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〜転生者達の傭兵国家〜  作者: あぱ
軍人少女
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3の9

「よし。じゃあ、夜は新入生歓迎会だ。これから学園の案内がてら学生住宅街に連れてく。そして分からないことがあったら、周りの大人に聞くように。

明日は一限から早速授業だ。時間に間に合うようにこの教室に来ること。持ち物は筆記用具のみ。以上。質問あるやつー?」


質問は出なかったのでホームルームは終わり、先生に学園を案内されることに。


「エリスちゃんー!」


アリスは真っ先にエリスの元へ駆け寄ってきた。彼女たち二人以外に、このクラスには庶民がいなかったので、頼りにされているのは間違いない。5年間2人は、このクラスに残る事ができるのだろうか?


「特待生なの?凄いね!びっくりしちゃったよ」

「アリスも回復魔術がスキルなんて珍しいね。驚いた。私の瞬歩って、パッとしないから羨ましいよ」

「そんな事ないよ。移動系のスキルって色々な事に使えそうじゃん!例えば〜遅刻しそうな時とかー瞬歩使えば移動で便利だし!」


にこっと笑って見せるアリスは、まるで天使の若く清い。なんで同じ『私』なのに、こんなに差があるのか分からないが軍人として生きている自分は、目立たない方が生きやすいと思っているが少し羨ましいと思ってしまう。


「そうだね、ありがとう」


エリスも素直に答えながら、アリスはアリスの耳に付けたピアス型の魔石入れと魔石を確認した。魔石にもランク付けされており、白 青 赤 紫 黒 銀色 金色 と順に一度に込めれる魔力 自身のスキルの練度を底上げする事が可能になるが、その分お金は高くなるため庶民は、良くて紫だが、アリスはなんと銀色だった。


「可愛い魔石入れだね」

「ありがとう。エリスちゃんは?」

「私ね、魔石がなくてもスキルが上手く使える体質みたいなんだよね。最初はなれなかったけど何とか上手く使えるようになったから良かった。しかも、私は庶民で家は貧乏だからちょうど良かったんだ」

「ええぇー!すごいよ!魔石がなくてもはつどうできるなんて!」


平気の顔して純粋な女の子を騙すのは心苦しいがさすがに心臓に魔石を埋め込んだなんて言ったらどうなるか分からないのでこれで我慢してもらおう。



ただ、魔石の大きさと内包する魔力の強さは比例しない。

大切なのは、魔物自体の強さと、採集した魔石の核となる部分をうまく削り出せるかというところ。

ラゼが付けている魔石は、彼女自身が採集して、軍の優秀な友人に頼んで加工してもらったので、小さくても十分な威力が出る。

魔石の力を引き出すことができなければ、ただの石っころでしかないのだ。

言わずもがな彼女の魔石起動は玄人のそれである。


まあ、見ただけでは確かめることはできないので、誰もラゼの実力など知る訳がない。


「ここが訓練場な。向こうに見える〈時の塔〉は職員用だから、よっぽどの事がない限り入るなよ。東には花畑がある。荒らすとすげー怒られるから気を付けろ」


外廊下に出て見えたのは、広い校庭。ここを訓練場と言うらしい。その奥に見えるてっぺんに大きな時計が見える塔は〈時計塔〉。この建築方法は記憶によるとバロック様式と呼ばれており、建築そのものだけではなく、彫刻や絵画を含めた様々な芸術活動によって空間を構成し、複雑さや多様性を示すことを特徴とする。特に内部空間の複雑な構成は、他の建築様式とは際立った特色となっている。そして、

〈 時計塔〉は、職員やその関係者が授業研究や魔術研究する場所であるため、生徒がそこに行くことは禁止されている。


という事が記憶を見つけた。前から思っていが、あの女は努力家だったらしくて色々な知識があるので案外私の助けになっている。


来た道を引き返し、突き当たりを今度は左に曲がる。扉を開いて外に出ると石畳の道が続き、その先には門が見える。


「向こうは、〈ヴァンド商店街〉だ。庶民の町並みを意識して作られた街で、普段気軽に外に出掛けられない君たちも、ここでは気兼ねなく買い物ができる。出店している店も様々だから、楽しめるはずだ。そして、ここには、娯楽施設が完備されているため長期休みでも此処を出れないので、〈 ヴァンド商店街〉で休暇を過ごすと良いだろう。」


これには生徒たちが目を輝かせる。

庶民からすれば、商店街などいつでも行ける場所なのだが、彼らからすればちょっとしたテーマパークのようなものなのかもしれない。更には、庶民や貴族も中々行くことも出来ないような、遊園地などもあるので長期休みはここで休むことになりそうだ。


(貴族サマも苦労してるんだな〜)


呑気にそんな様子を伺っていると、エリスは衝撃的なものを目にする。


「ガイアス様。今度よろしければ一緒に商店街に遊びに行きませんか?」

「あ、わたくしが先に誘おうとしていましたのに!」

「いいえ、わたしと!」

「ガイアス様、次のお休みの日、私とどうですか?」


——………なんだ、あれ。


いつの間にか、総帥息子がクラスの女子を侍らせている。

エリスは呆然として小さな人だかりを観察する。

一体、死神の息子は何と答えるのかと?


「お誘いありがとう。だけど、皆で行くと周りに迷惑かけてしまうと思うから、交代でいこうか。僕の腕は2つしかないからね。」


「「「きゃあ〜!!」」」


あの人、疲れないのかな?


「………うわぁ」

「無いわね」


非難の声が重なり、エリスは慌ててアリスとは反対側の隣を見る。


「どうも〜」

「シロン様……」


そこにいたのは内務大臣の一人娘。シロン・ハイペリオンだった。彼女は金髪ツインドリルが似合う、可愛らしいと表現するべきアリスとはまた違う綺麗系な女の子だ。

美人だなーって思う。


「さすがにあれは無いですわ。まともに話が出来そうな子がいて良かったですわ」


「と、とんでもないです」


「ふふ。そんな無理はしなくて良いのですよ? ここは同じ試験を突破してきた者たちが集まる場所。あなたは特待生なのでしょう? もっと自信を持っていいと思うのですわ。

わたくしのことは、是非カーナと呼んでくださいまし。エリスさん。それにアリスさんも」


A組の女子のなかで、一番位の高いお嬢様に話しかけて頂けるとは光栄だ。エリスは笑う。


「わかりましたシロン。これからどうぞよろしくお願いします」

「シロン様。私まで、ありがとうございます」

「いいのよ。わたくし、アリスさんとは絶対に仲良くなるって決めていたんだから」


それはアリスのことをずっと前から知っているかのような口振りだった。


(この感じもしかして、あの女と同じ転生者?あの人何人呼び寄せたのよ!でも、そうすると私の存在に違和感をもつんじゃないだろうか?まぁそのうち答えが見つかるか)


「そうだ。殿下!アルレン!ふたりも一緒にどうかな?」


ガイアスがアランを巻き込む声が聞こえて、再びエリスははそちらに顔を向ける。今の一声で、さらにガイアスのもとに足を踏み出すお嬢様が増えた。


(何がいいのか分からないなー。あの笑みの下には鉄のような顔があるのに)


「何というか、その。凄いわ。いろんな意味で」

「う、うん。そうだね。でも、みんなでお買い物は楽しそうだよ?」


——なんて心の清い子なんだ。私とは正反対だね。


エリスはアリスはの手を掴む。


「私が一緒に行ってあげるから、アリスはアリスのままでいて」

「ふぁ!そ、そんな見つめられたら恥ずかしいよ。でも行ってくれるの!?」

「うん!」

「やったぁ」


私の味方にしとくのが賢明だと思い私はアリスとの仲に踏み込むことにした。


「シロンも、どう?」

「是非。私を誘ってくれるなんてうれしいですわ」


こうして、3人の仲は徐々にかけがえの無いものに変わっていくことになる。この3人の選択はもしかしたら、誰も予想できないような最後になるのかもしれない。



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