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〜転生者達の傭兵国家〜  作者: あぱ
悪神
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その後、いくつかのクラブの説明を受けた。次の目的地に向って、廊下を歩いている。


「ここが最後よ」


 エリシアはそう言って、部室のドアを開けた。広めの運動ができる部屋の中で待っていたのは、アレク マリン ソフィア レックだった。4人は椅子に座ってマッタリしていた。


「ん?ここはなんのクラブ?勇者パーティーが揃いも揃って」


 私は勇者パーティーが揃っていることに違和感を持つ。


「ここは攻略部よ。迷宮攻略を目的としたクラブ」


 エリシアが笑顔で話す。


「ここに連れ込むのがエリシアの目的らしいですよ〜」


マリンが怪しい飲み物を啜りながら話す。


「マリンその飲み物飲んで大丈夫?」

「あ、これですか?魔力が増える飲み物です」

「誰が作ったのよ」

「私ですが?」

「はぁー.....大丈夫かしら」


エリシアはマリンの飲んでいる飲み物が大丈夫かどうか心配していた。


「最初にここに連れてきたほうが手っ取り早かったんじゃないか?」


 レックが聞く。さっきまで別の部屋で体を鍛えていたため体を洗ったのか肩にタオルをかけていた。


「一通り説明しないとフェアではないからね」


 エリシアがまじめ腐って答えた。


「どうせ兼部できるんですから」


 ソフィアがまあまあとなだめている。ようは私をこの部に勧誘したいということだろうか。


「どうしてまた、俺に?転校してきたばっかりだし俺じゃなくてもいいんじゃないの?」


 私が尋ねるとエリシアが頷く。


「マリンから聞いたら魔法が上手って聞いたから貴方を誘ったの。私達と同じくらいの強さじゃないと攻略は無理だしね」


 勇者と互角の力が必要と言うだけで、相当絞られるのは間違いない。攻略部を作った直後は入部希望者が殺到した。迷宮を攻略出来れば金になるやつだって自分が強くなりするから当たり前だろう。ましてや性欲に踊らされる人間の男が食いつくのは仕方がないだろう。ただ、テストをしたらみんな不合格。勇者の仲間になるというのは簡単なことではなかったようだ。は減っていった。


「どうかしら? 迷宮攻略に興味ない?」


 エリシアがおずおずと聞いてくる。これまで散々断られまくっているのだろう。そのせいかなんか弱気になっている。


「いいねぇー」


 私がそう答えると、エリシアは満面の笑みを浮かべた。


「よかった!」

「やる気があっても実力がなければだめだけどね」


 アレクが剣を構える。


「というわけで実力を試させてもらうよ!」

「ってうおぅ。魔法使いに剣士が挑むって」

「そんなんダンジョンで通用しないし!」


これだがら人がすくなるのではないだろうかとルークは考えたけど気にしないようにした。


(うーん倒しちゃったらまずいよね。なら)


「風の精霊よ我を守り給え !ウィンドシールド」

「いいたいおうりょくじゃん!いくよ!」


さすが勇者パーティーの剣士だ、うまく相手を重症をおわせないように攻撃を仕掛けてくる。私はそんなのお構い無しに魔法を発動させる。詠唱めんどくさいがしっかりとやる。


「風の精霊よ爆風を呼び起こし、敵影を空へと吹き飛ばし殲滅せよ。ヴィグニア!」

「くっ、マジかよやるじゃねーか!」

「えぇーこれで倒せないんですか降参で」


「へぇーやるじゃねーか」

「そうですね〜合格でいいんじゃないでしょうか?」


「そうね……では合格で」


 エリシアがこちらに確認を取ってきた私は頷いた。


「これからよろしく」


「よろしくねー」


そのまま次の日になった。

今は教室で友達作りを頑張っている。


「こんにちはガルシオンくん」

「おぉお前は確か転校生のルークだっけか?どうした?」

「友達が欲しくてさみんなに声をかけてるんだ」

「そうなのかじゃあ今度面白いやつをしょうかいしてやるよ!」

「ほんとかい?ありがとう!」

「この学校は慣れたか?」

「うーんそこそこかな?やっぱり俺勉強なんかしたこと無かったから分からないことだらけでさ」

「確かにこの学校の勉強はレベル高いからな。貴族とかもいるから」

「そうなんだ。ありがとう」

「おぅよ!って時間だじゃーなー」

「あ、うん」


ガルシオンは時計を確認して教室に戻っていった。顔が不良だが真面目らしい。


「あ、あのすこしいいですか?」


女の子が声をかけてきた。このクラスの女子じゃないと思われる。


「どうした?」

「あ、あのえーと良かったら今度ご飯に行きませんか?」

「あーその事かーごめんよ。俺家遠いいから遊べないんだよ」

「そ、そうですか、すいませんでした」


名前も聞けずに女の子は消えていった。


「うわぁ〜女の子を泣かせるなんて最低ですね〜」


後ろから声がかかるこの声は聞いたことがある。マリンだ。


「しょうがないだろう、家が遠いいだし」

「転移を使えるですし関係ないでしょ」

「あちゃ忘れてた」

「本当は知ってて断りましたよね」

「そんなことないよ?」

「まぁーいいです。そろそろ授業ですよ」

「うお、まじじゃん」


俺はマリンに言われて時計を確認すると時間だっため教室に戻った。教室ではほとんどのひとが座っていた。

今日は2時間で授業が終わる予定なので楽しみだ。

1時間目は数学だ。


「はい、席に付けー。授業を始める。えーとこの前の続きからだからえーとここからか。p189ページ開けー」


クソつまらない授業が終わり休憩時間になった。


「はぁー疲れたー」

「まだ1時間目だよ?」


机に突っ伏せているとエリシアに声をかけられた。


「数学嫌い難しい」

「今まで勉強してなかったからしょうがないでしょう」

「そうでしょ」

「それでも、早いですよ」

「えぇー」


そんな雑談をしていると授業の時間は始まってしまった。


次はは社会の時間だ。


「今日も全員出席偉いな。それでは始めようかな。

今日は歴史についてやるからp100を開け」

社会の教科書は分厚いため開くのがめんどくさいがしょうがないため開く。


有史以来、人類と魔族の戦いは50度を越えている。本当はもっとあるのだが古代文明が滅びたと共にその事も忘れ去られてしまった。そのすべてで人類が勝利してきたわけではない。

 魔族に敗北し、支配を受ける。あるいは滅亡寸前にまで追い詰められるということが幾度かあった。私は魔族が支配する世界も中々見応えがあったので結構好きだった。

今から120年前このときも人類は危機に瀕していた。


10番目の大厄災 厄災とはそのままで魔王が誕生し人間が絶滅寸前まで追いやられたことをいみする。それが120年前の魔王誕生で起きた。

 

 いくつもの国が滅ぼされ、世界のほとんどが魔族に蹂躙された。人類は最後の決戦を挑んだ。ここよりもビザンツ帝国東にあるにある地ミッシェル。その決戦において勇者パーティの生き残り、大賢王メイソンが魔王に特攻をかけ、見事に討ち取ったとされている。


「その魔王を討ち取ったメイソン様こそこの学園の現理事長である」


 社会教諭のオルスデット先生が感慨深げに語る。

この先生は物語り調で歴史を語る。なかなか面白い先生のようだ。吟遊詩人をやった方がいいと思った。


そんなこんなで授業は終わった。中々面白い授業だった。

大分違う部分もあったが、人間の都合が悪いところは教えなかったり変えたりするので違くなるのはしょうがないだろう。


座学が終わると、俺は帰る準備をする。冒険者ギルドに登録しに行くのだ。迷宮を攻略するにあたって、冒険者登録しておいたほうが何かと便利らしい。そして冒険者ギルドと言ったら可愛い女の人がいるから行きたかったのだ。


「一人で大丈夫?」


エリシアは心配そうに声を掛けてくる。こいつ良い奴やん、だから勇者になれたのか?でもたまにクソみたいな性格の勇者もいるし何が基準か分からん!


「何も問題ないよー」


 ゆえに私はは丁重に断った。


 冒険者ギルドは、エステール学園からそれほど遠くない繁華街にあった。卒業生も多数在籍しているらしい。


 学園の冒険者コースの卒業者は、その多くが冒険者となる。あるいは国の騎士になる者もいるし、特定の貴族に仕えたりもする。


 冒険者登録は基本実力があれば幼児でもできるらしい。そんな過酷な運命を背負った幼児がいるから別として。

 冒険者ギルドは3階建ての大きな建物であった。

 中に入ると正面には受付があり、18歳くらいの女性が座っていた。黒髪のセミロングの髪で、なにやら熱心に書類を作成している。私のタイプかも。


「あの……」


「どうしました? 仕事の依頼かしら。それとも冒険者志望ですか?」


「エステールの学生さんですね」

「はい、冒険者登録したいのですが……」


「覇気がちょっと足りないですね。冒険者は簡単な仕事ではないのですよ」


私の肩に何かが置かれた。

置かれた方へ振り向くと、そこには一人の大男の手が俺の肩に置かれてた。良く見ると、更に二人の男が大男の真後ろにいた。こ、これは伝説のテンプレ?


「おいクソガキ!おめぁ俺エレナと喋りすぎなんだよ!あぁ!?なあエレナ!こんな武器も持っていないクソガキの相手してないで、俺達と相手しようぜぇなあ!?俺たちが先輩として面倒みてやる…ぜっ!」


私の肩に置いてた手を一旦どけ、そのまま顔に向けて殴りかかってきた。それを避けた。遅いな…


「っち!このガキ面倒見るって言ったのに一丁前にかわしやがって!おいてめぇら!こいつに先輩方からの教育を見せやがれ!」


大男の真後ろに居た、チンピラ二人が私のの左右から殴りかかってくる。既に面倒くさくなった私は、早々に終わらせる為。


『止まれ』

「あぁんっ?」


その瞬間、世界の時間が止まった。受付嬢エレナが涙目になりながら両手で口を押えてる表情も、チンピラが勝ち誇った顔も、酒を飲みながらこちらの様子を見て楽しんでる顔も、すべて制止した。


私はデコピンを食らわせた。受けたチンピラ達は数ミリ後ろに動いたがそっれきり動かなかった。


「ぐっぅ、ががあああぁあああが!」


魔法を解除すると、ピンボールのように、私の左から殴りかかっていたチンピラは冒険者たちが飲み食いしてる方へぶっ飛びテーブルを壊しながらバーカウンターに強烈な音を立てながら止まった。右から殴りかかってきたチンピラは掲示板が設置されてるすぐ傍の壁に穴を開け、隣の建物に吹っ飛んでいった。一番もろに衝撃波を食らったチンピラボスは、そのまま猛烈な速度で出口からメインストリートへ吹っ飛んだ。いきなりの事態に一気に静かになったギルド内。誰も状況が理解出来なかった。


「じゃあ続きをよろしく」


「へ?…え、ええっと…はい。わ、分かりました」


今だに口を開けポカーンとしているエレナに声をかけた。


「あ、あのガキ何者だ…?」


そんな声が聞こえるか無視をした。


 冒険者登録は至極簡単。特殊な解析ができる水晶を触るだけだった。


「はい。これであなたの生体データが登録されました。あとは個人情報をインプットしていくだけです」


 名前、性別、出身地その他のことを聞かれる。


「名前はルークといいます」

「はい。これであなたのデータは登録されました。ああ、それと……」


 エレナは別の水晶を取り出す。これは強さに関する数値をいくつか測定する水晶だそうだ。

 他人に強さを知られるのを嫌う奴もいるから、強制ではないとのこと。


 私もどっちかといえば、知られたくない側ではある。でもどこまでデータを調べられるのかが気になったので水晶を触ってみた。


「え・・・」


  魔力を出すのを忘れていたためこの測定不能になってしまった。

普通の人間は魔力をゼロにすることは不可能だなのでその漏れ出てる魔力から計算して算出されるのが強さとなる。これが凄いところは手に当てただけで身体能力が数字で表されるところだ。だいたい当たっている。


 私の膨大な魔力からほんの少しだけ放出する。


「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」


 エレナが悲鳴を上げた。


 エレナだけではない。冒険者の中にも頭を押さえる者が続出した。中には気絶したものもいる。冒険者ギルド1階は大騒ぎになった。強すぎる魔力は相手に威圧となるため、ほんの少しの魔力でも私と冒険者の魔力の質が違いすぎるためこうなってしまった。


「おいおいなんだ今の、恐ろしい気配がしたぞ!」


後ろの男も酔いが吹っ飛んだようで立ち上がる。


「ああ、あんな気配生まれて初めてだ」

「俺は魔王を遠くから見たこともあるが、あの時と同じ……いやそれ以上だぞ!」


 彼らは騒いでいるが発生源の特定は出来なかったようだ。


「エレナさんどうかしましたか?」


 私はオーレッタに声をかけるが、反応はない彼女は口から泡を吹き、白目を剥いて気絶していた。イかせたみたいになってしまった。この顔でも可愛いとはなんということでしょう!彼女の下半身はそのときに漏れ出たもので濡れていた。


 彼女は私の一番近くにいた。そのせいで私の人間とは違う魔力の影響を最も受けてしまったのだ。冒険者でもない彼女には強すぎる刺激であった。


 騒ぎを受けて他の階のスタッフがやってくる。エレナは女性スタッフに運ばれていった。


 私はちらりと水晶を見る。水晶が砂のようになっていた。


 冒険者ギルドの喧騒はまだ収まりそうもない。

私はそれを尻目に、建物をあとにした。


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