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Bランク昇格試験を終えてから、三日が経った。
今日、冒険者ギルドにて試験の結果が発表されるはずだ。
ベットから起き上がった。この宿に来てから毎朝欠かさないジャグジーに入る。鼻歌を歌いながら髪を洗い体を拭く。ジャグジーから上がり、何時もの変わらない服装に着替えたルックは、そのまま変わらず賑わう街中へ出掛けた。
建物の目の前にある広場で武器の訓練や、パーティーの誘い込みなどを横目で見ながら、何時も開かれている扉を潜り、ギルドに入った。
ギルドへ入った瞬間、無数の目線が俺に向く。
何故だが最近は特に視線を向けられるがそんな俺に集まる目線を全て無視して、受付に並んでいる列で待つことにした。
「お待たせ致しました。本日は何の御用でしょうか」
「Cランク昇格試験を受けたルックだ。試験の結果を知りたい」
今日まで見たことが無い受付嬢に内容を伝えた。
「ルック様ですね。…確かにCランク昇格試験をお受けになっておりますね」
カウンターの下から何やら書類を取り出し、俺の顔と一枚の書類を見比べた。この世界に写真があることに驚いたが顔には出さない。確認し終わったのか受付嬢に試験結果は冒険者ギルドの裏にある訓練場で行うと言われ、受付嬢に礼を言うと、一回外に出て。裏に設置されたこれも又立派な訓練場へと向かった。
普段なら大勢の冒険者が訓練をしながらスキルを磨いたり、体力をつけるため筋トレをしていたり、パーティー同士で摸擬戦をしてたり、魔法の練習をしているが、今日は静かだ。訓練場の中心には今回の試験官であったディルックとギャバンの他に。他の試験者も居た。楽しそうにお喋りをしている。
「よし!全員揃ったな!それでは、早速試験結果を発表するぞ!」
彼の迷いが無い大声に思わず固唾をのみ込む試験者達。
「では、合格者を発表する!」
彼の言葉を聞き逃さないよう、手を強く握りしめ合格を祈る試験者達。
「 お前たち全員は無事Bランク昇格試験を合格だ!今回の試験は全体的に良かった!特にルックとセレナとクルトお前らはもっと上を目指せるだろう!他も、良かった!長年試験官をしているが全員合格は初めてだァ!これからも頑張りたまえ!」
全員が合格だった。名前を呼ばれた冒険者達は、嬉しず来て大声で叫んでいた。ファナなんか涙を流していた。
Bランクに昇格した祝いに今晩、酒場で食事を取ることになった冒険者達。どうやら、彼等が所属しているパーティーも誘うらしい。ガロンらに俺も一応誘われたが先客がいるのでまた今度にしてもらった。
「お待たせいたしました。こちらがCランクギルドカードとなります。どうか無くさないようお願い申し上げます」
ギルドへ戻り、受付に向かうと、丁度ヒナが居たので、彼女の受付の列に並んで、Cランク昇格の事を伝えた。どうやら彼女は既に把握しており、カウンターの奥からカードを持ってきた。
彼女の言われた通りに一緒に渡された針で刺した傷から新しいギルドカードに血を垂らして、全て問題なく完了した。勿論怠惰の権能でステータスを変えてある。本当にこのスキルは便利だ。
「おめでとうございますルック様。これでルック様も上級者の仲間入りです」
彼女の笑顔が眩しい。
これで何人と男が堕ちるのだろうか?いやこのギルドにいる全員がこちらに振り向きまじまじと見ていたしかも、女子までもが目を輝かせて見ていることに気づいたが俺は表情を変えずそのままギルドを出た。
夜になり街はランプの光でちょうどいい感じの暗さになった頃1つの店では現代のバーのような店で男女4人間が楽しげに酒を飲んでいた。
今いるのはルックとノアとセレナにガルムだ。
少しの間パーティを組むことにしたのだ。
「いやーお疲れ様!」
「おつかれー」
「おつかれさまです」
「おつー」
「ねぇー私達パーティ組むんだよね?」
「ねぇーちょっとノア飲みっすぎじゃない?さっきから同じことばっかしかしゃべってないわよ?」
「まだまだいけるしヒック」
「はぁーあなたは酒に弱いんだから1杯しかダメって言ってるのに。ルックとガルムが困ってるよ」
「ははっ本当に面白いねノアは」
「本当ですよね。これからパーティー組むとなると楽しみです」
「はぁー大変だろうけど楽しそうね」
そんな雑多な話を1時間くらい続けるとさすがにノアがやばそうなのでセレナにノアを頼み俺ら男はまた話を再開した。
「ねぇールックってもしかして勇者の末裔?」
「なんで?」
「いやさここに住む人は黒髪黒目ってそんなに居ないからさ勇者はそうらしいから気になった」
(うーんさすがに異世界人って言うのはあれだからそれにしとくか)
「うーん俺は親には聞いたことないけどどっかで勇者の血が混ざってるかも」
「やっぱりか僕も、勇者の末裔らしいんだよね」
「そうなの!?」
「うん、誰にも言ったことないけどね」
「俺に言ってもいいのか?」
「ダメってわけじゃないしパーティーメンバーだからね!」
「ハハッ、そんなこと言ったら俺も隠し事無くしちゃダメだな」
「いやそういうことを言いたかったじゃないけど隠し事ない方が信頼がもっとしやくすくなるしいいかもね」
「ってゆってもなー俺隠し事ってほどじゃないしなー」
「なんかあるのか?」
「うん、さっきの話の続きなんだけど勇者の血が流れてるかもって言ったのは俺の特殊スキルなんだ」
「特殊スキル?」
「そう。普通のスキルより圧倒的に強いんだけど何せ珍しいスキルだからあんまり使わないんだ。魔法と剣で十分だし。最近は刀って物にも興味あるんだよねー」
(まぁー嘘だ。本当の事と嘘を混ざれてば人は信じるから大丈夫だろう)
「すごいな!だからあんなに強いわけかこのままじゃいられねぇな!もっと僕も強くならきゃ!」
「ふふっそうだな!」
そのまま2人は店で酔いつぶれるまで飲み続けた。




