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〜転生者達の傭兵国家〜  作者: あぱ
悪神
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翌朝学校に行くと、教室では暗い顔をしたいつもの5人がいた。私が死んだと思っているのだろうか。


「えっ?」


 エリシアが目を見開いて驚く。そして私に飛びついてきた。私は片手でエリシアを支えた。


「あの状況で生きてたのね」


 彼女はうっすら涙を浮かべていた。


「私がそんな簡単に死ぬと思ったんですか?」

「生きてたんですか」

「おい、なんだその死んで欲しいみたいな」


 ソフィアからは笑みがこぼれていた。聖女そんな冗談を言ってもいいのだろうか。


「ていうか、生きてるならその日のうちに連絡してください」


 ソフィアが少し怒っていた。


「お前よく生きて帰れたな!」

「そうだぜ、どうやったんだ?」


アレクとレッグも話しかけてきた。


 彼らは先にワープで王都に帰っていたわけで、王都のどこにいるかをいちいち探すのも大変だったからだ。この世界に連絡手段が少ないため連絡出来ないのだ。


「もう。心配したんだから!」


 そうか、心配してくれてるのか。こんな感覚は久しぶり……。前世ではよく親に迷惑をかけたものだ。


「もう平気だから、そろそろ離れないと不味いんじゃないか?」


エリシアは勇者以前に第一王女なのだ、これを見られたら不味い。


「そうですね。教室でこんな風に王女様が抱き合ってるとか騒ぎになりますよ。そしてルークさんは男に背中からさされるんじゃないでしょうか?」


 ソフィアに指摘されて、真っ赤になりながらエリシアは離れた。


「で、どうやって帰ってきたんだ?」


あの後何が起きたのかそしてなぜ私が帰れたかなど。


「なるほどねぇ、恐怖か」


 エリシア達は王都に帰ると、政府他各所に連絡した。政府は他国にも即座に転移で使者を送った。


 帝国はその晩のうちに帝国民に情報を開示。他国も近日中に告知するだろう。


「まあ最初はやつらの目論見どおりになるわ。でも連合軍が結成されれば、1万の軍など蹴散らせるでしょう」


 連合軍は各国が集まった会議で承認されて結成する。


「明日に対魔会議が開かれるわ。私もその会議には出るので、なんとしてでも話をまとめないとね」


 対魔会議。魔族への対応を話し合う会議のことだ。小国も含めてほぼすべての国が参加する。エリシアはビザンツ帝国の王族であり勇者。会議に参加するのも当然であった。


朝の時間が終わり社会の時間になった。

今日も面白い話を聞けると思いルークは少し楽しみにしていた。


第四厄災。1万年で最強の魔王が起こした厄災。人類は短期間で、なすすべもなく敗れた。人類唯一の幸運はその魔王の方針。


 発生した魔王の方針には色々ある。

発生するや否や、人類に侵攻をかけてくることもあれば、数十年動かないこともある。人類を皆殺しにしようという方針もあれば、支配しようという方針もある。


 第四厄災の魔王が人類を皆殺しにしようとするタイプだったら、人類はとうに滅びていただろう、それほどの力と知恵があった。


 魔王は人類を支配し、1000年もてあそんだ。ただし、一定の数は維持しようとしていたようで、無意味な大量虐殺はなかった。しかしその暮らしの壮絶さは様々な文献に残されている。


「お前ら覇気がないなー」


 オルブライト先生の説明が終わると、教室内には沈黙が訪れる。顔が青ざめる者。体がブルブルと震えている者もいた。


「そんな桁違いの厄災、どうやって勝利したンだよ?」


レッグが尋ねる。


「それはここからだよここからの。人類が支配されること1000年。人類はとうとう立ち上がったのだ!」

「へぇ」


 アレクとレッグが珍しく授業に食いつく。


「まさかアレクがまじめに話を聞くなんて」

「そうでふね」


 エリシアに相槌を打つソフィア。


 人類は黙って従っていただけではなかった。無謀にも反乱を起こしたことは幾度もある。しかし、どれも即座に鎮圧。

人類は次第に諦めていった。


 そして魔王による支配が始まり800年。大陸の東。ここで一人の100人の若者が仲間とともに蜂起した。それを聞いた誰もがこう思った。勝てるわけないと、あの魔王軍にわ。


 しかし、彼らは鎮圧に来た魔族の軍勢を撃退。それを期に人類の反抗の機運が高まった。各地で反乱が続発した。

魔族の1つの種族が魔王軍を裏切った。エルフに勇者が産まれ落ち魔族の軍勢をうちやぶったのだ。


 東の英雄王やエルフの勇者。それ以外にも、素性が一切不明の謎の戦士たち。彼らはのちに魔王を討ち、9人の英雄 エニアグラムと称された。


「うぉおお!」

「うわああ」


 アレクが涙をながしている。その横で私も涙を流していた。なんてこの先生は語るのがうまいのだろうか。


「うるさいなー」


 隣の席のマリンが不満そうに呟きルークの前のエリシアは苦笑いをしていた。


 エニアグラムには今までの人類にはない新たな力があった。


――神器――


私が遊びて作った剣や法器などだ。権能で作った訳ではなく一から十までしっかり工程を踏んで作ったら出来てしまったのだ。

 ダーインスレイブ ロンギヌス カラドボルグ ウルからどといった伝説の武器。それらの力でもって、魔族を次々を打ち倒していった。


「つまり、英雄の力と伝説の武器が合わされば、第四厄災の魔族とて倒せるということだ。そう恐れるに足らない」


 オルスデット先生はそう話を締めくくった。


 座学が終わると、エリシアは城に戻っていった。

他のみんなも各自の鍛錬を積みにアレクは剣を振りにレッグは体を鍛えにマリンは魔法の深淵を覗きに ソフィアは神に祈りに。様々だ。


ブリトン王国王城ウォーリック。ここに各国の代表が集っていた。

 先日判明した第四魔災の魔元帥への対処を話し合うためである。


――対魔会議。


 人類は度重なる魔族との抗争を経て、魔族には一致結束してあたるという条約を結んだ。それを話し合う会議である。


 緊急の議題ということで、各国の王族、使者が転移してやってきたのである。


「第四厄災のナンバー2とその部下、それ以外の魔族の生き残りそして使役されている魔物が約1万体。」


 確認のために述べているのは、王国現国王ガリファが出席していている。


「これは人類の一大事。規模は前回より少ないが歴代最強の魔王と言われた魔王の副官をやっていた魔族だ油断は出来ない」


 ビザンツ帝国の皇帝ルーカスが重々しく語る。


 この大陸は世界最大の大陸。この大陸の他にはいくつかの

小さな大陸があるがそこは魔物が絶えず争っているらしい。そのため、人間の大半もこの大陸に住んでいる。


大陸中央にビザンツ帝国、大陸東にアンドラ大国、西に エスラ王国。この3つが世界の3大国と称されている。

北や南にも国や小国があるがこの三大国に比べたら小さな国だ。


「だが、大半は魔族ではない。さらに言えば魔王がいない」

「魔王より強いモラクがいるんだぞ!」

「そう。数年前に魔王を倒した勇者が、散々にやられて逃げ帰ってきたとか。勇者の名が廃れるな」

「ふふっ魔王に会ったことがない国王様には分かりませんよね?」


アンドラ王国国王がエリシアを見て嘲笑する。

エリシアは勇者であるため、この会議に参加していた。

エリシアは口元を釣り上げ言い放った。その言葉に腹を立てたのか顔は真っ赤に染まっていた。


「舐めるなよ小娘が!」

「エリシアあまり挑発するな」

「はいジョンさん」


エリシアの隣に座る男は数十年前に魔王を打ち破った勇者でありエリシアの師匠だ。勇者として魔王を打ち破ったためこの会議に参加していた。

 

「我々は古の条約、ヨハネの条約に基づき、共同戦線を張るべきである。そう思いませんか?」


 ルーカスは議場をぐるりと見渡す。賛成が大半、と言ったところである。


「しかしですなあ……ヨハネの条約にははっきりとこう書かれています。『魔王発生時には人類は一致結束しろ』と」

「それはっ」

「陛下 大丈夫ですよ。モラクは言いました東から責めると。という事はアンドラ王国は1国でモラクの軍勢相手に戦ってくれるということでしょう」

「なっ」

 

カリファは初めて聞かされ焦っていた。

これはエリシアのブラフだがこの場では有効だろう。カリファはこれを機に更にビザンツ帝国に借りを作る気だかだ。


「ですが、私は勇者です。貴方の国だけで対処が無理なら手を貸しましょうか?」

「ぐっ」

「そういうことです。貴方はなんと愚かなんでしょう」

「では、そういうことです。もちろん貴国が単独で先制攻撃を仕掛けるのは自由だ。戦費が必要ならいくらでも用意しよう」


 そいいルーカスはエリシアの作った流れに乗り場を締めくくった。だが、問題は魔族軍をどうにかするのかに頭を悩ませた。数日後の朝、ビザンツに激震が走る。魔導王モラクの軍勢が王都コンスタンのすぐそばまで来ていたのだ。


「なぜここまで接近に気付かなかった!?」


 ルーカスが激怒する。


「も、申し訳ございません」


 帝国の黒騎士団長ガイアが謝罪する。


 モラクが潜伏するは迷宮は南西。しかし敵は北東から攻め寄せてきた。ぐるっと山を越えて、迂回して進軍してきたのである。移動距離は倍になるが、人間の目をかいくぐるというのには成功した。まさか力がある魔族がここまで知恵を回すは思いもよらなかったのだ。


「申し訳ございません、そちらの監視は手薄でございました」


「陛下、今はそれどころではありません」


 エリシアの顔色は悪かった。悩み事のせいで夜も眠れず、食事も喉を通らない。


「そうだな……もはや篭城するしかあるまい」


 戦時ではない今、王都にいる戦力は一万を大きく割り込んでいた。数は同じでも力差は歴然なのだ。


「この王都コンスタンは巨大な魔導城壁で囲まれています。ここがそう易々と落ちることはありません」


 ガイアが力強く宣言する。


「頼もしい。指揮は任せるぞ」

「は!」


 ガイアは頭を下げて、退室した。


 コンスタンの城壁は高さ50メートル。防御魔法がかけられている魔導壁である。魔法が付与されており本来ならそう易々と破られたりはしない。

問題は魔族。奴らは翼を持つ者も多い。なくても空を飛ぶ魔法がある。空を飛べれば城壁など無意味。そういった相手を防ぐには対空戦力が必要。


 弓隊、魔法士部隊が空から来る部隊を撃退するしかない。

敵ももちろんその部隊を優先的に狙ってくる。

彼らは防御能力に劣るので、魔族の攻撃を受ければ短時間で壊滅してしまうだろう。


 魔族の侵入を許せば、事態は深刻となる。街中で暴れられてしまうと、もはや味方は浮き足だす。国民が混乱し国は壊滅が進んでしまう


 命令系統も乱れ、組織的戦闘がだんだんしづらくなるのだ。その段階で街中はもう乱戦状態に突入するだろう。


 そして中に侵入した敵に、町の門が開けられしまえばそれまでだ。1万の敵になすすべもなく蹂躙されるのは明白であった。


「勇者がそんな顔してどうする」


エリシアの師匠が明るく声をかける。


「はい。すいません」

「戦況分析はやめたほうがいいだろ。考えたからって被害が無くなるわけじゃない」

「そうですね。このくらい跳ね返せるようにならなければ……前みたいにあの力を引き出せれば…」

「なんか言った?」

「あ、言えなんでもないです」


 エリシアは気合を入れなおすため、頬をピシッと叩いた。


「今日を耐えれば王都に近い領地に居る騎士が、そしてその後は国外の援軍が次々来るだろう。さすがに各国もこんな状況ならすぐ援軍をよこすだろう。」


 最初から協力していれば、こんなことにならなかったのに。幾度もの魔王戦争を経て、人類は協力するようになったはずなのに……。エリシアは手を握り締めた。だが、人間とはそういう生き物なのだ。


・・・

・・


「これは予想外の展開ですね」


私達はコンスタンの中にあるレストランで食事をしていると避難命令が下った。私はアザと一緒ご飯を食べていた。

 

「お客さん早く逃げた方がいいですよ。お代はいりません」

「そっかーありがとう」


店員は他に客が居ないことを確認して店を出ていった。


「だから戦いは面白いよね。まさかこんな作戦を魔族が実行するなんて」

「敵の動きは神眼で見なかったのです?」


 世界中のほとんどの場所を、好きなようにのぞくことができる魔法。


「まぁーね。見たところでなんだよなー」

「それで、我らはどうしますか?」


 そばに控えていたロイが問う。


「うーん、敵が中に責めてきたらいいよ」

「かしこまりました」

「目立ちすぎるなよ。見られたら殺せ」


 私は特にロイに言った。こいつは馬鹿だから何も考えたなしに突っ込むから。


 王都の人は堅牢と思われる様々な施設に収容されいる。

王城は言うまでもないがギルド関連、学園などたくさんの施設があった。


「ルーク様」


 私は開戦直前に冒険者ギルドのえれなを訪れていた。人でごった返している。


「ここは危ないから、安全なところに避難させる」

「ルーク様は残るのでしょう?なら残らせて下さい」

「分かった」

「ありがとうございます」


 意思が硬いようなので私は強制的にエレナを転移でおくる。


「あ、ルークさまー!」


私が何をしようとしたのか気づいたのかエレナは頬を膨らませ睨んできた。可愛いものだ。



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