部活
謙二「みんなひどいよぉ.......俺をおいて逃げるなんて....」
江田「誰もお前を助けるなんていってない。」
後嶋「でも良かったじゃないか。あまりキツくなかったんだろ?」
謙二「そうだけどさぁ.....友達としての何かを失った気がする。」
江田「もともとんなもんねぇよ。」
謙二「そんなっ....ひどい....」
江田「あの時はみんなお前と違って部活があったんだよ。」
謙二「部活?みんな部活入ってたの?」
江田「知らなかったのか?俺と野々宮はテニス部だけど」
謙二「へぇー二人で入ったんだ.....」
江田「なっ、何か悪いか!」
謙二「別にー」
野々宮「江田っちが「俺と一緒に入らねぇか?」って誘ってきたのよ~」
江田「おまっ.....」
野々宮「本当の事でしょ~」
謙二「へぇー」ニヤニヤ
江田「ちっ......後嶋は何部なんだ?」
謙二「後嶋はガッチリしてるし柔道部とかじゃないの?」
後嶋「俺か?俺は吹奏楽部だ。」
謙江野「えっ」
後嶋「「えっ」って意外か?」
謙二「意外だよ!まさかのまさかだよ!」
野々宮「なんで吹奏楽部なの?」
後嶋「なんでって音楽が出来れば花を喜ばせれるからな。あ、花って俺の超超超可愛い妹な」
江田「こいつがシスコンだって事忘れてた。」
後嶋「だから俺はシスコンじゃなくて....」
江田「あーわかったわかった。」
謙二「いいなー俺も何かの部活入って学校生活をエンジョイしたいよ。でも運動系は嫌だな、疲れるし。かといって文科系もなー俺あんまり得意じゃないしなー。」
須川「じゃあウチの部に入れば?」
内田「そ、そうだね!」
謙二「お前らの部ってどんな部なんだ?」
須川「ふふふ...私たちの部は.....」
謙二「部は......」
須川「自由部よ!」
謙二「自由部?」
須川「そうよ!自由部!寝転んだり、遊んだりしたりして自由に過ごすの!まあ、部員が二人で顧問もいないし、まだ同好会扱いなんだけどね。」
謙二「なんだその俺にピッタリの部活は」
内田「大川君が入ってくれると嬉しいな....」
謙二「おっ、内田さんもそう思う?よし決めた俺は自由部に入る!」
須川「その言葉を待ってたわ!今日と明日は部活休みだから明後日に部室に来て!部室はこの校舎の一番奥にあるから!」
謙二「おう!」
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2日後
謙二「俺も今日から部活かー楽しみだなー」
ガラガラ
謙二「おっ邪魔しまーす!」
須川「いらっしゃい......」ズーン
謙二「ど、どしたの?」
内田「あ、大川くんっ!その.....」
謙二「ふむ、少人数がただ寝たりするだけのために教室を使っていることがバレてこの部が廃部になってしまうか.....」
須川「そうなのよ......もうダメだわこの部はもっと自由に過ごしたかったのに ....せめて人数が揃えば.....」
謙二「何人必要なんだ?」
須川「最低でも後三人.....こんなに揃うわけないじゃない!バカ生徒会!」
ガラガラ
後嶋「邪魔するぞー」
謙二「後嶋、どうしたんだ?」
後嶋「ああ、この部に入れて貰おうと思ってな」
須川「本当!」
謙二「でも良いのかよ?吹奏楽部はやめちゃったのか?」
後嶋「それがな.....俺、吹奏楽部で打楽器やってて太鼓の音を花に聞かせたら花に....」
花「大きな音の太鼓怖いから嫌い!」
後嶋「って言われて......シクシク」
謙二「お、おう....まあ大変だったんだな....」
後嶋「花ぁぁ!太鼓は嫌いになっても俺は嫌いにならないでくれぇぇぇ!」
謙二「まあまあ落ち着けって..... 」
須川「でもこれで後二人ね!誰か入ってくれそうな人知ってる?」
謙二「うーん知らないなー」
内田「私も....」
後嶋「俺も」
須川「そうよねぇ.....どうしましょう......」
ガラガラ
野々宮「お邪魔するわよー!」
謙二「野々宮!江田!」
江田「いきなりですまないが、この部に入れてくれないか?」
須川「もちろん!大歓迎よ!」
後嶋「お前ら、テニス部はどうしたんだよ?」
野々宮「それがね江田っちってば私に無理矢理キスしようとしてきた先輩と喧嘩して「お前なんかがいる部活やめてやる!」って私と一緒に辞めてきちゃったの。まったく江田っちは優しいんだから~こんどデートしてあげるからね~」
江田「なっ、お前だってキスされそうになって助けてやった時に泣いてたじゃねーか!」
野々宮「な、泣いてないもん!」
江田「嘘だ、絶対泣いてた。」
野々宮「泣いてないもん!」
須川「まあまあ、でも部員は人数が揃ったわ!」
内田「うん!これで廃部にならなくて済むね!」
謙二「よーし、今日から自由部の始まりだ~」
全員「おー!」