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ルックが乗った馬車は一言も会話が無く、無言のままずっと進み、そのまま夕暮れとなり、途中真っ平らの草原で馬車を停め野宿を取ることにした。
ルックが入り口の一番近くに座っていたので最初に外に出て、先に野宿の準備を開始した。
次々と他の試験者達が馬車から出てくる。試験官である2人が最後に出て来た。
俺はそこら辺に会った枝を集め日本でよくやったサバイバルのように火を起こした。魔法で付けないのはなんとなくだ。
「おぉー魔法じゃなくてそうやってつけるなんてな」
俺は1人で座りながら火を見ていると試験官の1人であるディルックに話しかけられた。
「あぁ俺が住んでたところで教えてもらったんだ」
「そうか」
少し沈黙が続いたが時が進むように皆がいっせいに動き出す。
「誰かこの辺りに生息している魔物を狩って来てくれないか?その間に俺は串や皿を作っておくよ」
他にそう伝え、俺は魔法で串や皿、フォークとスプーンを作り始めた。いきなりの命令に少し頭に来た他の冒険者達。
だが、ルックの言っているとこは正しいため誰もが口答えが出来ない。
一時間後、全員分の夜ご飯ができた。
作り終わると、それぞれが持った皿にスプーンや串を持ち、無言で塩と胡椒が入った肉スープを注いだり、竈に肉を入れたりし食べ始めた。30分ぐらい食べただろうか?途中はセレナなどノアとも話したりして結構楽しかった。
「よし!では今から休息を取る!女は馬車を使い、男どもは外だ!しっかりと休息を取るように!明日は朝が早いぞ!」
ディルックはそう言って、適当な場所まで歩きそのまま寝転がった。冒険者は基本休む時に休まないと体力がつかないためどこでも寝れるようにしなくてはならない。
それから女性は馬車に入り、男性はその場で横になったり、少し離れて横になった。
俺も少し離れた草原で自分の着ていたローブを地面に置きそのうえで寝た。
「そろそろお前ら起きろ!さっさとメシ食って、奴らのアジトまで向かうぞ!」
ディルックの叫びに寝ていた者は眠そうにしながらおきる。
「ふぁああ眠い。あ、おはようセレナとノア」
「えぇおはよう。朝早いのね」
「おはようルックさん」
俺は昨日作った簡易的な竈に火をつけ昨日の残りのスープとさっき狩ってきた鳥を捌き網の上でやく。
「ルックさん、私に何か手伝うことが出来ますか?」
「そーだな、肉が少ないから、豚やウサギを狩って来てくれないか?」
折角彼女が手伝いをしたいと言ってきたのでソレに甘えよう。
「はい!分かりました!!」
彼女は腰に双剣を付けて森に向かった。彼女には昨日も動物を狩って貰ったのでありがたい。
「ルックさん!俺も手伝うぜ」
「そうだね。貴方の料理上手いし私達も手伝うよ」
「ありがとう。助かるよ」
近くにある木の上からおりてクルトとガロンはルックに申し出た。この2人は幼馴染らしく村から2人で来たらしい。
大体1時間ぐらいの準備時間を終えてディルッくが声を上げた。
「では、これより盗賊団のアジトへ向かう。俺とギャバンは試験官としれお前らの後方で見守っとく故、予想外な事態が起こっても助けは期待しないように」
「「了解!」」
昨日ちょうど時間があったためポディションを決めた。
前衛はクロードとガロンとクルト
中衛はルックとノアとカレナ
後衛はファナととセレナとガルムとロザリネ
だ。433という形になったが大丈夫だろう。
設置された罠を躱しながら遠目でアジトと思われる洞窟の入り口を発見したガロンは腕を上に伸ばし、動きを一旦止めた。
皆の動きを止めたガロンは腕を上に伸ばしながら指で洞窟の方角へ向けた。指さした方へ他の冒険者が盗賊団アジトの入り口を確認した。
洞窟に入り口付近には、三人の見張りが退屈らしく、下品な会話をしながら見張っていた。
彼等に見つからないよう隠れながらガロンの周りに集合し、作戦を開始した。
ファナが矢筒から取り出した一本の矢を引き、見張りの一人へと向け放った。
腰を落とすノアとカレナがそれぞれ魔法の矢を作り出し、攻撃を放った。
ファナが放った矢は真っ直ぐと飛び、欠伸をしていた見張りの頭を貫き地面に倒れた。
いきなり仲間が倒れた方へ他の見張りが驚きながら確認し、襲撃の合図をポケットから出した笛を吹こうとした瞬間、更に二つの魔法の矢が放たれ体に大穴を作り一瞬で命を奪った。
入口の見張りを全滅した後、両手に剣を構えたクルトの決断に皆は頷き作戦を開始した。クルトは洞窟の入り口へ向かった。クルトを先頭にクロードとガロンの後を残りのメンバーは追った。
洞窟の内部は狭く、枝分かれの様に道が分かれていた。
設置された罠を避けながら、ようやく大部屋と思われる扉を見つけた。
扉の正面までたどり着いたクルト達は、他の冒険者と顔を合わせ一斉に頷きガロンとの蹴りで扉を破壊し、煙を上げながらクルトが先に入り、後に続いた。
全員が中に入り周辺を確認すると、広い空間に酒場にありそうなテーブルが雑に置いてあり、地面には飲み終えた酒の瓶や樽が転がっており。
ルック達を囲むように80人程の盗賊が完全装備で待っていた。奥には人一倍豪華な装備を纏った盗賊が足を組んで座っていた。
「真面目に正面の入り口から入ってくるとはな!おい、お前ら!女以外は殺していいぞ!。…やれ!」
げらげら、と気持ちわるい笑い声をあげながら俺達へ攻撃を仕掛けてきた。
「死ねねえぇ!冒険者!!」
敵の斧のおお振りをルックは手だけて止めた。盗賊の一撃を受けたルックはビクともしない。
「こ、このおぉ!び、びくともしねえぇ…」
「死ね」
盾で斧ごとずらしルックの剣で反撃の一撃を浴びせた。肩斜めを防具ごと切られた盗賊は血を吐き地面に叩きつけられた。一瞬で仲間の一人が倒され動きを止めるが、盗賊団ボスの一喝により叫びながら攻撃を始めた。
しかし盗賊が動きを止めた瞬間にクルトとガロンが一人ずつ撃退しており。
ファナが放った矢も盗賊の頭を貫いていた。
更に仲間が倒されたことで激怒するが、流石のCランクに成り得る能力を持つ冒険者達。問題なく攻撃をかわしている。幾ら攻撃してもかすりもしないルックに嫌気がさし、大雑把な攻撃になるが一向に当たる気配がしない。
「何故!何故当たらない!!」
汗を大量に流し、肩で息をしている盗賊が剣をこちらへ向け叫び始めた。
「…」
何も言わないルック。彼は既に飽きていた。盗賊たちは既に30人以上は倒されており、対して冒険者組は無傷だ。傷は受けるが、即座にセレナの回復魔法によって回復するので全く苦戦していない。セレナの魔法は本当に凄かった。
クルトが盗賊の攻撃を受け腕を切り裂かれたが即座に回復魔法を使い完璧に治してしまった。魔力操作と魔力量がルックより圧倒的に多かった。
俺はあのスキルは無闇に使えないので魔法を使う。
氷魔法『アイスロック』
さっさと終わらす為魔法を唱える。
瞬間、盗賊団全員の足元に水色の魔法陣が発動し、地面から氷の鎖が飛び出し彼等の動きを止めた。
「なっ!何だこれはっ!う、動けない!?」
「っぐ!おい!だれかこれを外せっ!」
「冷たすぎるぞこれ!」
盗賊団ボスを含めた全員が一瞬にして無力化された事を理解した盗賊は、叫びまくった。
無力化した盗賊に冒険者達も困惑していたが、状況を理解すると一息いれた。 ルックは向けられた目線を無視し、目の前で魔法によって体が動かせない盗賊の首を刎ねた。
そのまま次々と、止めを刺し始めた。さらに10人くらい殺したの。
(はぁーお前らも仕事しろよー)
「「「…」」」
叫びまくる盗賊、泣きじゃくる盗賊、命乞いをする盗賊関係なく表情を変えることなく首を刎ねるルックに他の冒険者達は彼に恐怖した。他の冒険者も気を取り直し拘束された盗賊の首をはねる。
「よし、終わったな」
「う、うん!」
さすがに洞窟の中は血の匂いで充満しているため俺らは一旦外に出ることにした。
ノアは全員が洞窟から出たのを確認すると、後ろを振り向き詠唱を唱える。
『森羅万象 全ての在るものよ 無と還れ 灰燼と帰せ 破滅の炎よ 来たれ り エクスプロージョン』
洞窟から地軸もろとも引き裂くような爆発音が響き、入り口が岩で崩れ落ち誰も入れないようにした。
試験官の2人が来て声をかけられた。
「それでは、お前たちの依頼は完了した。それでは、街へ戻るぞ!」
親指で後ろを指さし後ろに振り向き、歩き出した。
暫く進むと街に戻った。
やっとの想い出街に入りそのまま真っ直ぐ冒険者ギルドへ向かった。広場の馬小屋に馬を止め馬車から出て来たルック達はギルド内には入らず、目の前の広場で、ディルックが話し出した。
「これにてCランク昇格試験を終わる!試験結果は三日後の昼、受付にて発表されるだろう!例え合格していなくても2週間後にまた受ける事が出来る!」
大声で笑い終わると、最後に一言付け加えた。
「では解散!」
殆どの試験者達はギルドの食堂へ向かったが、俺は疲れたのでそのまま宿へ戻った。
「はぁー疲れたー結構ポイントたまったかな?」
名前:八神 楓
種族:管理者
称号:ダンジョンマスター
特殊スキル:『迷宮支配』『七つの罪源』
スキル:『剣技』
魔法属性:火 水 風 闇 土
耐性:痛覚無効 物理攻撃耐性2lv 精神攻撃耐性1lv 魔法攻撃耐性lv2
ダンジョンポイント:6800
「おぉ結構溜まったね。良かった。疲れたし寝よ」




