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〜転生者達の傭兵国家〜  作者: あぱ
悪神
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「じゃあ授業を始めます。今日は実技ってことでこの前に習った事の復習から始めようかな?ルークくんは最初見てるだけでいいよ。あ、ルークくんは魔法士を目指してるんだっけか?」

「はい」

「おけ分かった。なら、マリン教えてあげて」

「え〜」

「よろしくお願いします」


私はマリンに教えてもらうことにした。賢者である彼女は魔法のプロと言っても過言ではないだろう。人間に限った話だが。人は魔族と違い1人で戦うより団体で戦うので面白い、私は思うままに魔法を使っていたの賢者様に習うことにしよう。


「え〜と〜ですね〜貴方は魔法属性があるのを知ってますか?」

「はい、一応」

「なら話ははやいです。我々人間は基本誰でも最初に使える魔法属性は1~2種類しかありません。例外はいますが。

そして魔法属性は炎 水 風 土と4種類わかれておりそのそこから枝分けるするかのように沢山の魔法属性が存在します」

「はい」

「そして魔法属性にはそれぞれ光と闇と別れており炎なら光が活性闇なら破壊など各属性にも光と闇の系統が分類されます」

「そうなんですか」

「そうです。そして魔法を行使するに必要な事はイメージとそれを補助する詠唱です。英称をすることによりイメージ力を高め魔法を発動することが出来ます」

「じゃあしっかりとしたイメージがあれば無詠唱でも魔法は使えるんですか?」

「理論上ではそうですが更に演算能力も必要なためイメージが出来ても発動出来ないです。そのための詠唱です」

「分かりました」

「では簡単な水魔法から行きましょう」

「私に続いてください」

「はい」

『命の源、清らかなる水よ、我が手に集えウォターボール』


「おぉ」

「上出来ですね。魔法士を目指す上にこの練習は必要不可欠です。頑張ってください。では」

「えっとちょっとー!」


基礎を教えるだけ教えてマリンはどこかに言ってしまった。


(自由人すぎるでしょう。嫌いじゃないけど)


私はサボってるのがバレないように詠唱をしながら練習を続けていると先生から声がかかった。


「よし、今日は1組に勝負をして貰う。んーと、、そこのーメイとサリナ前へ出ろ」

「「はい!」」


毎回やるかは分からないが今日は1体1の勝負をするらしい。

お互いに魔道具をつける。これは今はロストテクノロジーの1つでどのような攻撃でも3回は自身の身を守ってくれる魔道具で迷宮でしか手に入らないがこの学校は冒険者学校ということもあり沢山あるらしい。さすが世界でも有数の学校だ。


「では始め!」


「凍てつく氷の槍貫け! アイスランス」

「地の精霊よ我を守り給えアースウォール」


メイが放った10本の氷の槍をサリナが土魔法でそれを防ぐ。


「次はこっちの番!

土よ相手を我が相手を撃ち抜く弾丸となれアースバレット」

「ふっ!」


サリナが拳大の大きさの岩の塊をメイはよけ魔法を放つ。


「水の精霊よ集え猛る濁流の水流よ全てを洗いながし屈服させろ!ウォーターフラッド」

「火の精霊よ集え猛る灼熱の炎よ全てを焼き尽くし喰らいつくせファイアドラ」

「くぅっ」


メイが水の蛇の形をした洪水が押し寄せるががサリナが1枚上手のようで炎の龍の形したものに食われメイごと焼き尽くしたが、メイは生きていた。


(ふむ、さすが遺物だね。まさか死ぬとは行かないものの重症になるやつを肩代わりするとはさすがあの時代だわ。まぁー私はほぼ寝てたけど。それより中々魔法使うの上手いなー)


ルークは関心していたまさかただの人間がここまで上手く魔法を使うとは思わなかったからだ。

この世界の魔法の原理は詠唱を元に精霊を通して世界に思念を送って行使しているためコンピュータのような仕組みなので大体は決められた形しかできないのだが、それをサリナは本来少しデカい蛇サイズの魔法を龍のサイズにするのは中々難しいため感心していた。


「勝者サリナ!」

「おつかれ2人とも!」

「いい勝負だったわ!」


今いる人が2人の戦いに賞賛をおくる。


「メイおっしかったわね、まさかあそこまで魔力操作を上達させてるとは驚いたわ。そしてサリナまさか聖級の魔法を操るとは沢山練習をしたわね良かったわ。2人とも疲れてるだろうから後は休んでなさい。」

「はい!」

「わかりました」


そう言われ2人は練習場の端にあるスペースで椅子に座った。


「えーとじゃあ次はマリンとカリーナ」

「分かりましたわ」

「わかったー」

「マリンもう少しやる気出してください」

「はーい」


「では、始め!」


「雷よ一閃の光となり彼の者を貫け!サンダー」

「水の精霊よ大気に満ちる空気よ凍れ氷の刃となりて切り刻め!アイススピア」


マリンが素早い詠唱で攻撃を仕掛けるがカリーナは魔力障壁を張り氷の魔法で大気の水分を凍らせ針をつくりマリンへ向かって無数の針を襲わせる。だが、マリンは冷静に対応した。


「森羅万象全ての在るものよ無と還れ破壊の炎よ来たれ

ファイアブレス!」


この魔法は火魔法の中でも闇属性で破壊をいみする、

全ての氷の針が焼き尽くされた。


「まだまだ!蒼き水の波紋我が足元に広がれ其れよ我が敵を打ち倒す槍と成せ」


魔法陣が俺たち観客席ギリギリまで多い絶え間なく氷の槍がマリンを覆った。


「さすがカリーナやるやね〜でも少し甘いよ〜

今ここに古より蘇れ蒼き炎よ純粋なる穢れなき炎全てを破壊せよヴァンフレア」

「う、うそー」

その氷の槍すら一瞬で溶かしカリーナも蒼き炎に焼き尽くされた。


「はい、終わり!お疲れ様〜」

「また強くなりましか?マリンさん」

「そうですか〜?」

「はいはい、授業終わりにするから集合ー」


ちょうどチャイムがなった頃で集合の声がかかり授業が終わった。教室に戻る道ではマリンに沢山人が集まっていた


「マリンあの魔法って帝級じゃないの!?」

「ホントよね!すごいよ!」

「さすが賢者だね!」

「う〜くるちぃー」


マリンは生徒に押しつぶされ苦しそうにしていた。


(確かに私と戦った時より更に魔法の発動速度や強さが上がっていたわね。ふふっまた戦うことになったら楽しめそうね)


マリンはルーナに負けてから眠らず魔法の研究をずっと続けて強くなろうとしていた。

この後は選択制で自由時間みたいなめのだ。

体を鍛える者、各種武器の訓練をする者、魔法を学ぶ者。

冒険者の幅は広い。それゆえクラス全員が一緒に何かをするということはあまりない。

もちろん何をするかは各自決めてよい。

出欠など取らないところも多いので、サボろうと思えばサボれる。ただ、サボろうとする者などほとんどいないだろう。

ここは定期的に魔王が発生する世界。鍛錬を怠るのは結局自分に跳ね返ってくる。まして、そんな世界で冒険者を志した者が集まっているのだから。


 私は今日転校してきたばかり。どういうのがあるのかイマイチわかっていない。さてどうしたものかなと思案にふけていると、前から声がかかった。


「ルーク君はこのあとの予定とかあるの?」


 エリシアである。


「ルークでいいよ。あ、もしくはルーくんでも」

「私はエリシアでいいわ」


 サラッと流された気がするが気のせいだろう。うん、そうだ気のせいだ。


「んで、予定は何もないよ」

「よかったらめぼしいクラブの案内をしようか?」

「できればお願いしたいです」


 わたりに船だったので私は頭を下げた。


「エリシアさんは優しいですね」


 ソフィアが言う


「そのようですね。誰にも平等の〜エリシアですからね〜」


 マリンが誇らしげに言っている。エリシアは多少の用事があるようで、あとで合流する約束をして別れた。


 その後、遠くからこちらを窺うかがっていた男がやってくる。


「おいちょっと面かせや」


 かなりの喧嘩腰で私は別の場所に連れ出した。私はその男に見覚えはない。 


(これはまさか犯される!?私 今男の体よね?)


ルーナはどこが嬉しそうにしてるがまさか自分が対象にされるとは思わず笑ってしまった。柄の悪そうな男に、人気のなさそうなところに案内される。いわゆる体育館裏って所だ。


 そこにはすでに何人かの男が集まっていた。


「転校初日だからって調子乗りすぎじゃね?」


 その一人が睨みながら言ってくる。


「すまない。何の話かがわからないなー」


 私は正直に告げる。この手の輩やからはイマイチ要領を得ないことも多い。


「この国の第一王女にして学園のスーパーアイドル、エリシア様に近づきすぎだって言ってんだよ!」


 ヤンキーみたいな男は壁をドン! と叩く。もっとも魔法で強化された壁は傷一つつかない。


「他の3人も皆ファンクラブがあるくらいの人気だ。馴れ馴れしくしてんじゃねーよ!」


 私は壁を背にして彼らに囲まれた。


「私は生憎興味ないから好きにすればいいじゃないか。あとこの国の王女様なのだ転校生くらいには優しくするのが普通だろ?この国の住民そんな性格が悪いのかい?」


 その言葉に男たちは激昂する。


「そんな言い訳が通用すると思ってるのかコラァ!」

「痛い目にあわないとわからないようだな!」


 一触即発の状況になるが、そこで遠くから声がかかった。


「止めたまえ」


 一人の男がまたゾロゾロと舎弟を引き連れてやってきた。

 同じクラスの男である。指にはいくつもの指輪があり、腕輪もしている。耳にもピアスがあり、すべてが豪華な宝石であった。すべて遺物だろう。相当な金持ちであることが窺うかがえる。


 今は学園指定の制服をきているが、私服も相当派手なんだろうな。その男が金髪をかきあげながら、軽い口調で話す。

うんださいな。


「失礼。部下たちは血気盛んなのでね。少々やりすぎてしまうところがあるのだよ。まぁ君が悪いんだろうけど」

「貴方が親玉?」


 私が男を見据えると、その男は尊大な態度で答えた。


「ローレンス・ドラグナーだ。田舎者でも名前くらい知ってるだろう」

「知らなーい」


 私は即答した。歴史に影響を与えた大物ならともかく、クソガキなどさすがにチェックしてるわけがない。


「アンドラ王国を知らないのか!?」


 取り巻きが驚いている。


「あー知ってるよ?」


 私だって伊達に観察が趣味なわけじゃない。

この国より西にある、3大国のうちの一つ。この世界最大の人口、国力を持つ国家。

 魔王は毎回、大陸東の端の辺りで発生する。魔族がそこで暮らしているからだ。つまり一番西日本にある国は世界で最も安全だということだ。

この世界は地球と違い球状ではなく平面のため余程のことがなければ被害を受けないのだ。魔王による厄災――生時でも被害をほとんど受けないことも多い。

 ゆえに人が集まり、最も発展した国家となっている。


「ローレンス様はその国の第一王子だ。いずれこの世界を統すべられるお方。お前も臣下となればいい目を見られるかもしれんぞ」

「へぇー」


 私が興味を持ったのを感じたのか、子分は一気にまくし立てた。


「そいつらにも聞いているだろうが、エリシア殿下にちょっかいを出すのはやめてもらおうか。もちろんローレンス様のすばらしさを語るのならかまわんがな。ローレンス様とエリシア殿下はいずれ婚約する関係。あらぬ噂が立っては困るからな」


 私はそいつの言葉など聞き流していた。つまらん。

私が興味を持ったのは、こんな奴がアンドラ王国の国王になったら人間社会が荒れそうだな、という点だ。

無能な奴が上に経てば下のものも無能になるはひつぜんだからだ。人間同士の争いも観察するのは楽しい。

 魔族と人間の争いよりも、醜かったりひどかったりするのがポイントだ。


 もっとも、当事者として絡まれるのは鬱陶うっとうしい。

私はそう考えながら、制服のズボンに両手を突っ込み壁にもたりかかりながら聞いていた。


「おい! 聞いてんのか!」


 その態度に子分が怒る。

前世なら、頭を下げて許しを請うしかなかっただろう。

でも今は違う、こんなやつは指一本で殺せるが殺すと問題になるのでどう対処するかな、と思っていると遠くから来る足音が聞こえてきた。

 

「何をしているの!」


 彼女は叫ぶと走って向ってきた。


「こ、これはエリシア殿。本日もご機嫌麗うるわしゅう……」


 ローレンスが慌てて取り繕つくろう。

エリシアがローレンスを見る目には好意がかけらも感じられなかった。中々面白そうな関係だった。


「また寄ってたかっていじめているのね」

「誤解です。彼とは話をしただけですよ」


 ローレンスはこのような状態でも優雅な態度を崩さなかった。芝居じみている。役者の方が向いてるのではないか!?

日本に連れてって悪役として転生させるのも面白そうだ。


「こんな武装して集団で一人で取り囲んでおいて、お話ですって?」


 取り巻きたちは長剣、大剣、槍など思い思いの武器を携たずさえていた。


「我々は冒険者を志す者。常在戦場の精神でおりますれば……」


 ローレンスの家来が控えめに語る。武器を持ち歩くのは当然のことだと。エリシアはそんな言葉を全く信用しない。


「彼はこれから私と用があるの。借りていくわよ」

「ええ、かまいません。こちらの用事はまた後日といたしましょう」


 にこやかに言うと、ローレンスたちは足早に立ち去った。

 エリシアはそれを見届けると、緊張を解いて「ふう」とため息をついた。


「危ないところだったわね」


「ありがとうエリシア」


 私は明るい顔でお礼を言った。エリシアの瞳が動いた気がする。


「いえいえ、どーいたしまして」


 ユーフィリアは笑顔で応えた。


「彼も、あの国もいっつもあんな感じなのよね。尊大で盟主面づらするから、もうお国柄ね」


 そんなローレンスに学園を我が物顔で闊歩かっぽされても文句は言えない。王国は世界最大の経済大国でもある。どの国も頭が上がらないのだ。質が悪いね。まぁそれも人間の面白いところだ。


「ところであいつにへんなこと言われなかった?」

「俺の婚約者にちょっかい出すなってだけかな」


 俺が答えると、エリシアは顔が真っ赤に染まった。


「はぁ!? 婚約者なんかじゃないわよ! あっちが勝手に言ってるだけ。何度も断ってるわ」


 赤くなったのは照れではなく怒り。それは彼女の声の大きさが物語っていた。勇者もこんな顔をするのかと心のメモに書いておいた。

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