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「はぁ疲れたぁ〜」
エリスは、ホテルの部屋に戻りまだ寝ているマータを自分の布団に寝かせる。マータのことはまだ言ってないが
軍のエースオブエースのお願いは絶対に通される。
「寝よう」
食事まで時間があるのでエリスは、マータの隣で寝ることにした。
「お腹すいたぁ。あれ、マータどうしたの?」
「まま!」
「ママ?私はエ……あ、ママだよ。こっちにおいで」
「ままっ」
そういい、ベットの上を歩き抱きついてくるマータ。
可愛い耳と背中を撫でながらマータを抱きしめる。マータのお母さんは、殺されお父さんも殺されてしまった頼れる者が居ないのは、辛いことだろう。私もそうだったからその気持ちはすごく分かる。同じ人間としてこのような幼女を化け物にしようとしたのは、許せない。
「まま。お腹すいた」
「じゃあ、ご飯たべにいこうか!」
「ご飯っ! 」
尻尾をバタバタさせ耳をぴょこちょこさせるマータ
「――か、かわいぃ!何この子!」
そう言うのは、夕食のテーブルを共にしている、アリス。
彼女が見ているのは、もぐもぐと肉を食べ、幸せそうに頬を緩めているまーた。それはもう、わかりやすいくらい大量の肉を皿に取ってきて、本当に幸せそうに一生懸命に食べている。
とりあえずこの子は、肉が大好物であるらしい。
ちなみに、しっかりサラダも取って来ており、そっちは先に食べ終わっていた。好物は後に残すタイプなのだろう。
「美味しい?」
「おいしぃ」
やはり言葉は少ないが、しかしその尻尾は正直で、机の下でブンブンと左右に振られている。何と言うか……表情には出さないでも、しっかり尻尾に感情が出てしまう辺り、すごく可愛い。
「ありすねぇも可愛い」
「ふふ、ふふ。」
「アリス顔がすごく緩でるよ。そんなアリスも可愛いけど」
「だってこんなに可愛い幼女に言われたらしかないじゃん」
「あら、このかわい子ちゃんはだれ?」
「あ、シロナ!試合お疲れ様」
「お疲れ様です!」
ここで言うのはちょっとまずいので軽く耳打ちする。
「それがですね。親を人間に殺されちゃったみたいで……」
「そ、そうなのね……このことは誰が知ってるの?」
「今のところ理事長とアリスだけですね。シロナも」
「そう、」
「だいぶ懐かれてしまったので理事長にお願いして学園で一緒に暮らすことになりました」
「えぇ!!」
「特待生なので!」
「はは、特待生ってなんでもありなの?」
「まぁまぁ」
――なんて話を続けていると、隣のマータが、何やらフラフラ揺れている様子が視界の端に映る。
見ると彼女は、フォークを持ったまま、カクン、カクン、と舟を漕ぎ始めていた。まだ小さいのでお腹いっぱいになって眠くなってしまったのだろう。
「マータ部屋に戻ろうか?」
「……ん」
コクンと頷き、彼女は言葉を続ける。
「まま、おんぶして?」
「ふふ、わかったは。帰って寝ようか!」
「ん……」
「おやすみなさい!」
「おやすみ。また明日」
そして2人は、食堂を後にした。
「あの二人本当に今日会ったばかりなの?随分仲良いね」
「本当ですよね!でも、マータちゃんかわいいです!尻尾と耳がすごくきもちぃんですよ!」
「もふもふしてたわね!でも、心配だは。絶滅した種族なんでしょ?生徒にも悪い人いるかもしれないし狙われないか心配だわ」
「そのための私立ちですら!」
「そうね!じゃあ私たちも部屋に戻ろっか」
「はい!」
アリスとシロナも少し話してから食堂を出た。
……
…
部屋に着くとすこし歩いたからか眠気が覚めてしまったのかベットに座ってエリスへ体を向けた。
「まま、」
「どうしたの?マータ」
「わたし、つよくなりたい……」
(そうだよね。両親が殺されたのを目の前で見てたとに何も出来なかったんだよね……わたしが守って上げられるのは、簡単だけど、将来私がこの世界からいなくなったのを他の国にバレたら多分戦争になるかもしれないし、深層の魔物が地上に出てくるかもしれない。なら、強くなって損はないよね。この子は才能はあると思うし)
「マータ、強くなるためには、辛い辛い訓練があるよ?それでも強くなりたい?途中で投げ出したくなるかもしれない、死にたくなるかもしれない。マータはまだ幼くて無限大に道は広がってるのよ?」
「わたし、それでも強くなりたい!」
マータの 瞳の奥には燃えたぎる炎が写っていた。幼女には似合わない表現かもしれないが彼女の強い意志は受け取った。
「じゃあ、マータもう少ししたら学園に戻るからその後一緒に頑張ろっか!」
「うん。まま大好き」
「私もだよ、マータ。じゃ寝よっか」
「ん」
マータはエリスに抱きつく形でくるまり寝る姿勢になった。




