プロローグ
明けましておめでとうございます。
昨年より構想していた、新連載を始めました。
しばらくは、毎日更新で頑張りたいと思います。
宜しくお願い致します。
「いつも、ありがとうな。じゃ行ってくるわ」
冒険者風の男が店番の男の子に別れを告げて店を出ていく。
「まいどあり、気を付けて」
店番の男の子もその冒険者風の男に声を掛ける。
ここは、公都ウィンザーの冒険者ギルドから少し離れた青果店や雑貨店が立ち並ぶ通りにある錬金工房『ツインズ』。冒険者向けにポーションなどを中心に販売している店だ。最近は住民向けにもちょっとした傷薬や腹痛薬なども販売を始め開店して時間は経っていないがそこそこ繁盛していると言える。
「エドー!朝ご飯できた、早く来なさいっ!」
店の奥にある住居エリアから、同じ年頃の女の子の声で店番の男の子は呼ばれる。
「わかったー、今行く」
店番の男の子は、ため息を付きながら店の入り口まで行きかかっていたカードを『Close』にして鍵をかけ奥に入っていく。
~~エドside~~
俺の名前は、エドガー=フォン=ウィンザー。この公都を収めるウィンザー公爵家の4男だ。でも先日15歳の成人を迎えウィンザー公爵家を出た。なので今は、エドガー=ウィンザーだった。普通は貴族から平民になると落ち込むらしいが、俺は変わっているのか逆に嬉しかったほどだ。
なぜ俺が変わっているかと言うと、この世界と異なる世界。所謂、異世界からの転生者だからだろう。3歳の時に転生前の記憶を取り戻してから、なるべく目立たない様に過ごしてきたつもりだ。時には目立ってしまった事もあったが、ご愛敬という事で。
前世では、山下英二という中小の商社に勤めてた35歳の男だった。今考えると半〇直〇真っ青のブラック企業だった。入社時は若さと1年間のアメリカ放浪の旅で、身に付けた英語で与えられる仕事を精力的に仕事を行っていた。
午前中は、外回りをし夕方から夜にかけて請求書を作る。夜から深夜にかけて、次の日のプレゼン資料を作る毎日を送っていた。勤めていた商社は、仕事をする人間にはどんどん仕事が割り振られるブラック会社だった。それに気づくまでに10年かかった。
まあ、休みは無かったのでかなりの貯金があったが今では意味がない。山下英二の最後は、大みそかにN〇Kの赤白歌合戦をみながらこたつでビールを飲んでいた。つまみを追加しようと立ち上がった時にそのまま、前から倒れて死んだようだ。
最後の記憶は、薄れゆく意識の中で「次生まれ変わる時は、異世界に」と思った。そして『叶えよう』と聞こえたのが最後だったと思う。
「エド、ぼーっとしていないで早く食べちゃってね。今日はハイポーションの生成をする日なんだから」
俺の片割れ?であるエミリーがそうそうに食べ終わった、食器を水桶に付けながら言ってくる。
「分かってるよ」
俺は、ぼそぼそのパンにベーコンを挟み無理やりスープの水分で飲み込みこむことにした。
~~エミリーside~~
私の名前は、エミリー=ウィンザー。後ろのテーブルでぼそぼそと私の作った朝食を食べているエドガーの双子の姉だ。15年間住んだウィンザー公爵家を2か月前に出て、2人でこの錬金工房を経営している。
錬金工房を始める事は、2人で決めた。2人共にウィンザー公爵家に残って、嫁入り先や婿入り先を探すより自活した方が良いと考えたからだ。普通は何とか公爵家に残って貴族居たいと思うらしい、私もエドと同じ普通じゃなかった。なぜならば、私も異世界からの転生者だったから。
前世の名前は、友長伊織と言い、日本皇国 特殊潜伏第3小隊の小隊長をしていた。潜伏任務中の部下が捕らえられ救出に向かう途中に敵対国の罠にはまり、命を落とした。孤児だった私が死んでも誰も悲しむ家族はいないから、その辺の心残りは無いけど。
死に際に思った事は、「次に生まれる所は、平和な世界に」だった。私もエドと同じで意識が薄れる直前に『叶えよう』と言う言葉を聞いた。
そして、3歳の時に記憶を取り戻した。あの時の事は今でも覚えている。
お読みいただきありがとうございます。
本日は、後2回更新します。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
連載中の『異世界領地改革 ~土魔法で始める公共事業~』も合わせてお願いいたします。




