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〜転生者達の傭兵国家〜  作者: あぱ
悪神
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部屋から出ると廊下の向こうではエレナが待っていた。


「誰も来ませんでした」

「うん」

「それと、言われた通り書類を作成しました」


 男は死んだ。しかし記録上はまだ死んでいない。男はこれからとある依頼を受けて地方に行くことになった。


 作ってもらったのはそれを証明する書類。たいした仕事でもないので、一人でふらっとこなしに行った。皆はそのうち帰ってくるだろうと気にも留めない。


 かなり時間がたってから、帰ってこないことを不審に思う者も出るだろう。しかし冒険者が依頼で命を落とすことはままある。行方不明者で処理されて終わりである。

いやぁー冒険者ってのは殺すのが楽でいいね、魔物に殺されたってことにすればいいんだし。


仲がよかった者は不審に思い調べるかもしれない。けど調べるのは旅先か、旅の途中で何があったか。


「ルーク様なら私にこんなことをさせなくても、この男程度どうにでもできたのでは?」

「人を殺せば罪に問われる。バレたらめんどくさいし、楽しい楽しい学校生活が台無しだもん」


 罪に問われないようにするには、殺人を隠匿する必要があった。殺すだけなら、暗い路地裏でも、男の自宅ででもできる。


 しかしその場合、さすがに捜査は行われるだろう。それも即座に。この世界では地球ほどではないが一応巡回している騎士がいるので殺人などがおきたら調べられるのでバレるかのせいが無くはない。特にこの男と問題を起こした人物、恨みがある人が真っ先に容疑者となる。

私は奴といざこざを起こした。多数の人が目撃している。私も疑われて色々嗅ぎまわられてしまう。

 容疑者に奴を殺せる能力があるのが自分しかいなければ、最有力の容疑者だ。この男の場合は他の人にも恨みをかってる可能性があるが私は、元々身元不明の胡散臭い人物なのだ。しかも色々隠し事がある。疑われること自体をできるだけ回避したほうがいい。


 だからエレナにこんなことを頼んだ。


「そこまでお考えでしたか。失礼しました」


 説明を聞き、エレナは頭を下げる。


「何かあったらまた頼みに来ると思うからそれまでは今までどおりに仕事をしておいていいよ。もしなにかあったら私に連絡してもいいし」

「はい。ルーク様をサポートする上で、目的をお教え頂けるとありがたいです」

「目的?」

「たとえば人類滅亡させるとか」

「それはないな」


 エレナは色々と勘違いをしているようだな。悪神族の目的はそういったところにはない。

 我々はラスボスが勇者に倒されたのち、次に勇者に立ちふさがるべき存在。通称裏ボス。


「私の目的はなしね〜色んな世界をゆっくり回ることかな?」


「そ、そうなんですか」

「なんだと思ったの?」

「世界をせいふくしたり、虐殺するのかと」

「あはは、発想が過激だねーエレナちゃん」

「あ、いえそういう訳じゃ」

「ふふっまぁーそれも悪くないけど私の趣味はそんなことじゃないからね」

「そうですか。あと私はこれからどうすれば」

「うーん。このまま仕事を続けてもらった方が私的には嬉しいかな?」

「そうですか」

「うん、また殺すやついたら処理手伝ってもらうかも」

「分かりました」

「どう、力は慣れた?」

「は、はい。一応使えそうです」

「ならよかった。じゃ私は帰るね」

「さようなら。ルーク様」


私はそういい冒険者ギルドを後にした。

繁華街の近くにある家に入りそこから転移をする。

これをする理由はもし何かの事情で私の家に人がきたら対応するためだ。普段はゲーティアで生活をしている。


翌日冒険者ギルドの前に立っていると見慣れた勇者パーティーが来た。今日は迷宮攻略をする予定のためここを集合場所にしたのだ。


「早いねルークくん」

「おはようエリシア。」

「おはよう」


いつもと違いドレスアーマを着たエリシアに挨拶をした。続いてマリン アレク レック ソフィアと続いて挨拶をし

迷宮に転移をする。


ここは迷宮を中心に栄えてる街で冒険者が数多く生活をしている迷宮都市だ。ビザンツ帝国から400キロ離れたナウル公国の端にある都市だったりする。


「ここに来るのは久しぶりね」

「そうですね〜」

「ほんとだな」

「じゃあ早速行きましょうか」


迷宮の入口にいくとギルドの受付がいた。


「迷宮に入られますか?」

「はい」

「では、代表者の方はギルドカードを提出ねがいます」

「私よ」

「これは!勇者様でしたかでは、お気をつけて」

「ありがとうございます」


そう言うと中に入らせてもらい。中に入るとそこには石版があり地面には転移魔法陣が刻まれていた。


「これは…」

「ルークさん初めてでしたね」

「これを使って迷宮にらいくんだぜ!」


アレクが教えてくれた。私は迷宮の中は見れないため初めて知った。


「じゃあ行きましょうか」

「「おぅっ!」」


 迷宮の入り口自体は普通の階段だった。それが地下へと向けて設置されている。


「この階段も迷宮の一部なの?」


 階段を下りながら私はエリシアへと尋ねるが、その問いは否定される。


「いや、この階段はダンジョンが出来た後にギルドが用意したものだよ。ほら、その証拠があれよ」


 階段を下りきった先にあるのは無骨な扉だ。それは、ダンジョン内のモンスターを外へと出さないようにギルドが設置したものだ。


「つまり、この扉の先が本当のダンジョンになってる訳だ」



 階段から扉まではそう長いものではないのだが、道幅はそれ程広くない。


「これは、随分と広いな。……それに壁自体が明かりを放っているのか?」


 私は感心した、薄らとした明かりを放っている壁へと触れる。


「俺が集めた情報によると、どうやら壁自体が発光するというのは全ての迷宮に共通する特色らしいね。まぁ、もっとも階層によっては明かりの無い暗闇に包まれてる場所とかもあるらしいから油断は禁物だけど」

「もしかして、この壁を地上に持って帰ったらかなりの収入になるんじゃ?」


 私はビザンツ帝国がお金はないのは知っていたため提案した。


「そう考えた冒険者がいなかったと思うか? この壁を削って地上まで持っていっても光ったりはしないらしい。あくまでも迷宮の中だけの機能らしいね。一説によれば迷宮で暮らしているモンスターが不便を感じないように迷宮の核が作ったってのがあるけど……それは迷宮のかくに聞いてみなくちゃわからん」

「迷宮の核が魔物の為に? そんなことがあり得るのか?」

「ルークのその疑問ももっともだけど、何しろ地上で暮らしている魔物を転移させて迷宮の守りとしているんだから、真っ暗なままじゃ魔物達も碌に活動出来ないだろう?」

「……なるほど。そう考えれば確かにあり得るのか」


 アレクの言葉に頷く私よ。


「さて、迷宮観光もいいが私達の目的はあくまでも実践訓練強くなることだよ、じゃあ確認といこうか前衛はレッグとアレク。中衛はルークと私とマリン。後衛がソフィアだ。 では行くぞ」


 さすがは王女でありながら勇者ということか的確な指示を飛ばす。さすがに地下1階と地上に近いおかげか出て来る敵は巨大蝙蝠や角の生えた兎であるホーンラビットといった簡単にあしらえるモンスターが殆どだった。


「全く……力の違いは分かって欲しいのに……ねっ!」


 驚異的な腕力で長剣を振り下ろし、角を突き出して突進してきたホーンラビットをその角ごと唐竹割にするアレクが。

 その横ではレッグも 盾で蝙蝠の攻撃を捌き片手剣で真っ二つに切り裂く。


「ガァッ!!」


蝙蝠は断末魔を発し死んでいく。

 そうして迷宮の地下1階を歩き続けること30分程。ようやく地下2階へと向かう階段へと辿り着いたのだった。


迷宮の2階へと降りたルーク達は、ここもまた1階同様に真っ直ぐに3階へと続く階段へと進んで行く。


「迷宮って言うからどれ程の難関かと思ってたんだけど……思ってたよりも難易度が低いね」


 飛びかかってきた1m程のカエルのような魔物を有無を言わさずに斬り捨てながら呟く私。

 その横ではマリンもまた同様に炎弾を放って、上空から隙を窺っていた巨大蝙蝠を纏めて消し炭へと変える。


「まだ地下2階なんだから初心者用ですよ〜」


 私に返答しながら、離れた位置にいた巨大蛙へと矢を放つソフィア。ソフィアは普段は聖女として回復魔法を使うが自分の身を守るため魔力を消費して使う魔導弓を使っている。

 その様子を見ながら、エリシアも剣を操り襲い掛かって来る蝙蝠を剣で斬り裂いていく。


「敵は弱いが、こうも数が多いと面倒だね」

「確かにルークの言う通りですね」


 集団行動をしている私達の隙間を縫うようにして接近してきたソルジャーアントを剣で貫きつつエリシアも頷く。


「恐らく迷宮内に生息しているモンスターの数が減った為に迷宮の核が新たに魔物を転移させたんじゃないかと思います。迷宮についての本にそんなことが書かれてましたし」

「はぁーめんどくさいことをしてくれるね!」


 襲い掛かってきた魔物の掃討が完了した。、


「まぁ、この程度の敵なら問題あるまい。先を急ぐよ」


 エリシアの指示に従い、地下2階を階段目掛けて進んで行く。そして地図上ではそろそろ階段が見えてくるという頃……


「またお客さんだ」


 剣を構えながら、エリシアが呟く。

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