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〜転生者達の傭兵国家〜  作者: あぱ
悪神
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1の9

「今度は何ですか、ルーク。蛙?蟻?蝙蝠? 正直ああいう雑魚ばかりを相手にするのは非常に面倒くさい」

「いや、それを私に言われても困るんだがな。言うなら迷宮の核やらボスの魔物やらにしてくれ。……ん? どうやらアレクの望みが叶ったようだ」

「はい?」


 ルークの耳に聞こえてきたのは、巨大蝙蝠のキーキーと鳴く音でもなく、ソルジャーアントの足音でもなく、巨大カエルが跳ねる音でも無かった。それは2足歩行する存在の歩行音。


「エリシア、どうやら挟み撃ちのようですね。背後からも前方の敵と同じような敵がこちらを狙っているらしいです」

「へぇ。ここまで遭遇した魔物共は挟み撃ちをするような知能は無かったが、どうやら次は違うらしいな」

「まぁ、そうは言っても所詮まだ迷宮の地下2階なんですから、そうランクの高くない魔物でしょうけどね」


 呟きつつ、弓を引くソフィア。そして通路の先から姿を見せたのは確かにこれまでと違う魔物ではあったが、同時にヴェルの言った通りの存在でもあった。


「ファング系か」


 エリシアが呟いた通り、通路の先から現れたのは40匹近い狼達。殆どが長剣や短剣といった武器で武装しており、簡易な盾や鎧を装備している。


「狼にしては随分と武装が充実しているようだな」

「恐らくこの迷宮で盗んだり、あるいは冒険者達を襲撃したりして手に入れた物かと思うけどね」


「エリシア、後ろからも武装した狼が20匹程来たよ」

「多いいですね〜雑魚は群れるというくらいですし」


 私の言葉にエリシアは即断する。個人の武勇ももちろんだが、この瞬間的な判断力があってこそ勇者と呼ばれているのだ。


「このまま戦闘を避けるのは逆に時間が掛かるか。仕方あるまい。ソフィアがカバーしつつルークが、背後の狼20匹はソフィアとお前だけで大丈夫か?」

「全く問題ありませよ」

「大丈夫だ」

「では背後は頼んだ。前方の50匹の狼は私達で受け持つ」

「分かりました、では早速片付けましょう」


 ルークが頷き、エリシアとマリンの横を通って背後へと移動する。


「長剣持ちが10匹に、短剣持ちが5匹に、杖をが5匹か」


「しょうがない。めんどくさいけど、やるか。ソフィアカバーよろしく」

「わかりました」


 ルークの声に短く返答し、地を蹴って狼へと迫るルーク。その後ろに魔導弓を構えるソフィア。


「ギャギャギャ!」


 自分に襲い掛かってくるルークへと威嚇の声を叫びつつ長剣で斬りかかってくる狼だったが、ルークは剣が振りかぶられたその瞬間、地を蹴り壁の方へと跳躍し、その壁をさらに足場にして長剣による一撃を空振りした狼へと三角跳びの要領で襲い掛かる。


「はぁ!」


 ルークの剣による攻撃で狼の頭部をその場で破裂させる。

そのまま隣にいた7匹を切り裂いた。

その横では突然のルークの三角跳びに目を奪われていた狼5匹の頭を、 撃ち抜いた。


「残り7匹!」


 叫びながら身体を反転させるルーク。すると次の瞬間には振り下ろされた狼の短剣が一瞬前までルークのいた空間を通り過ぎる。


「そんな攻撃で私をやれると思ったの?」


 身体を反転させた勢いを利用して双剣を振るう。長剣を振るえる間合い、つまりは双剣の間合いの内側に入り込まれた為にその刃は狼を切り裂きさらに体を回転させ後ろの奴を切り魔法でもう2匹を吹き飛ばした。


「ファイアアロ」


透かさず矢にに属性を付与し私の背中を狙っていた狼をソフィアが撃ち抜く。


「ふんっ!」


 どうだ、と言わんばかりに自慢気に胸を張るソフィアをみて苦笑いした。エリシア達の方へと視線を向けるルーク。

 一応手助けがいるかどうかと思っての行為だったのだが、すぐにそれはいらないお節介だったのだと理解する。流石は勇者パーティー連携をし狼共を屠っていく。マリンが魔法を放ち狼達を牽制し、その隙を突くかのように距離を詰めたアレンが長剣を振り下ろして狼を真っ二つにする。

 その傍らでレッグは盾を巧みに使用し狼共の攻撃を防ぎ片手剣で狼を真っ二つにし更には盾を攻撃に使用していた。エリシアは狼に囲まれていたがそれをなんとも無いように切り裂き狼を処理していた。


「さすが、というべきだろうな」


狼とは言っても敵の数は50匹を越えている。それを数十倍以上の数でまるで何でも無いかのように余裕を持って殲滅しているのだ。それだけにエリシア達の実力は際立っていた。

 そしてそれから数分もせずに襲い掛かってきた狼達の全ては命を散らし、地面へと横たわっていた。


その後処理をしてから、そのまま30分ぐらい歩き続けると次の階へいく階段が見つかった。階段を下り無事地下3階へと降り立ったエリシア達。だが地下3階へと1歩足を踏み入れたその瞬間、アレクは殆ど反射的に剣をを振るっていた。


「っ!?」


 同時に、アレクの隣にいるレッグもまた盾をかまえ飛んできた何かを弾く。


「ちっ、なるほど。そういうことか」


 レッグは盾の正面に絡みついている物へと視線を向け、忌々しげに呟くレッグ。

 そこにあるのは白い糸だった。その白い糸は迷宮の天井へと向かって伸びている。そしてその視線の先には体長が2m程もあろうかという大きさの蜘蛛の上に人間のような体があるアラクネが、ピンク色の瞳で観察するようにじっと視線を向けていた。


 アレクやその背後にいるルーク エリシア マリン ソフィアと睨み合っているのは人間よりも一回り程大きく、そこから伸びている手足は赤色や青色緑色の鱗に覆われている。そして太く長い尾を持つ爬虫類の顔をした魔物、リザードマンだ。それぞれが弓や剣、槍といった獲物を構えて敵意を込めた目でエリシア達へと視線を向けている。


「アレクとレッグ、お前はそのアラクネを何とかしてください。出来れば早めにそっちを片付けてこっちの援護に回ってくれると嬉しい。アラクネは強いが貴方達なら余裕でしょう」


 エリシアは地を蹴り一瞬で間合いに入り剣で硬い鱗を切り裂くとリザードマン達は混乱をもたらした。それに付け込むように双剣を持ったルークが突っ込んでいき、そしてそんな2人を援護するのが弓を構えたソフィアであり、杖を構えるマリンであった。リザードマンの中でも弓を装備している個体が矢を放とうとした瞬間にまるで空中を移動する蛇のような素早い動きで双剣をもったルークがリザードマンへと襲い掛かる。

 そんな様子を横目で見ながらも、アレク達は天井に張り付いているアラクネへ攻撃を仕掛けた。


「僕達もやろうか」

「おぅよ!」

 

レッグが自分の使える魔法を放ちアラクネを地面に落とす。


「キキキッ」


 金属を擦り合わせたような鳴き声を上げつつアラクネは天井を蹴ってレッグに攻撃を仕掛ける


「そう来ると思ってたよ!」


天井から離れたアラクネをアレクが飛び上がり剣でたたき落とした。


「キィッ!」


 地面へと叩き落とされたことにより相応のダメージがあったのだろう。動きの鈍くなったアラクネをへと剣をで斬りかかろうとしたアレクだったが、その瞬間に蜘蛛の口が開き、何らかの液体を吐き出す。


「ちぃっ!」


 アレクの吐く液体ということで殆ど直感的に地を蹴り蜘蛛から距離を取る。それが正解の選択肢であったのは地面へと落ちたその液体が煙を上げながら周辺を溶かしているのをみれば明らかだった。。


「毒液に糸、どっちも僕やレッグにとっては厄介な遠距離攻撃だな。これ使うと魔力がめっちゃ持ってくからあまり使いたくないけどしょうがない」


 呟き、魔力を集中させていくアレク。そしてアレクが何をしようとしているのかを理解しているレッグがアレクの注意をレイへと向けないように隙あらば蜘蛛へと攻撃を仕掛ける仕草をする。


『火の精霊よ、我が意に従い敵を焼き尽くせ』


 魔力を込めた言葉で呪文を唱え、剣に火魔法を纏わせる。


『火炎一刀!』


 そして刀身が振りかぶられ、放たれる火の濁流。アラクネが自らに迫る熱気に気が付いた時には既に回避のしようがなく、ただ黙って自らの身を焼かれ、同時に体液が沸騰するのを受け入れるしかなかった。

 アレクは火球が命中したことを確かめると、すぐにリザードマンの方へと視線を向ける。

 リザードマン。魔物ランクはミドル~グレーターでそんなリザードマンも、さすがにエリシアが指揮するルーク マリン ソフィア達と戦うとなるとそう簡単にはいかないらしくほぼ互角の勝負を繰り広げていた。

因みにルークは本気を出せないので皆に実力を合わせている。本来なら戦うことすらせずら相手を戦闘不能に追いやれるのだが、自分に制限をかけ楽しんでいた。


「エリシア〜魔法で攻撃するわ〜」

「分かったみんな一旦引け」


 エリシアの声を聞きつつ、精神を集中して魔力を言葉へと乗せていくマリン。


『今ここに古より蘇れ、蒼炎よ、純粋なる穢れなき炎、全てを破滅せよ』


 呪文を唱えるのと同時に、直径1メートルの魔法陣が出来た。


『ヴァンフレア』


 そして魔法が発動するのと同時に、蒼炎がリザードマンを襲い焼き尽くした。

 一撃。たった一度の攻撃魔法で半ば壊滅状態に陥ったのを見たリザードマン達はその様に半ば恐慌状態となる。


「シャアアアアアアアアアッ!」


 リザードマン達の中でもリーダー格の存在なのか、他の個体よりも一回り程身体の大きいリザードマンが高く鳴き一喝する。本来であればその声で我に返る者が出たのだろう。何事も無ければ、だが。


「敵は混乱しています!立て直さないうちに切り崩すよ」


 そう。エリシアは敵が混乱したという致命的な隙を見逃す筈もなかった。

 大部分をマリンの魔法によって半ば壊滅させられ、同時にこれまでエリシア達との戦闘で既に10匹を切っていたリザードマン達にその攻撃を受け止めるような力は既に無く、1匹、また1匹とその数を減らしていく。

 そしてマリンの魔法が放たれてから数分も経たないうちに、生き残っているリザードマンは先程大きな声を上げていたリーダーだと思われる個体の1匹のみとなっていた。


「シャシャシャシャッ!」


 そのリザードマンは他のリザードマンを率いるのに相応しい姿をしていた。他のリザードマンよりも2回り以上大きい、3mはあろうとかというその身長。そしてはち切れんばかりの筋肉を何らかのモンスターの皮で作ったと思われるレザーアーマーで覆っている。その右手に持っているのは1.5mを優に超える巨大なグレートソードであり、反対側の手はリザードマン達の中で唯一金属製の盾を持っていた。

 そしてそのリザードマンはグレートソードを片手で軽々と操り、その切っ先をエリシアの方へと向ける。

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