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「ここAクラス専用の学生住宅だ。女子が左側、男子が右側。真ん中には食堂に大浴場の大家などがある。門限は特にないが変な気は起こすなよ。」
そこには、街のように綺麗に家が並んでいた。さすがAクラスとなると一軒家らしい。
「真ん中の建物に寮母がいるから、部屋の場所とか聞けよー。あと、色々と経験するために、2人1組の部屋わけになっているから、仲良くするように」
先生はそういうと、真ん中の大きな建物に向かって再び歩き出す。思ったよりも、寮から校舎までが遠いので寝坊は要注意だ。
「さっきの大会場で六時半から歓迎会だ。各自正装してから、迷子にならないように余裕を持って来るんだぞー。それまでは自由にしていいから。部屋の魔道具から俺に話せるからそこから何か分からないことがあったら聞けよー」
解散の指示が出て、生徒たちは男女に分かれて寮母さんたちから鍵を受け取る。
エリスも列に並び、丸い眼鏡をかけた寮母さんと対面した。
「入学おめでとう」
「ありがとうございます。エリス・フローリアです」
「はい、どうぞ」
「5年間お世話になります」
「ふふ、こちらこそ。応援してるわ」
とっても気さくな寮母さんに、しおりの様な形の鍵をもらう。上の方に書かれた番号は、88番の家だった。先に受付を済ませたシロン、アリスと合流すると、驚いたことにアリスはエリスと同室だった。
「やったぁ。エリスちゃんと一緒なの嬉しい!」
「うん。私もアリスと一緒で良かったよ」
「いいわね。わたくしのルームメイトはどんな子かしら? ドキドキするわ」
シロナは92番の家家。かなり家が離れてしまった。
「シロンなら、きっとすぐに仲良くなれるよ」
「そうかしら?」
「ええ」
エリスはシロンを励ます。彼女は庶民にも声をかけてくれる器の広い人だ。ルームメイトとも上手くいくだろう。
(こうやって貴族サマに良い印象を付けておけば将来、良いことあるだろーな。なんか利用した様な形で申し訳ないけど)
「では、次は会場で会いましょう」
「はい」
私たちの家の前で別れてエリスとアリスは家の前に来た。近くに来ると、凄く綺麗なのが見て分かる。
「わぁ〜! 素敵!」
その部屋はエリスの自宅よりも広く、ベッドや机、クローゼット、キッチン、バスが完備されている。想像していたより派手さは無く、とても落ち着いた内装だ。ここでなら5年間寝泊まりしても息苦しくは無さそうだ。
真ん中でカーテンを閉めたとしても、圧迫感を与えず十分な広さがある。むしろ、広すぎるくらいだ。
「荷物を先に片付けないとね」
「うん!」
それぞれの部屋に別れ支度をする。私は文房具と普段着 制服 ローブ ドレスと割と多くないので直ぐに片付いたため、、アリスの部屋に行けとそれは、凄いことになっていた。
「うう、こんなにいらないのにー」
隣の部屋ではアリスが、包みから出した服や化粧品に小さな悲鳴をあげていた。
この部屋に置いてあった荷物の大半が彼女のものなのに、どうやら自分で用意した訳ではないらしい。エリスは不思議に思いつつ、落ちていたハンカチを拾い上げた。
(この紋章は…そうか、ちゃんと拾ってくれたんだね。)
真ん中にペガサスが佇み、羽の模様が4箇所に着いている。綺麗な紋章だった。
この紋章は私達のおじいさん。そして、私達のお母さんのお父さんである、ペンドラゴン家の当主である、ガノズバール・ペンドラゴンという伯爵家である。
(というか、無理やり過ぎないか?世界さん。私がいるのに私という存在を無視して、アリスという少女を作るなんて)
「どうぞ。これってペンドラゴン家の紋章だよね!もしかして、そこの孤児院で暮らしてきたの?」
彼女の細かい事情は分からないので聞いていみる。
「あ、ありがとう!そうなの。元々は別の孤児院で暮らしてたんだけどお爺様が私を見つけてくれて、お爺様が経営している孤児院で暮らしてたんだけど。色々あってここに入学することが出来たんだ!」
アリスの顔は苦笑いと、嬉し笑いが攻めぎあっていた。
エリスはそんなアリスを見てやっぱり、あの記憶はホントなんだと思った。同時に、アリスがこれから殿下を好きになってしまったらシロナはどうなるのだろうか記憶を辿ろうとしたが、ぼやけて思いだせいがあまりいいことではないとわかった。
「そうなんだ……。話してくれてありがとう。私も同じ事故で死んじゃったんだよね」
「え、そ、そうなの?」
「うん。でも、アリスと一緒で、私にも本当の家族みたいな人たちがいるから平気だよ」
エリスは、無意識にピアスを触る。軍の仲間を思い出して、ちょっぴり寂しくなったことは秘密だ。
「エリスちゃんっ。わたし、えりすちゃんとお友達になれてよかった!」
感極まった表情で、アリスはがばりとエリスに抱きついた。彼女も肩身が狭い思いをし、ここに来るのも不安でいっぱいだったのだろう。ぎゅーっと抱きしめられて、エリスの心かぽかする。
「私もだよ、アリス。これから5年間、辛いこともあるだろうけど一緒に頑張ろうね」
「うん!」
それから、アリスのドレスなどの片付けを手伝い、少しベットの上で話をした。
「ねぇ、アリス。ふたりで、時間になるまで、ここの敷地冒険してみない!?」
「冒険?」
「そう!私達ここ何も分からないからさ、ふたりでここら辺回らない?」
「それいいね!エリスちゃん!」
「じゃ、行こっか!」
お互いに部屋へ戻り、支度をする。そして、家をでて少し歩くと大きな建物へ入る。
「こっちが、庶民側のお風呂場だね。覗いてみる?」
「うん!どうせ、歓迎会の後入るんだし、覗いてもいいよね!」
風呂場のドアを開けるとそこには学校のお風呂なのかと疑うほどの大きいお風呂があった。これは、もはや銭湯と言うべきだろうか。
「お、おっきいね!」
「うん。これは、予想外」
アリスは、目を光らせ。エリスは、驚きに口が閉じない。魔術で幻影を作っているのか山々に囲まれたふろ場だった。今はちょうど夜なため上には星空がひろがに壮大な景色だった。
「お、君たちは1年生かな?見学しに来たの?」
女の人の声が聞こえてくる。先輩だろうか。
「すいません!景色に圧倒されてしまって。」
「ふふ、そうだよね。私も最初来た時は、圧倒されたさ。
さすが貴族サマが暮らす学園だよね。」
「はい!私の名前はアリス・ペンドラゴンです!名前を伺っても構いませんか?」
「あ、私の名前は、エリス・フローリアです!」
「私も庶民だからそんなに気遣わなくてもいいよ。あ、そうだ。ちょっとまっててな」
女の人は、湯船から立ち上がり、友達の名前をよぶ。
(綺麗だなー)
エリスは女の人を見る。炎のような赤い髪に鍛え抜かれた体がそこには、あった。少し経つと。
「お、来たな。」
「どうしたの…って、もしかして後輩ちゃん!?可愛いぃ!」
アリスとエリスを見た瞬間今来た先輩は、エリス達を見た瞬間、目を輝かせ見てくる。
「あ、あの!?」
「ちょっと、カリナ。後輩ちゃんが困てるよ」
「…あ、ごめんね。」
もう一人の女の先輩は、綺麗な白銀色の髪に真っ白な雪のような細い体をしていた。
「じゃあ、私達も自己紹介しようか。私は4年で名前は、ルナ・アローラ」
「次は、私だね。私も4年で名前は、カリナ・ダルリアよ」
「「よろしくお願いします!」」
同じ庶民とはいえ、先輩なのでしっかりと敬語を使い
挨拶をする。
「あの、ここってどうなってるんですか!?」
エリスは気づいたがアリスは、魔導について習うことはなかったと思うので仕方がないだろう。
「最初は、分からないよね。特別に私達が教えてあげましょう!」
「よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします。」
一応、エリスも聞くことにした。一般人は、魔導について習うことはないので、知らなくて当然だから。
「そういえば、時間は、大丈夫なの?そろそろ歓迎会のし 時間じゃないかしら?」
「今年は、例年よりも遅い時間にやるらしくて、まだ時間があるのでふたりでここら辺の事を知ろうとして、お風呂場を覗かせて頂いたんです。」
アリスは、隣でカリナさんの真剣に話を聞いているのでそっとしておいて私はルナさんに事情を伝えた。
「そうなのね。何かあったのかしら。今年は、蒼穹の年産まれの子供達や、殿下が、入学したからかしら。」
「そうなんですかね?」
「ふふ、貴方はここの幻影について気づいて見たいね」
「うっ…そうですね。ここまでの規模は、初めて見ますが。」
どうやらルナ先輩には、バレてしまったらしい。
「どうやら、優秀な人材が庶民にもいるみたいね。ふふふ」
「あ、あの?」
凄い熱気がルナさんから湧いている気がする。どうやら、貴族に何かしらの因縁があるようだ。
(卒業したら、私の部隊に誘ってみようかな?)
「あら、ごめんね。私すぐ熱くなっちゃうタイプなのよね。驚かせてごめんね」
「は、はい。」
「どう?貴方もお風呂入って行かない?」
「私、人と入るの苦手てで、すいません。慣れたらで、構いませんか?」
私には、少し躊躇する理由があった。
「そっか。確かにコンプレックスは、誰にもあるものだわ。じゃ、私たちは、上がるわね。カリナ上がるわよ。」
「ちょっと今いい所なのに。あ、ごめんね。また、教えてあげるはアリスちゃん!って痛いてー!」
カリナさんはルナさんに耳を引っ張られ風呂場から出ていってしまった。
「ここの景色についてわかった?」
「うん!さすが貴族様達が暮らしている学園だね!私もここの学園に恥じないように頑張らなくちゃ」
どうやらアリスは、気合いが入ったようだ。
「エリスちゃんは、るな先輩と話していたの?」
「うーんとね、ここの景色についてと、ここの学園について」
「そうなんだ!私達いい先輩に会えて良かったね!」
「うん!」
それから、お風呂場を後にし、食堂などを見て回った。
此処を回ると何回も驚かせる事になった。
食堂も高級レストランのような作りになっていたり、地下には、スキルの練習室などもあり、軍の施設と同等なものだってあった。ふたりで1時間くらい回ったぐらいで一旦辞めることにした。
「そろそろ、歓迎会の時間だし部屋に戻ろうか。」
「そうだね!」
そして、2人は家に戻り、歓迎会に向けて支度を始めた。




