紹介のエルフ
北方侵攻!
多分次の次ぐらいには初陣じゃないかな?
そういえば主人公の名前を出してませんでした!ソフィアと言います。
士官の今日のスケジュール調整をする中で、重要な予定の見落としに気づいた。
第1・5部隊を率いるボホス将軍と、第7部隊を率いるテモロス将軍との軍議である。
やばい。
「カラア士官の部下の士官見習い、ソフィア・ディネクトリクスと申します。此の度の戦いでは第13部隊の副指揮官を務めさせていただくこととなりました。以後、お見知り置きを。」
さて、軍議の前に顔合わせが行われることになった。私が新顔だからだが、新たに副将軍に昇格した人が一人いるらしい。最も士官から上がってきたそうなのでみんな知っているそうだ、これも聞いた話だけど。
「おい小娘。何故士官見習いなどという要職に就いている?まだ仕事に就くことができない年齢ではないのか?」
髭のおっさんが言う。失礼だな、私はエルフだ。
「私はエルフ、ある程度の外見で歳を取るのが止まってしまうのですよ。」
暗に『そんなことも知らなかったのか』という言葉を滲ませる。エルフに小娘という言葉は最大の侮辱だ。
まあ厳密に言えば外見はほんの少しずつ歳を取っていくのだが。具体的には、100年に1歳ほど。最も、成長速度は人…いやエルフそれぞれ。200年に1歳歳を取るエルフもいるらしい。あるいはもっと遅い事も。
「それは…失礼した、ソフィア殿。改めて自己紹介を致そう。」
「はい。お願いしますね。」
「では。我はボホスと申す。第1軍将軍であり、今回は第1・第5部隊の指揮官を務めることとなった。種族はウェアウルフ。よろしく頼む。」
「よろしくお願いします。」
最初の印象ほど悪い人じゃないのかもしれない。紳士的な感じだ。
続いてとなりの若い男の人が挨拶してくる。なかなかイケメン。
「俺は第3軍将軍テモロス。第7部隊の指揮官だ。よろしくな。」
「はい。宜しければ種族をお聞かせ願えますか?」
この人…何となくだけど、血の匂いがする。
「ああ、忘れていた。失礼したな。吸血鬼の一族の者だ。今回の戦いでは奇襲を担当するぞ。」
ああ、それで。というかよく考えたら第7部隊は吸血鬼の部隊じゃないか。そりゃ吸血鬼だよな。
「いえ、とんでもない。こちらこそ失礼をしました。よろしくお願いします。」
その後副将軍二人の紹介があって、次は私の上司だ。
「じゃあ残るは僕なんだけど…なんか、別にいいかな?みんな知ってるよね?」
カラア士官が言う。はい、いいです。
みんなが頷いているのを確認すると、士官はまた席に座った。ちなみに士官はハーフドワーフだ。
「ではこれから、北方侵攻の軍議を始める_____」
軍議が、始まる。
お楽しみいただけたでしょうか?
次回、軍議のエルフ(多分)。
お楽しみに。