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カンカンカンカン!
ガルムに呼ばれ外を出ると鐘の音がカンカンと大きな音を立てて鳴る、方角は村の入り口から聞こえてきた。
「ガルムこの騒ぎはなんだ」
俺はガルムに問いかける。何となく分かるが一応確認しておく。
「恐らく魔物共が村に襲って来たんだろう。総員!村の入り口まで急ぐぞ!」
村の入り口から聞こえる叫び声、村を囲む壁の向こうから矢や魔法が降ってくる。走りながら此方へ向かってくる攻撃を全て弾き飛ばし兵士達のいるところにいく。
村の外に出ているガルムは襲い掛かって来た魔物を魔法で吹き飛ばしている。
「兵士!状況はっ!!」
盗賊から放たれた矢が肩に刺さり、入り口前で倒れている兵士を真っ先に宿屋から飛び出したセレナが負傷した兵を担ぐと、安全な場所まで移動させ回復魔法を唱える。
負った傷が塞ぎ、肩で荒く息をしていた兵士が掛けられた回復魔法により安堵の胸をなでおろすように大きく息をついた。体力の回復を確認したセレナが壁に背を向け地面に座った兵士に短く尋ねる。今は無駄話をする時間では無いと分かっている。
「ああ、魔物が突然襲撃を仕掛けてきた。人数は見張り場から確認した限り1000は超えている。頼む…この村を救ってくれ」
魔物が1000体っていう異常か数に僅かに喉を鳴らす。
「ッチおおいいな。だが、将来僕らはこの国で1番のパーティになるならこの雑魚共は簡単に倒せなくちゃいけないからね!行くよみんな!」
ガルムの言葉に全員頷くと即座に移動を開始した。
この数では陣営を組んでも対処しきれないので別々に攻撃を仕掛ける。
俺に魔物がが傷だらけの剣を頭上目掛けて振り下ろして来た攻撃を顔を振り向くことなく弾き、お返しにと身体を貫いた。金属で出来た胸当ての上から心臓を貫かれたゴブリンは目を見開いたまま絶命した。
「ふっ!」
別のところではガルムは剣に属性魔法を纏いウルフやゴブリンを切り裂く。
「炎よ集え敵を焼き尽くせ」
俺の後ろを狙う魔物共はそのままノアに魔弾をくらい腹や頭に穴をあけ倒れる。
セレナは怪我したら住民や兵士達の傷を癒しながら魔物を白魔法で浄化していく。やはりセレナはCランクで留まる器では内容だ。広域で白魔法を使い更には攻撃型の白魔法で敵を討ち滅ぼすという器用な使い方をしていた。
Cランク4人だったが1000という大世帯で仕掛けてきても苦戦することは無く結果、全滅したと思われたが最後にボスと思われる個体が数匹側近を引き連れここに来た。
『ふん、中々やるようだな人間共』
「お前かこの村を襲った首謀者は」
『そうだ。俺らはもっと強くなり魔王の座に着くには雑兵が必要だからそれを産む女がいなくてはならないから邪魔な男共は全員殺さなければなハーハッハッ!』
「残念だった。魔王はすぐに倒されたし今は勇者様方がいるお前らの野望は叶わない」
『本当にそうか?』
「なに?」
『あの魔王は弱かったそれだけだ』
「ゴブリン程度が魔王になれるの思ってるのか?ははっ愉快なゴブリンだな」
『舐めやがって!』
ガルムの言葉に怒りを顕にしたゴブリンの王が一気に俺らに詰め寄る。
『死ね!』
「皆んなこいつを倒すぞ!」
「「おぅ!」」
リーダとしての言葉を受けた俺らは2・2の陣形を作りゴブリンを迎え撃つ。側近のゴブリンを先に倒すべく俺らは
王と側近を分ける作戦に出た。ガルムとノアが王を足止めしその間にルックとセレナが側近を殺す計画だ。
「聖なる光よ壁を隔てよ」
『なっ!?これは結界か』
「よしさっさと片付けようか」
「そうねルック」
俺はガルムに進められ良い刀鍛冶の店を紹介して貰いこの刀を買った。なんと竜の使える部位をふんだんに使い作ったらしい。白金貨10枚という庶民では手が出せない料金だった。ちなみにお金はもちろんスライムくん達だ。
お金の出処は誰にも問われないためいいでしよう。
何回か素振りや魔物討伐に使ったが本当に使いやすかった。丁度いい重さに綺麗な刀身何より切れ味の良さだ。そこら辺の魔物なら一刀両断できるだろう。
『神よ偉大なる力をさずけ給え"ゴットエデン"』
眩い光がセレナの杖から放たれると先程までいた所と異なる空間に強制転移をさせられる。側近のゴブリンは何が何だか頭の回転が追いつかずただただ慌てていた。
この魔法の効果は魔に属する者を弱体化させそれ以外の者に祝福を与える力がある。俺はダンジョンマスターだからどちらに配偶されるか分からなかったが俺は魔に属するものと判定されならしい。
「流石だねセレナ」
「あはは、まだまだ修行中なんだけどね。相手は強そうだしちょうどいいから」
ゴブリン達は落ち着きを取り戻し俺らをよく観察している。
「あのゴブリン知能が高いな」
「そうですね。早めに決めましょう」
俺は刀を握りしめゴブリンの前に詰め寄りゴブリンを切り裂かんとするがもう一体のゴブリンに魔弾を打ち込まれ攻撃が止まってしまった。
「だ、大丈夫!?」
「この魔法のおかげでダメージは受けてないからだだ。でも、ゴブリンがまさか仲間と連携をとるとは驚いたな」
ルックはムカつきながらも冷静にゴブリンらを観察し
戦闘をこなしていく。
ゴブリンの剣とルックの刀の音だけが響くがそれも終わりを迎えることになった。
ゴブリンの剣がルックの刀に耐えきれず割れた。
ゴブリンは慌てるがその隙を見逃さなかったルックは魔法を放つ。
『燃えよ 朽ちよ 滅びよ 全てを塵残さず燃やせ エクスプロージョン!』
ルックの手の先から多重魔法陣が組み合わさり1つの大きな大砲ができその先端から赤い炎と閃光がゴブリンを襲う。
ゴブリンら側近は炎に飲み込まれるそうになるがその前に俺はピュイさんにゴブリンたちを吸収させ何も知らぬ顔でピュイさんを服の下に入れ戦闘が終わった。
ピュイさんの存在はガルムは知っているが2人は知ってないためこの方法を取った。
流石にこの結界はピュイさんでも厳しいので早めに倒しておきたかったので早く倒せて良かった。
--------------キング戦---------------
『なるほど2対1に分断したのか。貴様ら、我をなめすぎではないか?』
「そうか?」
『ふん、ならこの力をみて跪つくがいい!!』
王は体内の魔力を放出する。
その魔力は可視化され忌々しい黒いオーラを漂わせていた。
普通、魔力は可視化されることがなく可視化出来る者は相当の手慣れか圧倒的強者しか見せることが出来ない。
「なっ!?」
「なんで…ゴブリンが!」
いくら王とはいえ有り得るはずがなかった。ゴブリンキングは最高でもグレーターなのだ、そしてこのゴブリンキングは魔力を可視化させた、ディザスター以上のランクということになる。冒険者ラングでもBランクの実力が必要だ。
『クックク、さっきまでの威勢はどうしたのだ?そこの女を置いて帰れば貴様は死なずに逃がしてやるがどうだ?』
「ッチ。こいつを置いて逃げるはずがねーだろ。早くやろーぜ」
『そうか。ならすぐ終わらせてそこの女で楽しませて貰おう』
「ふーう。いくよノア」
「うん、ガルム」




