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〜転生者達の傭兵国家〜  作者: あぱ
軍人少女
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戦況が、目まぐるしく変わり続ける。


凄まじい攻防。


 ルーヴァ先輩もすごいのだ、あの人の戦い方は搦め手が基本であるようで、直接的な攻撃能力はそこまでではないようなのだが、恐らくサポート役として考えれば満点の動きなのではないだろうか。


 化け物二人は、単体でもバカみたいな戦果を出せるタイプだが、ルーヴァ先輩は誰かと組んで初めて真価を発揮するタイプだと思われる。


 この競技は単体戦闘能力の高い者が有利というだけで、あの人も結構怪獣側だろうな。

 

 予選はあんな形で戦闘が中断したが、普通にあのまま続けていたら、勝てていたかどうか怪しいものだろう。


 タイミングを見計え。


 一瞬を逃してはならない。 勝機は、そこにある。


 そうして、殿下が放ってくる牽制用の水魔術を受け流しながら、様子を見るだけに留めていると、チラッと彼がこちらを見てくる。殿下とは何度か手合わせしたことがあるし、選りすぐりが牽制用の魔法から逃れるだけで特に攻撃してこないのを、不審に思っているのだろう。


 そして、殿下が不審に思ったということは、程度は違えど、脳筋魔族も同じものを感じているはずだ。


 だが、意識には『隙間』というものが存在する。


 人が意識するものに割ける割合は、決まっている。

そして奴は今、エリスへの警戒の割合を低くしている。


 ならば、隙は必ずある。


 その時、じれたのか、脳筋魔族が被弾覚悟で距離を詰め切る。奴の間合いの圏内に、殿下が入った。


 刹那、拳砲。


 殿下は魔術障壁でそれを弾き、次の瞬間脳筋魔族の足元から剣山が生えるが、彼はその発動が見えていたのか、横に跳んで回避。そして、そこでエリスより先に、ルーヴァ先輩が仕掛ける。


 搦め手の多い先輩の、本気の攻撃であるようで、二人の動きを縛るような攻撃と共に、一定の距離を保っていた本人も突撃を開始。


 勝負を決めに動いたか。


 ルーヴァ先輩の本気さを感じ取ったのか、二人のヘイトが一瞬そちらへ向いた。ここでエリスが動くことを、彼らも頭の片隅で予期していることだろう。


だが、今の魔力や力では、どう足掻いたってスピードも出ないし相手にダメージを与えられないここで考えたのが……。


「はじけろ!」


エリスが魔術を発動させると眩い光が辺り一体を覆った。


「うわぁっ!?」


 驚きの声を漏らしたのはルーヴァ先輩のみだったが、殿下も、脳筋魔族もまた、一瞬驚いたように動きが鈍る。

彼らの五感を潰したのと同時、エリスは一気に飛び出した。

ちなみにこの光を採用した理由は観客席の人にエリスの強さをなるべくバレないためでもある。みえなければあ弱い人は弱いなりに作戦を考えたとと思ってくれるだろうから。


 目標は、当初の予定通り脳筋魔族。


 相手の防御の固さを考え、最初に狩るのは、足。

大腿骨を圧し折ってやる勢いで放った一撃は、ヒット。


「っ―!!」


 が、軽い。


 この状況が不利だと判断したらしく、脳筋魔族は一旦距離を取ろうとするがエリスは追いかける。


 刹那の間に、連撃を叩き込む。


 やはり足にダメージが残っているのか、動きが鈍い。

今までならば回避されていたであろう攻撃が、次々と入っていく。


 鋭い突きの反撃が放たれることもあるが、見えている。


 このまま押し切るつもりで、エリスはは攻撃を続け――恐らく、機動力を削がれた時点で、ジリ貧だと判断したのだろう。


 脳筋魔族は、攻撃を行う。


 それはエリスはではなく、仕掛けに動いたため、近くに来ていたルーヴァ先輩。


「ぐえっ」


 まともに『光』を食らっていたようで、未だ視力が回復していなかったらしく、脳筋魔族のラリアットが首に決まってしまい、一撃でルーヴァ先輩は転送され――そこにさらに放ったエリスはの一撃が、脳筋魔族にクリティカルヒット。


 模擬刀に返ってくる、鈍く重い感触。


「……フン、やるな」


 それだけを言い残し、彼の姿もまた、この場から消えて行った。


 ……大したもんだ。負ける、と判断して、ポイントを取る方向に最後は動いたか。


 そうして残るは――俺と、殿下のみ。


 この間彼は、完全に逃げの一手で、視界が潰されたと判断した瞬間にエリス達から距離を取っていた。そのせいで、彼の方にはちょっかいを掛けることが出来なかった。

さすが殿下だ、危ないと状況を判断して1歩後ろに下がっていたらしい。それでも引かなかったのは、皇子としてのプライドだろう。


「フン、やるじゃないか。残ったのは俺とお前か。さすが特待生だな。」

「……ま、私自身、運が良かったと思いますよ。あの脳筋魔族が、散々場を荒らしてくれたおかげで、どうにかなったようなものです」


 今回、奴をこうして落とせたのは、殿下とルーヴァ先輩が、その気を引き続けていたからだ。


 一対一でやっていようものなら、光を発せられなかった。

ましてや、今の状態で勝つのは厳しかった。


 ここまでは、少なからず運が良かった。

 それは、間違いない。


「そんなことはどうでもいいんだけどな。同じ学院そして、クラスメイト同士だが容赦しないぞ?俺の事敵だと思って全力でこいフローリア」

「私に負けたらシロナを貰いますよ?」


エリスはニヤケ顔で発言すると殿下は血相をかえエリスに攻撃をしかけた。


「フローリアいくら何でも俺のことを舐めすぎなんじゃな!いかっ!」



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