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〜転生者達の傭兵国家〜  作者: あぱ
軍人少女
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定期考査恒例のカリナvsランドの対決は今年度もランド一位でスタートを切った。エリスはというと、


「すごい。また一位なんだね、エリスちゃんとガイアス様!」


正直いって私は、狡をしているようなものだ。スキルの余韻なのか勝手に脳から情報が出てくるのでだいたい解けてしまう。


「二人とも学園祭の仕事があるのにすごいね。わたしは点数が落ちちゃったよ」


しょぼんとしてしまったアリスを見てエリスは慌てる。


「まだ次があるから大丈夫だよ。元気出して! 甘いものでも食べに行こう?」

「うん。そうだよね! とりあえず今は魔導大会を目標に頑張るよ!」


こういうポジティブさがヒロインに相応しいと思いながら、彼女も次に待ち受ける課題を脳裏に浮かべた。

魔導大会は、クラスから数名しか出れないので選ばれるのも大変だ


二週間の休みで、学園祭の打ち合わせで集まる日が三日。

オフシーズンの冬ならば、それくらい簡単に時間を取れるのだが、残念なことに日が高い季節は忙しい。

自分にしか出来ない仕事があるので、下手すれば二週間以上かかる仕事量が降ってくる。


「私も頑張る」


人とはまた違うバトルがすぐそこに迫っていた。






「やぁノルおはよう。お疲れ様。そしてこれからよろしくお願いします」


帰省して真っ先に自分の執務室に転移したエリス。戦いは既に始まっている。


「私、どうしてもこの日は学生に戻らないといけないから、把握しておいて欲しい」

「は、はい」


戻って来て早々、慌ただしく作業を始めるエリスに呆気に取れながら、ノル達は彼女が戻って来たことに喜びを感じていた。


「あの、団長。学校は——」


土産話も楽しみにしていたノルなのだが、報告書に高速で目を通す彼女からは、少し殺気に似たようなものが漏れており、口をつぐむ。ふと目線を下げるとエリスから受け取った紙には「死んでもこの日は仕事をしない!!」と大きな文字が。


「え。三日間もですか?!」


三つ並んだ曜日に、ノルは思わず声を上げる。

副官を勤めている彼だからこそ、この二週間の帰省がどれだけ貴重な時間なのか彼は知っている。何せ、シュヴァルツ「団長」はこの国のエースオブエース。生きる伝説なのだ。

与えられる任務は危険度も難易度も馬鹿にならない。


「学園祭の打ち合わせがあるんだ。メンバーはフルVIP。行くって言っちゃったからには、天地が翻っても行くしかない」

「団長……」


覚悟を決めたエリスは、戦士の目をしていた。


彼女は次に、自分の任務報告のために参謀本部に向かう。いつもなら乗り気がしなくて、直ぐに行けないのだが、この時のエリスは違った。


「早いな。さっき終業式が終わったばかりだと思ったんだが?」

「ハッ。時間には限りがありますので、一分一秒たりとも無駄にはできません」

「それもそうだね」


果敢に総帥と対峙する。さっさと本題に入って、さっさとお暇させてもらう。

報告を終え、エリスは総帥の言葉を待つ。


「これが休み中にやっておいて欲しいことだ。まだ深層100層以降については未開な部分が多過ぎる。こちらを優先し、教授と研究を進めてくれ。あと開発部からも色々と打診があった。意見が聞きたいようだから、そちらにも顔を出して欲しい」

「かしこまりました」


そうと決まれば、後は片っ端から終わらせるのみ。

彼女は自分のデスクに戻ると、早速スケジュールを立てて行く。


「よしっ。じゃあ、だいたいこれで動くから。後は頼んだ!」

「ハイ」


エリスはまた別の部屋に移ると、戦闘服に着替える。

初っ端からダンジョンに行くのも、本当ならやりたがらないことなのだが、目の前に佇む障害はとにかく排除するのみ。

彼女は、この前の神の力を得た事により更に強くなったので戦闘を始める前にステータスを確認する。


【名前】  シュヴァルツ「アリス」

【種族】  超越者( 人間)

【年齢】  14

【職業】  軍人 学生

【レベル】 ----

【称号】  人外


【攻撃力】 ----

【防御力】 ----

【魔力】  ----

【素早さ】 ----

【魅力】  50「80」

【運】   50


【スキル】

天理眼


(うそ、数字が見えない…私更に強くなっちゃったの?どうしよう殺し合いが出来ない…)


「ふふ、まぁいいや。ヤろうか!」

『グギャ』

天巌の槍(クレアシオン)


武器の名を呟くと空間がさけ槍が地面に突き刺さる。神々しく輝いており、深層を照らす。この武器は、悪神が神を素材として作ったらしい。魔物は、その武器とエリスの顔をみて慎重になる。エリスの今の表情をアリスらが見たら腰を抜かし漏らしてしまうかもしれない。それほどの狂気が瞳の奥に孕んでいた。


エリスは、学園で動き足りなかった分を取り返すかのように、新種だろうがなんだろうが倒しては魔石を回収し、回収したら調査書を書き、書き終えたら必要そうなサンプルをモルタの拠点に転移させる事が大事だ。


「はぁ疲れたー。家に帰りたいなー」


ここは、別の国なのでモルタからに来るには、必ず国の転移装置を通って来なければならないため、彼女はロスを省くためにこの国の拠点で寝泊りしている。休みのはずなのに、休めない。だが、これは楽しい学園生活を得た代償。

学生らしく友人と休日に会って、楽しく青春したいんだ! 


エリスは、鬱憤を晴らすかのように魔物を殺し尽くしていく。


「ほら、もっともっと!戦いを楽しもうよ!」


遠征最終日。地上とは全く異なる生態系にもそろそろ慣れたと思っていたのだが、まだまだダンジョンの奥は深い。

彼女は剣と銃を振り回しながら不満を糧に調査を進めていた。学園で楽しくお勉強していたエリスはそこにはいない。トレードマークになりつつあった前髪の編み込みなどせず、戦闘の邪魔にならないようにひとつに髪を束ねるのみ。

いつだったか、アリスに髪を伸ばした姿が見たいと言われたが、長いと乾かすのにも時間がかかるし、傷みやすいので、結べる程度までしか伸ばさないのだ。


彼女は倒した魔物から、輝く石を取り出してスキルで拠点に送る。魔物は人間を食べることで知恵を得るはずなのだが、奥に進めば進むほど、どうにも頭を使って生息している個体が増えている気がしてならない。


(今それを教授に言ったら、絶対帰してもらえない……)


エリスは彼女が気がつくまで、まだ黙っておこうと心に決める。きりが良いところまで調査を終えて、エリスは拠点に移動した。


「お疲れ様です。団長」

「お疲れ様です……」


これでやっとモルタに帰ることができる。

彼女はシャワーを浴びてから、転移装置に乗ってモルタへと帰還した。


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