の影を踏めた。
一つ一つが島のような葉っぱ空に月明かりは隠されている。でも暗くはなく、巨大樹を囲う木々の果実が光を放っているからだ。
さて巨大樹はすぐそこだ。あとはあれを撃ち落とすだけだが――――――――どうやってやるんだ。
「……なんだと?」
クソ魔術師が巨大樹を見上げ、口を開けている。得意気ばかりだった顔っ面が気の毒になっていた。
「アホ面してるなよ。早く巨大樹をどうやって落とす教えろよ」
「アホなのはお前のほうだ。わからないのか?」
「俺がわからないことがわからないお前のほうがアホだろ」
「はぁ……もういい。とりあえず進め」
この呆れ顔も見飽きた。依然としてムカつくが。
俺はクソ魔術師の言う通り、巨大樹へ近づいていく。
後ろでブツブツとなにか呟いていて煩いけど、もういいや。何話してんだって聞いてもわけがわからないからな。
「あれ?」
足が上がらない。歩けない。何かに下から引っ張られて――――――――なんだこの蔦は。
「やっぱりか!」
「は?」
「防衛機能がないと思ったら、やはり罠があったのか!」
そのどこか嬉しそうな声に、すぐに俺は振り返ろうとするが、足が絡んで転んでしまった。
痒くなかったのになんでいきなり蔦が足に。
「おい、早く焼け――――!?」
クソ魔術師は本当にクソだった。やっとで後ろを見ると、アイツはまったく後ろにいた。さっきの位置から動いてなかった。
さらに俺の見て皮肉な笑みを浮かべている。
「まったく馬鹿だね。これだから無知は怖い。頭を使わず、ただ言う通りにしてたからこうやって罠にかかるんだ」
「っ! いいから早く蔦を燃やせよ!」
「ふふ……なんでそんなことをする必要がある。もうお前は用済みだ」
まさかクソ魔術師――――――――シュロムだったのか。
俺をこの罠に嵌めるために偽っていたのか。
可笑しいと思った。なんでこいつがいきなり現れたのか。この森だってこいつの能力だったのかよ。この規模はやっぱりシュロムだと思った。
もう許せない。
俺は立ち上がりなんとか体の向きを変え、渦の魔剣を握りしめる。あそこまで届くかわからないけど、こっちに引っ張って斬りつけてやる。
「クソ魔術師野郎が!」
「はっは! 届くとでも――――――――なんだと!?」
届いた。俺はまるで釣竿を引くようにクソ魔術師を引っ張り上げ、自分のすぐ横にまで動かした。
すぐにその首を掻っ斬ってやる。俺は剣を振り下ろす。
「この馬鹿野郎が!」
「うるせえ! 殺す!」
俺は今までの全ての恨みを込めた一撃を放った。
しかし奴の前に浮遊する盾が現れて受け止められてしまった。
「だったらなんだってんだよ!」
「待て待て! 落ち着け!」
逃げる前に俺はその命をぶった斬ってやる。散々バカにしやがって。
俺は両手で剣を振り上げ、奴目掛けて斬りつけ――――――――腕が下に行かない。蔦が絡まってる。
「また蔦かよ! 卑怯だぞ!」
「卑怯だって? 冷静になれこの馬鹿野郎!」
嫌いなやつに馬鹿野郎と言われて冷静になれるわけないだろうが。
なんで剣を振り下ろせない。だんだん腕が引っ張る力が強くなってきてる。
それになんか甘い匂いが微かに。
ヤバい。眠くなってきた。視界がぼやけてくる。
この感じは植物化だ。結局、こうなるのかよ―――――――。
「勝手に寝るな!」
「ぶっは!?」
ぼやけた視界は水に引っ叩かれ、眠気が引いていった。寝耳に水ってやつか。いや、寝耳にビンタだろ。
その強烈な水を出したのは、寝ぼけているのかもしれない、クソ魔術師だった。お前が俺を植物化させようとしたんだろ。
「まだ僕を疑っているのか? いい加減に目を覚ませ。僕をよく見ろ」
もういう事を聞くものか。お前のせいでこうなったんだ。
俺はむしろ見まいとそっぽを向こうとしたが、それはよく見るまでもなくすぐにわかってしまった。
「あれ? お前も蔦に絡まれてる」
「だからそうだとさっきから!」
「お前が植物化のシュロムじゃないのか?」
「シュロム? なにを意味の分からないことを。これだから低能は」
誰が低能だって。このクソ魔術師め。やっぱり今すぐ斬りつけてやりたい。
って蔦が絡まって無理なのか――――――――ってもう胸まで伸びてきてるし、甘い匂いも強くなってきた。
「なんなんだよ。これ!」
「言っただろ罠だと。あの巨大樹の罠だ」
「巨大樹の罠?」
「そうだ。しかもこの蔦は燃えにくい。傷つけてもすぐに再生しているみたいだ」
こんな状況なのにクソ魔術師は淡々と話すな。余裕な感じじゃないだろ。そういう気取っているところがムカつくんだ。
「まったく何をそんなに焦っている? これは一種の防衛メカニズムだ。巨大樹が身を守るためのね。予想通りだよ」
「予想通り? だったらなんでお前の身体にも蔦が生えてんだよ? 澄ましてんなよ!」
「まさかお前が僕を引っ張ってくるとは思わないだろう。このアホが」
「当たり前だろ。お前が俺を罠に嵌めたんだろ!」
「僕が罠に嵌めた? 君を先導させて罠があるかどうか調べただけだが? そのための協力だ」
最初から協力する気なかったのかよ。やっぱりこういう奴は嫌いだ。ずる賢い。
もう蔦が首までうねうねとしてきてるし、気分も最悪だ。同じように蔦に絡まれているのに涼しい顔している奴のせいで。おかげで眠れはしない。
「そこまで澄ましてんなら何か方法があるのかよ?」
「もちろんだ。僕は君とは違って先のこと考えていたからな。さてあれを見ろ」
クソ魔術師が顎で指したのは巨大樹の屋根のほう。暗くて見えにくいが、なにかが玉のようなものが揺れているようだ。
「あれは巨大樹の果実だ。そこら中にある果実とは違って真っ暗なのは興味深いところで……」
「そんなのはどうでもいい。あれがどうしたんだよ?」
「巨大樹がこの森の核であると僕は言っただろう。だから巨大樹を破壊することで森を壊せると。それは魔力粒子の――――」
「だからそういう説明はいいから結論を言えよ! 時間がないんだよ!」
すでに蔦に胴まで動かなくなってきてるし、甘い匂いもヤバい。クラクラしてきた。
「まったく品がないな。そこまで焦る必要がないと言っているのに――――つまりはだ、あの果実が巨大樹の心臓。魔力の塊だ。あれを破壊すればいい」
クソ魔術師はそう言いながら右の手のひらの上に、燃える粒々を集め、細長い菱形に閉じ込めた。炎の結晶みたいだ。
その燃え滾る結晶を撫でるようにして巨大樹の果実へ飛ばした。
投げ方もそのドヤ顔も気持ち悪いが、それでこの蔦から助かるのならもういい。
「あの果実はそこまで硬くないはずだ。光っているのは果実の皮の部分、それがないから暗い。ゆえに――――」
「弾かれてんじゃねえか!」
「なっ、なぜだ!」
そのドヤ顔は焦りに変わった。蔦に身体がほとんど動かなくなってきているのをようやっと認識したらしい。何が先が見えてるだって?
こいつがモタモタしてたせいでさらに追い込まれてるじゃねえかよ。このクソ魔術師め。
「おい、単純に威力上げればいいだろ!」
「できたらしている! しかしこの蔦は魔力を吸収しているんだ! もう貫くどころか届かない」
クソ魔術師は言葉を吐き捨てる。その唾はこちらには飛んでこない。俺よりもアイツの蔦は伸びていた。
「は? そんなわけないだろ! この前、火の玉放ったときはあんなもんじゃなかっただろ!」
「あれは屋敷を犠牲にしたからだ!」
「お前がやったのかよ! こっちは死にかけたんだぞ!」
「そうしなくても殺されていただろ!」
「っ――――そんなこと言ってる場合じゃないだろ!」
足の感覚が無くなってきたし、眠気ももう耐えきれない。頭が崩れそうだ。
「……一つだけ方法がある」
「なんだって?」
「ああ。一つだけあるんだ。お前が持っている渦の魔剣で火の玉を打ち飛ばす。渦で推進力をあげるんだ」
渦で推進力をあげる。
果実のほうに逸らしてやるのか? でもそんなの届くわけがない。
いや待てよ――――――――それならできるかもしれない。いや、いける!
「おい、魔剣を貸せ」
「……は?」
「だから貸せと言っている。お前みたいな魔力雑魚じゃ不可能だ。届かない」
ハッキリと魔術師は言い放った。俺にはできないと。
こういうところだ。こいつのこういう、勝手に決めつけてくるところが許せない。
「貸すわけないだろ、俺にもできる」
「なんだと? ふざけているのか?」
「そっちだろふざけてるのは、さっさと火の玉を出せ」
「おいおい、そんなことを言っている場合じゃない」
リュードはなんとか手を伸ばし、よこせと睨んでくる。俺は睨み返す。
「そもそもお前が俺を罠に嵌めたんだろ? なのになんでそんなに偉そうなんだよ」
「は? そんなこと言ってる場合じゃないと――――」
「ミアのもそうだろ。魔剣を返さなかったのもそうだろ。俺はお前から何も謝ってもらってない」
「だから早くよこせ! 死にたいのか!」
譲れない。そもそも俺のほうが魔剣の扱いには慣れている。
それによこせと言うが随分と前から―――――――アイツの両腕は蔦のせいでほとんど動かなくなっている。
「死にたいのか? それはこっちのセリフだ。どうやって剣を振るんだよ!」
「…………だとしてもだ。まず飛ばせもしないよりはマシだ」
「ああ、そうか。だったらもういい。受け取れ……」
俺の手はリュードのところまで届いていた。ただリュードの手に絡まった蔦は剣を受け取らせてはくれなかった。
人差し指と中指の腹で剣の柄を撫でるだけだった。
「……くそ! どうして! ありえない! 僕は……」
アイツは慌てふためき、悔しく歯を噛みしめている。首を乱暴に振ろうとしても蔦のせいでどうすることもできない。
プライド。賢そうにしている奴ほど高い気がする。
俺を散々と馬鹿だと見下し、自分を天才だと言うくらいだ。
その結果、こうなっている。全部自業自得かもしれない――――俺を助けたのもお前だしな。
ただお前のプライドのせいで俺まで死ぬのは真っ平だ。喚く前に、絶望する前にまだ手は残ってるだろ。絶望してるなら生きてるんだろ。
「炎を出せ。火の玉を出せ――――――――俺はまだ剣を触れる」
俺は剣を逆手に持ち、位置を取った。狙いはだいたいあそこらへんにある巨大樹の果実。
あとはリュードの火の玉があればいい。
「…………僕に命令するのか? はははは! そうか。僕に命令を君がか?」
「…………」
「いいだろう―――――――僕の全力を注いでやるよ!」
刃の前。そこに一つの炎々たる点が現れた。それはたちまちと膨張していき、圧縮され、その位置で荒々しく振動した。
剣を構える手が火傷しそうだ。いや、火傷させようとしているのかもしれない。
でもそれくらい熱くないと物足りないな。
俺は刃を縦に向け、剣を引き、あらためて狙いを定める。
剣はその位置で精確に震えていた。
渦の魔剣は物体をある方向へ逸らす、厳密にはある位置に留めるらしい。つまり俺はあの果実の方向へ急速に火の玉を逸らさないといけない。
たぶんそれは屋敷でアイツから魔剣を渡されたときのあの宿った力、それで吹き飛ばす。これが正攻法だ。
ただ俺にはそれができない。魔力が足りないからだ。
だからアイツは俺に魔剣を貸せと言ったんだ。
確かにそれが一番だろう。
でもそれはできなかった。だったらどうするか。
俺にできることをする。
「狙いはついた――――――――行くぞ!!!」
渦を宿した刃は鋭く細い真空の道を作り出し、俺は剣を弾き、真空からの圧力で火の玉を放った。いわば真空の弓。
弾かれ、剛火球は凄まじいスピードで走っていく姿はまるで炎の流れ星。あるいは天に上る炎の龍であった。
たちまち巨大樹の果実、その高きところまで揚々と辿り着き、その暗黒の果実を――――――――掠るだけだった。
剛火球は葉っぱに穴をあけて、空のかなたに消えていった。
果実はその皮に少し火が付いた程度だった。
「まじかよ……」
あんなに飛ばせたのに。狙いが逸れた。
夜空が青い顔した俺を覗くだけだった。ここまで頑張ったのに、やっぱり力が足りなかったのかよ。
ただ悔いは――――――――ん?
「ふふ、はは……」
隣でクソ魔術師はクソ笑っていた。それは絶望からのものではなさそうだ。でも俺を見下すものでもない。
そんなに夜空がおかしいのか?
「そっちじゃない。ちゃんと見てみろ」
「え?」
ジリジリ……。上のほうから音が。それに焦げる匂いも。
俺はそれらを辿るように顔をあげた。
暗黒の果実は燃え盛り、炎の果実へ変貌していた。
だんだんと炎は勢いを増し、巨大樹の葉や枝、樹皮を内部から燃やしていく。
激しく燃えていく巨大樹はこの森で見たどの景色よりも華やかで美しい。中から輝く炎は星粒のようで思わず見惚れてしまった。ただそのどこかには切なさも混じっていた。
身体を蝕んでいた蔦もほどけていく。
リュードはさらに笑い出し、勝利の笑みを吠えた。
「はっはっは! やった! このクソみたいな森を燃やしてやったぞ!」
「掠っただけなのにこんな燃えるんだな」
「ああ、中身はへなちょこみたいだな!」
それから煩いクソ魔術師の笑いは木々も受け付けなくなったのか、すぐにほとんどの木は溶けるように無くなっていった。森はただの林に戻ったのだろうか。
見晴らしの良くなった荒野は広く見えるどころか、森に比べて狭く映った。
だからあっちにある焚火まで歩くのもそこまで時間を感じなかった。
「遅かったじゃない」
ソフィ、ミア、ロイバは焼かれる魚を見つめながら座っていた。
若干尖ったソフィの声が怖い。疲れた心を刺してきた。てか怒ってるよな。
「あれ? その人って――――?」
「あ、リュードさんだ!」
いや違う。青ざめて、俺と肩を組んでいたリュードに怒っているようだ。
さっきまであんなに楽しく話してたのがビックリだ。
リュードは引きつった顔のまま、あっちへ走っていこうとした。
ただその一歩目すらソフィの眼光の前では出せなかった。
「な、これだからシュバリエルミエールは」
「どこへ行くつもりかしら? それにどこに行ってたの?」
違う。なんで俺まで。
確かに勝手に行動したけれども。そこまで怒る?
「そっちはまぁいいわ。誘拐犯がなんのつもりかしら?」
「クソ。やっぱり来るんじゃなかった」
流れで来てしまったから仕方ない。
というわけではなく、俺が連れてきた。コイツを逃がさないために。懲らしめるために。
「そういえばミアちゃんを攫った詫びがまだだったね?」
「そうね。わざわざここに来たってことはそのつもりでしょ?」
リュードは見る見る顔色が悪くなっていく。まるで山賊にでも遭遇したのかのように。
もう逃げ場はない。降参しろ。そんな視線を俺は送った。
リュードは辛うじて首を振るが、ソフィの威圧に止まった。冷や汗しか出せなくなったようだ。いい気味だな。
「……わかった。詫びよう。ロアマトの子を誘拐してすまなかった」
吐きそうな顔でリュードは言った。
さすがにそこまでされたらこれ以上は何もない。見逃そう。
ソフィもそんな風に威圧を解いた。
もっとも誘拐された張本人は魚が焼けるのを楽しみに待っているだけだったが。
ミアがいいなら別にいいのだけど。
「えっと、リュード君だっけ? 侘びってのは謝罪だけじゃないよ?」
「……わかった。金も払おう――――――――これでいいか?」
リュードは異空間から羊くらいの大きさの金の入った袋を取り出した。
「おお、これはこれは! さすが魔術師!」
「おい、独り占めするなよ!」
「そうね。これは徴収するわ」
ちょうど金の無かったから、これで旅の資金が浮く。いい宿にも余裕で止まれるし、わざわざ狩りに行かなくてもいいかもしれない。
「いいですよ。そんなの」
「え?」
魚を片手にミアは言い放った。
おいおい、この子何を考えているの。3人はミアをそんな風に見た。しかしミアはキョトンとしているだけだった。
「じゃあ、これは渡さなくても良さそうだな」
「待ってよ! 待ってよ!」
「お金なんていりません。それよりも私の言う事を聞くべきですよね?」
「え?」
ミアの言う事?
お金よりも大事な物なんてあるんですかね?
ミアはどこかニヤニヤとしている。
「リュードさん。一緒にムールハット学院まで行きましょう」
ミアはどこかニヤニヤしている。うん。何て言った?
こいつを仲間にするって言ったのか?
そんなの俺たちにデメリットしかないだろ。俺はコイツ嫌いだし。
でもミアは違うようだ。微笑んで焼き魚をリュードへ差し出した。
リュードはそんな異様なお願いに対して――――――――ソフィに威嚇された時よりも顔を色悪く、半分白目で泡を吹いていた。
そんなに嫌なのかよ。
ただリュードは断ることができず、焼き魚を受け取るしかなかった。
こうしてリュードが仲間に加わった。
ちょうどリュードもムールハットへ向かっているらしいから別にいいと。めちゃくちゃ嫌そうに言っていた。
俺たちからすれば何のメリットもないから、俺たちもめちゃくちゃ嫌に聞いていた。
ミアだけは何故か凄い嬉しそうだったが。
後書き)
ここまで読んだ人いる?
この怒涛の7000字を読んだ人いる? いるならあなたは立派な読者よ。(オネエ声)
気付いた人がいるかわからないけど、この植物園編のテーマは植物と動物の違い。
どっかで動物って眠っている状態がメインでは? みたいな話を聞いてから書こうと思いました。
眠っているって植物みたいじゃね? って繋げてね。
そこから植物が起源だとして動物が生まれたという世界観?みたいなものができた。
異世界だから可能性としてはアリだけど、これが真実かどうかは知らない。
あれはシユウが植物になったときにみた夢かもしれないし、大地の記憶かもしれない。
あとは植物って動かないで生きてられるなら楽じゃね?というのもある。
ただ生きるためだけなら植物でもいい。人間の中にも植物のように生きたい、あるいはそういう風な運命を持ってしまった人もいるかもしれない。
植物園ではそれが叶う。
個人的にいい表現できたポイント、巨大樹の歪さ。
普通の植物は身を守るために樹皮を纏って、いや普通の生物は大事な部位を隠すようにできている。(そうでない生物がいるかもしれないけど、だいたいそうだろ?)
ただ巨大樹はそうではなく、心臓である果実を樹の中ではなく、外に出している。その代わりに罠があったわけだが、あんなのは非効率的だろう。
巨大樹とは植物園、動物を植物にしたい主義の王だ。それが生物のルールから外れている。
これはすなわち、その考え方が自然的じゃない。植物とは自然のものであるのに。
いわば動物と変わらないよと。
みたいなところがいい表現できたポイント。
あと、いくつか気づいたら面白いかもしれないポイントはあるよ。
読むのが好きな人は読み返してみてね。(書いてる内容が矛盾してなければいいけども)
ということで植物編は終わりです。
この3章はこんな感じで哲学ばかりやります。
てかそもそもこの作品って全体的にそうだけども。




