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私は何とか怒ったエリシアの怒りを沈めてから様々な活動の場を紹介してもらった。名前は自由のようで、様々な名称があった。
次に紹介してもらったのは。筋肉マッチョが沢山いる部屋だった。
「ここはレックを中心に将来タンクなどをやりたい人が力を付けるところよ。トレーニングルームって言い換えた方がいいかしら?」
「凄い筋肉だね」
「私はそんなに筋肉つけでどこがいいのか分からないわ」
女子だから当たり前だろうかって言おうとしたら自分も元女子なのを忘れていた。
「お、エリシア来たか!ってそいつは転校生か?」
「そうよ、私がこの学校のクラブとかを紹介してるの」
「どうもルークです」
「おれはレックだ。一応勇者パーティーに入れさせてもらってるぜ。よろしく」
「よろしく」
「どうだ、お前も体鍛えねーか!」
「いや、遠慮しときます」
「おいおい男は体が鍛えてこそいいんだぜ?」
「はいはい、そこまで。まだ紹介したい所が何個かあるから次行くわよ」
「じゃなー」
次に来たところはここはよくわからない薬品や素材が置いてある実験室。マリンが一人で試験管に入った紫の謎の液体を振っていた。白衣を着ていた。その白衣もずいぶん汚れている。熱心に活動している証拠だろう。日本の化学部の先生にもいたわね。
「エリシアさん〜どうしましたの〜?」
「新しく入ったわけでしょ?だがらこの学校のクラブ紹介してるわけよ」
「あ〜そういうわけですか」
マリンはこちらを横目でチラッと一瞥いちべつしたのみで、実験を続けながら話す。王女様にそのような態度でいいのかと謎が残る。
「ここは魔法学部。」
「家でも〜できるのですが〜学校の方が1人で静かにできるのでここをいつも使ってますね〜。今は昔に栄えたと言われている遺物を作ってるところです〜」
マリンの説明を聞きながら、私は実験室を見渡す。
遺物が多々、乱雑においてあった。遺物作成には失敗が付き物である。転生者は良く化学と魔法を合体させようとしてそこらじゅうで爆発を起こしていたのを思い出した。
「そこにあるのは未完成と言うか〜失敗した遺物ですよ〜。爆発したり変な症状が出るかもです」
マリンはマイペースに喋る。この勇者パーティーは癖が強いのかもしれない。
「変な症状!?」
「うまくいかなかった作品ですからね〜何が起きてもおかしくないのですよ〜」
エリシアのツッコミをマリンは軽く受け流す。
「へぇ〜」
私は何気なく指輪を手に取った。
「それは魔力を1割上げるアイテムですね。正直ゴミですね〜」
「1割も行かないじゃね。それじゃ全く実感できないわね」
エリシアも頷いている。
「一応売りに出すなら4割って所がが最低ラインです〜。6割あれば1級品。8割で伝説のアイテムって感じですかね〜」
「なるほど」
私は権能を使って少し改造した。私たち神族は道具は使わないのでこういうことをするのは初めてだが、何となくでやってみた。
「これはどう?」
マリンにその改良した指輪を差し出す。
「いや、だからこれはダメな遺物……てぇっ!?」
先ほどまでとは打って変わって、すさまじい輝きを放つ指輪にマリンはは驚く。
「嘘……身体能力が6割アップする?」
「ええ!?身体能力が6割が上がるなんてありえるの?」
エリシアも驚いている。マリンはその指輪をはめて確かめた。
「うん、間違いなく上がってます。こんな遺物に気付かなかったなんて……私天才でしょうかってあれ?.......」
マリンはちょっと嬉しそうにしていた。しかし、その顔がだんだん上気していく。
「なんか顔が赤いけど大丈夫?」
エリシアが心配して尋ねる。
「あぁ…///これ、もしかして副作用かもしれないですね」
遺物には失敗したりわざとデバフ効果をかける人もいるそれを私はやった。少し興奮するようにしたのだ。
「多少の副作用なら許容しないといけないですね。こんな遺物ありえないですからね〜」
「で、その副作用何なの?」
「これは何なんでしょうか〜……? 初めての感覚でちょっとよくわからないです〜。体がふわふわして頭がボーッとします〜」
そのマリンがふと私を見る。その瞬間さらに顔が真っ赤になり、ふらふらと私のほうに近寄ってきた。
「これはまさか……ああ、もうだめ! 耐えられない」
そのまま私に抱きついてくる。
「ちょっとなにしてんのよ!」
エリシアが非難しているのを聞き流しながら、私はは分析してみた。少し強すぎただろうか、人間が脆弱なのを忘れていた。
「ごめんなさいもう無理です。お願いします抱いてください。私を女にして」
「じゃあいこうか?」
「はいっ!」
マリンが目を潤うるませて、顔を上気させた状態で懇願する。ハァハァと荒い息も聞こえてきた、ため私は連れていこうとすると。
「なにやっとんじゃーい!」
エリシアがマリンの指輪を無理矢理はずして。指輪が外れた瞬間、ティライザは元の常態に戻る。そのままエリシアの勇者の力で蹴られ吹き飛ばされた。
"ドゴンっ"
「いったー!」
「なんという恐ろしい副作用……これはダメですね〜」
「危ないと思ったら自分で指輪はずしなさいよ」
「自分の意思でははずせないようになってます。だからもう無理って言ったんですよ」
「それは危ないわね……」
マリンは私をジト目で見る。
「変態!」
「男なら可愛い女の子にそんな目で見られたら誰でもそうなるよ!てか力入れすぎだよ、エリシア!」
「あなたが何もしないからでしょうが!」
「はい、すいません」
「お嫁にいけない体にされてしまった……」
「元から行く予定なんてないくせに」
エリシアがツッコムと、マリンは真顔に戻った。
マリンはエリシアが持っている指輪をじっと見る。
「え、なによ?」
「色々試したいのでエリシアもこの指輪してもらっていいですか〜?」
「嫌よ。なんで私まで……」
「この副作用が私だけの副作用かもしれないので〜、他の人にもつけてもらって、テストしないといけないんですよ〜。それに私は意志が強いほうじゃないですからね。意志力が高い勇者なら耐えれるのかもですし〜」
そういわれるとエリシには断れなかったようで、しぶしぶと指輪をはめる。
「んー。特になんとも……あっ」
効果が少し遅れてきたようで、エリシアがもじもじとし始めた。
「なにこれ……すごいドキドキする。胸が張り裂けそう」
エリシアの顔も赤らんでくる。
「でもこれなら問題なく使えるわね。戦闘なんて興奮状態でやるものだし」
意志力の高いエリシアには耐えれる誘惑のようだ。
「どうやら他の人も効果があるみたいですね。そこで男のルークさんを見ると?」
マリンに言われるままに私を見るエリシア。顔は火照っていて凄い色気がある。
「うわっ。さらにこうなるの……ぐぬぬぬぬぬ」
エリシアは必死に抵抗しているようだ。
「さすが勇者兼王女様。これに抵抗できるんですね」
マリンが賞賛し、拍手をしていた。王女だと関係あるのだろうか。しばらくは耐えていたエリシアだが、とうとう限界を迎える。
「ああっ! こんなの反則。だめっ。指輪もはずせないし」
そしてふらふらと私に近寄ってきて、飛びついてきた。
「ああぁん//……エリはもう我慢できません。どうかお情けを下さりませ」
身長差はそこまで変わらないので、エリシアが耳元でささやく。さすがにこんなことを言われると女私でもドキドキした。
国ナンバー1の美少女と評判の第一王女。その娘が私に体を押し付け、ベッドに誘ってくる。当然柔らかい二つのふくらみがあたっている。これで行かない男は男じゃねー!よし行こう。
ユーフィリアは潤うるんだ瞳で俺の目を見ると、その柔らかそうな唇を俺の唇に近づけてくる。甘い香りが漂う。
あと数ミリってところでマリンが指輪を引きぬていてしまった。
「くそっお!」
「いやあああああああああああああああ!」
指輪が外れると、エリシアは頭を抱えて絶叫した。おれも発狂した。
「こんなのもうお嫁にいけない……」
「第一王女がお嫁に行けないとか王家の一大事ですね」
「あんたのせいでしょ!引き抜くの遅くない!?」
「なかなかこんな姿のエリシアを見れませんからね〜」
大して謝ってない態度のエリシアである。この女相当神経が図太いな。
「それに指輪を引き抜かないのはあっちも同罪だって嬉しそうな顔してたましたし〜。あとさっき悔しがってましたからね〜?」
そして俺を指差す。
「確かに……」
恥ずかしさが怒りに変わったのだろう、顔が怒りの表情に満ち溢れていた。
「ちょっと落ち着いて誤解!ゴ八ッ」
エリシアの右ストレートが私の顔面にめり込み化学室の壁に頭からめり込んだ。
悪神に生まれてよかった。ただの人なら間違いなく死んでたね。
「大体なんであんたにだけ発情するのよ!」
エリシアの怒りはまだ完全には静まっていない。剣まで出そうとしている。やばい怖い。
「落ち着いてください〜。地が出てますよ〜」
マリンに指摘されて、エリシアははっとする。まあ人間怒れば口調もわかるものだ。
私は終始、エリシアとマリンに変態と言われ続けるのであった。
(やばい私別の趣味が出来ちゃいそう)
当の本人は呑気な考えをしていた。