3の26
保健室のベットの上でエリスは、寝ていた。
「大丈夫か?」
「はい、申し訳ありません。まさか毒が入っているとは、思わず警戒を怠りました」
この時でも、真面目なエリスにファルスは、複雑な心境になる。
「幸い、私が一番にそれを口にしたので殿下方が毒を摂ることはありませんでした。調べたところ、シロナが使用した砂糖に毒が混じったものがゴミ箱に廃棄されていたのを回収しました」
ベットから起き上がり回収してきた毒物をおく。ファルスは厳しい顔つきに変わる。
「恐れていた事が起こってしまったな」
今年は特に最大の注意を払って安全を確保していたのに、このような事態が起こってしまった。
(まさか本当に彼女の出番が来てしまうとは)
エリスには学生として学園生活を楽しんで欲しかったのに、どうやらそれは難しそうである。彼女を心配していた
ファルスは溜息を吐く。
「確証はありませんが、恐らくハイペリオン嬢に罪を着せようとしている者がいます。先日殿下と彼女が仲睦まじいところに殺気を感じました」
「君が言うんだ。きっとその可能性が高いんだろう。目星が着くまで、この件はわたしと君で探る。負担を掛けるが頼むよ」
「ハッ」
姿勢を正して返事をするエリスを見て、ファルスは目を細める。影では『月魄』なんて通り名まで持つエリス・フローリア。彼女は手足が無くなっても、物ともせずに戦い抜く戦士だ。かつて病棟でエリスの損傷を見たことがある
ファルスは、死を恐れないで戦う彼女に畏怖を抱いた。
身体の傷は治っても、精神的な傷は癒される訳では無いのに。
あの時からファルスは彼女を学園に入学させようと決めていた。そのままでは人格に問題が出てくるのでは無いかと不安に思っていたのだ。
しかし実際、彼女が入学してみれば、優等生で心配するところが何もない。友人関係もうまくいっているし、しっかり任務もこなしている。まるで彼女は小さな大人だ。
ここまで頼りになる人材はそういない。
ファルスはそう考えてハッとする。
(やめろ。彼女はわたしの生徒だ。道具なんかじゃない)
彼はじっと目の前にいる小さな少女を見た。
一体どうして、彼女がこの国最強の軍人だとわかるだろうか。まだ12年しか生きていない若い卵だ。自分が気が付かないところで、彼女も苦労をして来ているに違いない。
「困ったら、すぐに相談するように」
「はい。ありがとうございます、理事長先生」
ファルスは照れたように笑って転移して行ったエリスを、複雑な心境で見送った。
転移で家に戻るとアリスとシロナが私の自室で待っていた。
「あっ!エリスちゃん!もぅ大丈夫なの?」
「エリス…」
アリスは、いつもどうりだが瞳の奥が揺らいでおり、シロナは、不安で仕方がないのが伺える。
「ふふ、どうしたの?2人とも」
「どうしたも何も私は…私は、あなたを殺そうとしたのよ!?」
「なーんだそんなこと?私は、平気だし。シロナがそんな事するわけないじゃん。理事長先生が色々調べてくれてるから貴方ではないよ。この事は、あの時いた人しか知らないしね」
「でも…」
「シロナ様、エリスちゃんも無事だったんだし大丈夫ですよ!私も力になれませんてましたがこれを機にもっと頑張りますよ!」
「ふふ、そうね。エリス今回は、本当にごめんね。次からは、気おつけるわ。」
「はい。でもシロナ毒があっても美味しかったですよ」
「もうっ!今度は毒が入ってないか確認した上で作るね!」
「「やったー!」」
エリスとアリスは、シロナの手料理クッキーを食べれることに喜んだ。
「もう夜遅いですし。寝ましょうか」
「そうだね!もう眠いよー!…」
そう言いアリスは、一瞬で寝てしまった。
「ハハっ、いつもアリスちゃんはこんな感じなの?」
「うん…。寝るの早すぎだよね」
スヤスヤねるアリスの顔をみながら気まずい空気が流れる。シロナからしたら毒殺しかけた相手なのだ気まづいのは当たり前だろう。
「シロナ心配しないで?私は、元気だから」
「…だって、私は…」
収まりそうにないのでシロナに私はスキルを使う。寝てもらった。明日になれば落ち着くだろう。
「はぁまさか私が毒で死にそうになるなんて。相手が分かれば今すぐにも殺しに行くのに。はぁ寝よ」




