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「うぅ疲れたーまさか総帥の息子と踊ることになるなんて」
歓迎会は、終わったがアリスは、他の人と話していたので邪魔をしないように部屋待って帰ってきた。
今から温泉に行くのは面倒なので家の中でお風呂に入ることにする。
「アリスも上手くやれてるようだし良かった」
「ただいま。エリスちゃん」
アリスは、すこし疲れた様な声をしながら帰ってきた。
エリスは、脱衣所にいたため脱衣所から「おかえり」と言う。
「あ、お風呂こっちではいるの?」
エリスはさっさと服を脱ぐ。
「ヒッ!!」
上着を両手でめくりあげたとき、まるでお化けでも見たような声が聞こえて、そちらを振り返ると、お嬢さまがたが顔面蒼白。何に怯えているのかわからず首を傾げ、アリスをみた。すると、彼女も大きく目を見開き、自分を見つめているではないか。
何か変なものでもついているのかな? と、エリスは身体を確認したが、脇腹にあるダンジョンの魔物からもらった赤黒い傷以外におかしな点は見当たらない。
「あ……」
そんな傷があるのは、おかしいことなのだとそこで気がついた。この傷だけは、治癒師に治してもらっても治らない。すっかり自分の一部になっていたので、エリスは何とも思っていなかった。服にかけた手を、慌てて下ろす。
「いやー。お見苦しいものを。……アリスは銭湯でゆっくりしておいで!私は家の風呂をいただくよ」
「エリスちゃん……」
アリスがそれは悲しい顔をするが、そんな顔で見ない欲しい。母性がくすぐられる。
(あなたにそんな顔をさせた張本人は私ですが、頭を撫でてもいいですか?!)
エリスはつい手を伸ばした。
「また後でね」
ヒロイン級(主人公)とでも言うべきアリスのモデル体型を、しっかりその目で確認してから出て行く。
アリスは、納得したのか悲しそうにしながら銭湯へ向かった。
「はぁやってしまった」
見られるとは、思わなかった。どうやら、気が緩んでいたらしい。
エリスは、お風呂に入りながらさっきの事を思い出す。
(もしかしたら、アリスに私の事を話した方があとから楽になるかもしれない。それだと、軍のことについて知られるかもしれないけど。いや、どうせバレるなら適当に誤魔化そう。)
「あ、おかえり。湯加減はどうだった?」
「気持ちよかったよ。それより、さっきの傷は……」
「昔やっちゃってね」
「……痛かったよね」
アリスは私の前に跪くと、手を取る。
彼女の瞳は慈悲深き聖女のそれだった。
「たまに傷が痛む時もあるけれど、大丈夫だよ」
「……星の癒しがあなたに届きますように」
アリスは祈りを口にした。その自然な流れは彼女が聖職者としての一面をもっていることを示している。
(孤児院に通いながら教会で働いたみたいね。神なんて、本当にいるのかしら?でも、あの人がいるってことはいるのか…)
「ありがとう」
「ううん。今のわたしにはこれくらいしかできなくて。ごめんね」
「気にしなくていいよ」
傷ひとつひとつに、当時を思い出させる記憶が刻まれている。
軍人ともあれば死と近いし、もちろん仲間が死ぬ時もある。
この傷がないと、その悲しみなどを忘れてしまいそうで、エリスは怖かった。
いつかボナールト大尉に「中佐は戦闘狂であります」なんて言われる日が来ないことを願う。
「そっか。エリスちゃんは強いんだね」
「そうでもないよ」
彼女はアリスに笑った。所詮、自分はただの怖がりでしかない。自分は生きてると実感したいから戦っている。
そして、誰にも殺されたくないから戦っていた。
相手を倒す 殺す ことでしか自分を証明出来ないのだ。
もう一人の自分とは、正反対だ。
アリスは立ち上がり、向かいにあるベッドに座った。どうやら本当にもう寝るらしい。
「明日から授業だね。ドキドキする」
「そうだね。座学もあるとは思うけれど、基本は魔法の使い方を実践で学ぶんだろうね。この学園を卒業したら、上級の認定証がもらえることになってるから」
「そっか。そうだよね」
この国では、魔石を所持するのに役所での手続きがいる。一般人では初級から中級までの魔法使用しか許されず、上級からは免許が必要となる。スキルを見つけている時点で、この学園に入っている生徒は皆、優秀な親御さんや家庭教師から、初級程度の魔石の使い方を知っていることは簡単に予想できる。そういう学生たちが集まるからこそ、この学園で学びを修めると、上級の免許が受理されるのだ。
(まあ、私、もう神級なんだけどね)
もちろん軍人なのに魔石が使えないのではお話にならないため、エリスは免許をすでに得ている。
なんなら、ここにいる誰より魔石の扱いをわかっているつもりだ。モルタ帝国のエース扱いなのだから。
まあ、佐官になるのに特級が必要だったので、エリスはすでに免許皆伝だ。噂話程度の神級を取っているのがエリスなのだが。
「明日から頑張ろうね」
「うん。頑張ろうね。先に寝ちゃうけれど、ごめんね。今日は星の光が強い日で、早く寝るしきたりがあるの」
「わかった。おやすみなさい。また明日ね」
「うん。星の光があなたを良い夢へ誘うことを」
アリスはもぞもぞベッドに潜っていく。アリスは、1人では、寝れないようなのでふたりで寝ることになった。
エリスは光が漏れないように真ん中のカーテンを閉める。
エリスは、日記を書き終えると、明かりを消して、静か
一日目終了とその前にある事をするためエリスは、アリスの頭に手を当てる。




