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無事、予選を1位通過したエリスは、観客席に戻った。
「おかえりー!エリスちゃん凄いね!」
「おかえり!エリス。1位を取ってくるとは思わなかったわ」
「ああは、たまたまだよ、たまたま」
「魔導大会でたまたまねぇ」
出迎えてくれたのは、アリスとシロナで奥から歩いてきなガイアスだった。言い方に少しエリスは、ムッとする。
「ガイアス様こそ、どうだったんですか?」
「僕も決勝戦に出れることになったよ。正直いって出たくないけどね」
「どうしてですか?」
「決勝戦より女の子たちと話してた方が楽しいからね」
やっぱりと思いエリス達は、やれやれと頭を振るう。
「私疲れちゃったから部屋に戻るね。みんなは、どうするの?」
「私は、殿下と少し街を出歩こうかと」
「私は少しでも魔術やスキルについて詳しくなりたいからここで勉強するね!」
「偉いなアリスは。明日試合終わったらお出かけしようか2人で」
「えっ!?いいの!いくいく!」
その後少し話してからエリスは、ホテルに戻った。
疲れたというのは、嘘でこらからある施設に行くからだ。
「っとその前に呼ばなくちゃね。」
エリスは、路地裏で魔術陣を展開する。
「シュヴルツ様っ!まさか私を呼んでくれるとは」
「シィーッ。ここでは、エリスと呼んで」
「かしこまりました。それでどのようなご要件でしょうか」
「ベルドルークの暗部共が最近怪しい動きしてるからね。」
「ベルドルークと言うとあそこでしたね。ふむ、分かりました。では、どのように侵入しますか?」
執事姿の男にエリスは尋ねら答えた。
「執事とお転婆娘という設定で迷子になったてことでもしようか」
「かしこまりた」
指定されたポイントで、男はエリスを下ろした。
目の前にあるのは、防壁。王都エレジアをぐるっと囲っていたものだろう。そして、その防壁の一部に鉄格子の扉があり、そこから地下へと続く階段が見えていた。
「ここは……」
「うん、王都を巡る、地下水道の入り口の一つだよ。……暗部や敵の本拠地には、ピッタリの場所でしょ?」
当然ながら鍵は掛かっていたようだが、スゥ、とエリスが手を振れると、カチリと音が鳴り、まるで最初から開いていたかのように、ギィ、と何事もなく開く。
下水道にしては、綺麗な通路でもあった。さすが敵のアジトだ。
「はぁ本当に嫌になっちゃうよね。ベルドルークの相手は、国ごと消し飛ばしちゃえば簡単なんだけどなー」
「エリス様それでは、国民に被害が及んでしまいますので、おやめ下さい」
「はぁ戦争は楽しいけどめんどくさいなー」
そんな会話をしながらエリスは、どんどん奥に進んでいく。
「それで、今回はどのような事をベルドルークはしでかしたですか?」
「そうだね、今回は、この大会を利用して選手等の魔力を集めてるみたいなのよね。でも、何をしようとしてるのかは、分からない。どうせ、ろくな事にならないしね。」
そういいだんだんと奥から光が見えてきて進んでいく。
門が見えてきて少し小走りをすると、大きな巨体が見えた。
「ドラゴンですね。式神ですが」
「そうだね〜うん、このドラゴン可愛いね」
普通、近づいた瞬間 咆哮し、襲いかかるがエリスの濃密な魔力を浴び怯んでいた。式神とはいえ、生前の本能がこの少女と男を危険と判断したのだろう。
「よしよし、いい子だ。そうだな、魔力を与えてみようか」
「それは、大丈夫ですか?」
「うーん、もし暴れたらよろしくね?」
「はぁ分かりました。」
エリスが任せた理由は、この男が龍であるから。ドラゴンよりも上位の存在であり神に近い存在なのでドラゴンなどワンパンだ。なぜ、エリスにしてえてるかと言うとエリスが10歳の頃 馬鹿な商人が龍の卵を盗んだのだ。そして、息子を奪われた龍が激怒をして地上で暴れたのでエリスが殺した、そして、事情を説明した上で息子を家族同然に育てたのだ。龍というのは、最強な存在だけあって、人にも化けれたので良かった。
エリスは、どんどんドラゴンへ魔力を注ぐ。ドラゴンは、気持ちよさそうにダラりとなり、尻尾をばたつかせてる。
「いやーこの子もし、早めに討伐されてなかったら龍に勝る強さがあったかもねー」
「確かにそうですな。私が貰っても?」
「うーん、エルドならいいよ」
「ありがとうございます主よ」
ドラゴンと話し、一旦消えてもらった。人の、式神は奪えないはずだが不可能を可能にできるエリスは、関係ない。
扉を開けると大きな施設があった。滝のようなものがあり轟音を立て下に落ちている。
この施設は下水道を魔道具で浄化する施設だ。この魔道具のおかげで、この国の治安は、よく食糧難なども少ない。
更に奥に進むと大きな機械に管などをが繋がって居て、周りに人間がいた。人間達は、詠唱なような物を発しており、その中心には、色々な器具を付けられた幼女が寝かされていた。
「はぁまさか幼女を化け物にしようとしてるとは」
「本当ですね。どうしますか?」
「あの子を助けてからあいつらは、私が皆殺しにしようか」
そう言いエリスは、瞳を金色に光らせ目の前にある幼女を化け物にしようとしてる機械を壊す。
「な、何事だ!」
「侵入者です!」
「くそ!どうしてここがわかったのだ!いったん実験を中止して、形成を整えるぞ!足止めしてろ式神達よ!」
指揮官のような男が命令すると即座に他の者は胸の懐から式神を召喚した。
「あんなガキなど食い殺してしまえ!おい、なぜ動かん!」
「はぁねぇ貴方たちには、要はないの。死んでくれない?」
エリスが何かを握りつぶすかのように手を動かす目の前の敵たちは毛穴全てから血が吹き出した。
「な、何者な.........」
暗部のものたちは事切れた。その事は、どうでもいいかのようにエリスは、幼女を機械から外し抱き抱える。
どうやら絶滅したはずの種族である、妖狐種族であった。
昔、傲慢な人間は、1部の獣人を奴隷とし連れてこられたらしい。そのため、この種族は絶滅したと本に記されていた。
だが、まだ生き残りがいたようだ。それか、この子が最後か......可愛い尻尾が4本生えている。
「んうっ…」
どうやら、起こしてしまったらしい。パチパチと目を瞬かエリスたちを凝視する。
「知らない人?」
「私は、エリスだよ」
「私は、エルドと申します」
「ん、私は、マータなの」
「マータは、どこに住んでたの?」
「マータはママ、森で暮らしてた。だけどママは、人に殺されてマータ捕まったここにいた……っ……、ぅ……うぇえん」
まだ幼いマータには、辛い辛い出来事だっただろう。
「涙が枯れるくらいまで泣いていいんだよ。」
「ゥックズッ……」
マータは、エリスの胸元で泣き疲れたのか寝てしまった。
「この子はどうするのですか?」
「うーん、正直いってこの子に孤児院は、向いてないと思うのよね。孤児院だっていじめは、あるだろうし、この容姿だから辛い思いするし...。とりあえず私の寮にいてもらおうかな?学校は、色々な施設があるから大丈夫だと思うし」
「そうですな。世界最強のエリス様が傍にいれば何も起こることはないでしょう」
スヤスヤと眠るマータを起こさないように静かにホテルへ2人は、帰っていた。




