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冒険者ギルドで用事を終えた俺は、街をぷらぷらと歩いていた。久しぶりの街なので一応防具や武器諸々買う予定である。あと食料も少し買おと思っていた。だが、金がないため諦めた。
午後の光がいくらか薄れ、あたりに夕暮れの気配が混じり始めた街並みを見ながら今夜泊まる予定の黄金の木に着き、扉を開け中に入ると変わらずホテルのような内装で、カウンターでカギを受け取り、部屋には戻らず、そのまま食堂の方へ向かった。 高級宿ながら頑丈そうなテーブルと椅子がいくつも並べられており、所々に冒険者や商人の宿泊客や食堂の利用者が腰掛け、楽しそうに笑いながら一時を謳歌している。どうやらこの宿に泊まってなくても金を払えば、食堂は利用できるらしい。空いてる席を探すと、片隅に、二人用の他のテーブルより一回り小さいテーブルが空いてたので、そこの席に座った。
「こんばんはルック様。こちらのメニューをどうぞ」
席に座り、数分そのままジッと待っていたら、可愛いらしい制服を着たウエイトレスがこちらに来て、メニューを渡された。流石、高級宿。どの客が泊まっているか把握してるらしい。メニューを一目したが、どの料理が美味しいか、全く知らない。
「こっちに着いたばっかで、何が美味しいか分からないから、シェフのおススメで。」
「畏まりましたすぐにお持ちします」
ウエイトレスがオーダーを伝えにキッチンに入り、2.3分程で銀のトレーを持ち、その上に置かれた料理と飲み物が運ばれてきた。
「お待たせしました。こちらがシェフのおススメになります飛竜の肉を使った肉野菜炒めと、コカトリス卵を使った卵スープになります。そしてこちらが、サービスでえエスラ王国産のワインとなります」
年齢的には俺は酒は飲めないがこの世界では15が成人のため飲んでも大丈夫だろう。
料理とワインがテーブルに置かれ、俺は金貨1とサービスと言っていたが一応チップとして金貨2枚彼女に渡した。
「っ!ありがとうございます」
チップ~渡すのは珍しかったのだろう。一瞬びっくりした表情見せ、俺が渡したチップを受け取って貰えた。ウィンクをして厨房に戻っていた。スキップをしながら戻ったため嬉しかったのだろう。
ちなみにこの世界のお金はこうだ。
鋼貨1枚が日本円で10円。
鋼貨10枚が銅貨1枚
銅貨10枚で銀貨1枚。
銀貨10枚で金貨1枚。
金貨10枚で白金貨1枚
白金貨10枚で虹金貨1枚
白金貨などは日常で使うことはないのできにはしなくていいだろう。
初異世界料理は美味しかった。飛竜の肉ということで硬そうだったがそんなことはなく程よい噛み心地にジュシーな食感があった。さらにコカトリスの卵スープも日本を思い出すような味だった。さすが勇者が定期的に召喚されている世界とも言える。
満足したので、部屋に戻り。ジャグジーに入ることにした。この世界全ての住人が魔力を所持してるので、ジャグジーに設置された魔石に魔力を流すとこで温かいお湯がでてきた。丁度いい温度になったの確認し、風呂に入ることにした。
「あああ、気持ちいぃ」
久しぶりのお風呂のためすごく気持ちが良かった。
ダンジョンマスターとなってから体とかには汚れという概念は存在しなかったがそれでもお風呂というのは気持ちいものだ。ダンジョンにも作ろうかと一瞬迷ったがとりあえず魂を集めるのが先だと考え切り替えた。
深夜になり俺はこの場所に来た。この街の裏の顔だろう。俺はスラム街を見てそんな感想を抱いた。
老朽化してぼろぼろの建物、積みあがるばかりで誰も片づけないゴミの山、道に横たわっている痩せた野犬、人々が着ているぼろぼろの衣服。さっきの場所とは対称的な光景が広がっていた。街全体がどんよりとしていて、重い雰囲気に包まれている。おれは最初は1人ずつ殺そうと思ったがスラム街を少々探索していると、それは、どうやら兵士の代わりにスラム街を治めているらしいギャング達だ。
特に夜の見回り等をしているわけでもないので直接的問題はないのだが、ああいった組織は構成員を殺されると組織の面子を守るために犯人探しをする。
もし間違えて殺して騒がれたら面倒なので俺はこのスラムの区域ごと消し去ることにした、そしたら意外にいい魂が手に入るかもしれないなので、当分騒がれるだろうが俺の偽ステータスを信じている冒険者ギルドは俺を疑うことはないためきにしない。
「さぁーはじめよっか」
『黄昏よりも昏きもの血の流れよりも紅きもの
我等が前に立ち塞がりし 全ての愚かなるものよ
刮目せよ 我の前では無力なり
罪源の一 怠惰の罪』
楓が詠唱が終わると手のひらから黒い玉がスラム全体を覆うと重力場が発生したかのようにその部分だけだが潰れてしまった。この怠惰は相手を強制的にだらけさせる性質を持っている。それを上手く利用することでこのスラム街の物質を全てを怠けさせ潰したのだその影響でここに住む人間が潰れ死んだ。
生き残る人もいるだろうがそれはどうでもいいので俺は止まっているホテルにかえった。
「はぁー疲れたーうん?これが魂が入ってくる感覚かな?」
少し時間がかかったがスラムの人間の魂を取り込んだ感じがした。空腹が満たされるような感じだった。
「ポイントを確認しよーと」
名前:八神 楓
種族:管理者
称号:ダンジョンマスター
特殊スキル:『迷宮支配』『七つの罪源』
スキル:『悪食』
魔法属性:火 水 風 闇
耐性:痛覚無効 物理攻撃耐性2lv 精神攻撃耐性1lv
ダンジョンポイント:3500
「おぉー1人の魂につき約1ポイントだからこんなに殺したのかな?まぁーいいや。ダンジョンに帰っときにもっかいカタログを見ようか。」
ダンジョンポイントを確認した楓は布団に入りねた。
ダンジョンマスターになったからなのか1.2時間寝たら目が覚めてしまい暇なので筋トレをしていたら朝になってた。
ベッドから降りて昨日とあまり変わらない白にに黒いラインが入ったローブを着て適当な床に転がっていた黒いタクティカル・ブーツを履いて、食堂に向かった。席は意外と空いていたので適当なテーブルに座り、ウエイトレスを待った。
「おはようございますルック様!今日もいいお天気ですよ!」
席に座った一分もしないうち、昨日と同じウエイトレスがニコニコしながらオーダーを取りに来た。余程昨日のチップが嬉しかったらしい。うん、かわいいね。
「朝の食事は何にされますか?」
彼女が持ってきたメニューを開きこちらに見せてきた。前も同じ事を言ったが、何が美味しいか全く分らんよ。
「んーそうだなぁ。それじゃこの、コカトリス卵のスクランブルエッグに、黒糖パンとコーヒーを一杯貰おうかな」
朝ごはんと言ったら卵料理にパンというイメージがあるのでこれにしてみた。日本の勇者が黒糖パンをひろめたのだうか?
「畏まりました。少々お待ちください。」
3分もせずに俺が頼んだ朝食が来た。日本でも考えられない速度での料理だ。
「お待たせしました。スクランブルエッグと、黒糖パンをどうぞ」
一つの皿を目の前に置き、最後にガラス製のカップに入ったコーヒーを置いてくれた。
「ありがとう。今日はチップはないけどいいかな?」
「貰えること自体稀ですので、大丈夫です!あの、昨日のお礼です」
俺は驚いたがウエイトレスが顔を近ずけて頬にキスをしてくれた。
「あ、ありがとう。今日も頑張れそうだ」
彼女がいるのにこんのことはしては行けないが、しょうがないよね?突然だったし。
ウエイトレス顔を赤くしながらキッチンに戻っていった。料理も美味しかった。
今日も冒険者ギルドに寄るため、ホテルの入り口を開けた。
入り口から出ると軽快な日光を全身に浴びる。朝日が眩しくて、眉間の辺りがこそばゆい。
真夏というのにローブを着た俺に怪しげな目を向ける人がいるが俺はきにしない。
開けっ放しの扉を潜ると、俺が入って来た瞬間今まで騒がしかった雑音がピタッと止んだ。そのままFランクEランク専用の掲示板に向かい。ちょうどいい依頼を撮った。
適当に二枚の依頼書を剥がしてそれを丁度空いてた受付に持っていった。今日は昨日と違う受付嬢だった。
短くまとめあげられた黒い髪で女性でも惚れてしまいそうなほど凛々しい受付嬢だった。
「昨日新しくはいったルック様ですね?」
「そうです。今日はこの二つの依頼を受けようと思うんですが」
そう言って笑顔が引きつってる受付嬢にさっきの掲示板から適当に剥がした二枚の依頼書を受付に置いた。
「かしこまりました。お気おつけてくださいね。あ、あのよかったらその依頼が終わったら食事をしませんか?」
少し顔を赤くしながら受付嬢が誘うが俺は生憎彼女持ちなので丁寧に断る。
「誘ってくれるのは凄くありがたいのだが、生憎今日は予定が埋まっていて食事に行けなさそうだ。ごめん」
「そ、そうですよね。すいません」
「あ、いや、うん。行ってくるよ」
気まづくなり俺は早歩きでギルドを出た。
依頼書に書かれてたゴブリンと、ボアーファングを討伐に向かった。門番に仮身分証を返し、森に向かっていた。
だが、何故か俺に着いてきている者がいるようだ。はて、何か俺はやってしまったのだろうか?
目的地に段々近づき、ゴブリン達の状況を伺うと20匹程の集団で動物を食事してるところだった。中には、ゴブリンメイジとゴブリンリーダも混じっている。
しかし俺は慣れた動作で、手を翳し翳しゴブリンを狙う。
「グギャグギャギャッグギャ」
叫び声を上げながら、向かってきた。
振りかぶってきた錆びた短剣を避け、バランスを崩した瞬間手刀で首をはね魔法を纏めてゴブリンに頭を残し魔弾を打ち込む。
『アイスバレット』
手に魔力を練り無詠唱で氷の魔弾を打ち込むと頭を残して
全てのゴブリンが頭から下が無くなった。
その瞬間を目撃してる男達がいた。昨日、俺にボコられたチンピラとその集めたパーティーだった。前回のあれで懲りていないのか?はぁー面倒くさ。
「おい…あのガキ昨日冒険者に成ったばかりだろ。本当に勝てるのか?」
昨日あの時ギルドに居なかった男が、確認した。ボスだろうか?昨日の男はぺこべこしている
「ああお頭ら!間違いねえ!あのクソガキはたったレベル10の雑魚だ!ありゃあ単にまぐれだ」
どうやら、やっと尾行してた奴らがこっちに向かって来た。この世界にもヤクザみたいのかはいるのかどの世界も同じだな。
「ん?こんなところまでどうしたの?ちゃんと壊した罰金払った?貴方たちに払う金あるのか?」
「っち!舐めやがって!あんときお前が変な事したせいだ!」
武器を構えながらニヤニヤした表情で脅してきた。は~面倒くさい。
『我は 法を 破り 理を超え 破壊の意志を
ここに示すものなり 我の力よ全ての者に
恐怖と畏怖 を 刻み込め
罪源の一 憤怒の罪 』
『灰燼と帰せ』
「っ!!!」
「なっあ!!!!」
何も出来ずに俺のスキルにより男共は塵すら残らず消滅した。
それから、ゴブリンの耳を前にダンジョンに侵入してきた奴の戦利品の短剣で切り取り、そのまま皮袋の中に入れた。
それから程なくアイスファングを見つけ。そのまま剣で首を一閃した。ちなみに狼の周りに冷気が漂っている魔物だった。提出部位である、牙を手で引き釣り出して、皮袋に入れた。この肉は結構美味かった。街に戻りギルドカードを見せ門を潜っていく。朝が遅かったため意外に時間がかかってしまったがちょうど日が沈む頃だった。
ギルドの中は先程に比べると空いていた。受付に昨日の受付嬢ヒナが居たのでそこに並んだ。
俺の番になり、ヒナは気がついてくれて微笑んでくれた。
「ルック様お疲れ様です」
「初めての任務にしては疲れたよ」
そう言い肩に掛けてた皮袋からゴブリンの耳、ゴブリンリーダーの耳、そしてアイスファングの牙を取り出した。
「えーと…この短時間でこれ全部倒したんですか?」
「ああ、うん」
「それより依頼ご苦労様。これで、ポイントが貯まったのでEランクに昇格出来ます。ギルドカードをこの水晶の上に置いてください」
もうランクが上がった、速いな。
ヒナに言われた通りにギルドカードを楕円の形をした水晶の上に乗せると。ヒナが何かし始め、最後にスタンプらしき物をぺったんと押した。
「はい!これでルック様はEランクに昇格しました!これからもどんどん昇格していって下さいね!」
Eランクに昇格と同時にルックからのウインクも貰った。
「はは、出来るところまで、頑張るよ」
「応援してます!…あ、それとこちらが、新しくなったギルドカードと依頼分の報酬金になります」
ヒナから新しくなったカードと報酬を受け取った。銀貨8枚と銅貨5枚。
「じゃ帰るよ」
「お疲れ様でした。また明日お願いします」
「あぁ」
明日はいったんダンジョンに戻る予定なので来ないがまぁーいいだろう




